アナザーカントリーの紹介:1983年イギリス映画。実際にあった二重スパイ事件を元にした戯曲の映画化。祖国イギリスを裏切り、ロシアに亡命したガイ・ベネットはモスクワにいた。高齢となった彼は、記者に自分の若き頃を語り始めた。彼はエリートを夢見る名門パブリック・スクールの学生。同性愛者であるが、校内で上手く立ち回り、自由気ままな学生生活を送っていた。ある日、彼は別寮の美少年に一目惚れをする。この作品は第37回カンヌ映画祭で芸術貢献賞主受賞している。
監督 :マレク・カニエフスカ 出演:ガイ・ベネット(ルパート・エヴェレット)、トミー・ジャド(コリン・ファース)、ジェームス・ハーコート(ケイリー・エルウィス)ほか
映画「アナザー・カントリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アナザー・カントリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アナザー・カントリーの予告編 動画
映画「アナザー・カントリー」解説
この解説記事には映画「アナザー・カントリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アナザーカントリーのネタバレあらすじ1
祖国イギリスを裏切ったガイ・ベネット(ルパート・エヴェレット)は、ロシアに亡命します。1983年モスクワで高齢となったガイは米国人ジャーナリストからインタビューを受けます。彼はスパイ事件の真相を話せない代わりに、祖国を裏切るきっかけとなった学生時代を語り始めます。
アナザーカントリーのネタバレあらすじ2
話は1932年までさかのぼります。富裕層の子息達が、寮で集団生活を送っている名門パブリック・スクールで同性愛の情事が舎監に目撃されます。ガイは最終学年で寮の代表に選出されることを望んでいます。名門校の寮の代表を務めることは、将来外交官など官僚の仕事をするのに必要不可欠です。彼は同性愛者ですが、自由気ままな学生生活を謳歌中です。そんな日常のさなか、彼は別寮の美少年ハーコート(ケイリー・エルウィス)に一目惚れします。
アナザーカントリーのネタバレあらすじ3
一方、情事を舎監に目撃された学生は自殺します。この騒ぎで校内はピリピリした空気になります。ガイも自殺騒ぎに心を痛めますが、ハーコートに対する想いを募らせていきます。ガイの親友であるジャドは、そんな彼を見守りながらも心配します。ジャドは名門校の学生でありながら共産主義に傾倒しています。ガイは権階級に属し恩恵を享受しながらも、どこか違和感を抱いています。二人は対極の立場にありますが、互いを友として受け入れています。
アナザーカントリーのネタバレあらすじ4
自殺騒ぎの件で、幹事になるはずだった学生が学校を去ることになります。それは、次期代表となるガイの立場が危うくなることが示唆します。ガイはジャドに幹事になって欲しいと訴えますが、ジャドは共産主義の思想に反するので一端は断ります。ガイは今度の軍事教練で皆をからかったら、幹事の件を考えてほしいとジャドに言います。軍事教練の当日、ガイは皆をからかった態度をします。その結果ガイは、代表メンバーたちの前に呼ばれます。かつてガイは代表メンバーの一人と関係を持っていたので、それをネタに危機を回避します。
アナザーカントリーの結末
ガイの熱意に押されて、ジャドは幹事を引き受けることを了承します。すべてが上手くいくと思った矢先、ガイのハーコートに対しての手紙(情事の証拠)が発覚します。ハーコートを本気で愛していたガイはいつものように立ち回ることができず、代表の地位を諦めることになります。すなわち、ガイが夢見たエリートの道を閉ざされることとなったのです。悲嘆にくれるガイをジャドは慰めながらも、“自分の無分別が招いたことだ”と言います。“無分別”という言葉がガイの心に響きます。そして、ジャドの信条である共産主義に共感していきます。ガイはインタビューの終盤、今はもういない親友ジャドや学生時代の写真を懐かしそうに見つめます。最後に「クリケットが恋しい」とつぶやくのです。
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