青い夢の女の紹介:2000年フランス,ドイツ映画。精神分析医に降りかかる、悪夢的な事件をエロティックに描くドラマ&サスペンス。精神分析医のミシェルは、魅力的な患者オルガに惹かれていた。彼女は盗癖と夫から受ける暴力を悦楽として享受し、それをいつも挑発的にミシェルに聞かせている。ある日の診療中、居眠りをしてしまったミシェルはオルガを絞殺する夢を見た。目を覚ますと、目の前には夢の通りオルガの絞殺体が横たわっているのだった。
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演者:ジャン=ユーグ・アングラード(ミシェル・デュラン)、エレーヌ・ドゥ・フジュロール(オルガ・キュプレール)、ミキ・マノイロヴィッチ(ヘラストラトス)、ヴァレンティナ・ソーカ(エレーヌ・メイヤー)、ロベール・イシュル(アーマンド・ズリボヴィッチ)ほか
映画「青い夢の女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青い夢の女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
青い夢の女の予告編 動画
映画「青い夢の女」解説
この解説記事には映画「青い夢の女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青い夢の女のネタバレあらすじ:蠱惑的な女
舞台は現代のフランス。精神分析医ミシェル・デュランは、高校時代からの友人で刑事のシャピローに呼び出され警察署に来ていました。患者であるオルガ・キュプレールが、宝石店での万引き容疑で捕まったらしいのです。オルガは、犯行時間はミシェルの診療を受けていたとしてアリバイを主張。真偽を問われたミシェルは、彼女の言葉を肯定します。
オルガは非常に美しい女で、人を惹き付ける危険な魅力を持っていました。彼女のセラピーを受け持つミシェルも、危機感を抱きつつ惹かれています。オルガは夫マックスの暴力で悦楽を感じ、わざと彼を挑発して酷くされるよう仕向けていました。マックスから受ける暴力とその快感を生々しく喋り、ミシェルをも挑発してくるのがオルガのやり方です。万引きの件で自分を警察に引き渡さなかったミシェルに対し、オルガはとても満足そうに笑いました。
そしてとある雪の日、いつものようにオルガの診療中だったミシェルは椅子で居眠りしてしまいます。夢でミシェルはオルガに暴力を振るい、彼女を絞殺しました。そしてふと目を覚ますと、診察用のソファでオルガが死亡しています。首にはくっきりと指の痕がついていました。ミシェルは必死に蘇生を試みますが無駄に終わり、混乱と恐怖に頭を抱えます。
青い夢の女のネタバレあらすじ:降りかかる謎
ミシェルがまず電話をかけたのは、心理学の権威で友人でもあるアーマンド・ズリボヴィッチのところでした。ミシェル自身、彼のセラピーを受けています。しかし連絡がつかず、仕事の時間になってしまいました。ミシェルは仕方なく診察用のソファの下にオルガの遺体を隠し、内心落ち着かずに患者を迎えます。疲労困憊のミシェルは恋人エレーヌ・メイヤーとの約束を反故にしてしまい、彼女に激怒されました。
翌日の夜、マックスが診療所へやって来ます。彼は突然「金はどこにある」と言い出しました。マックスによると、オルガはつい最近700万フランもの大金を彼の銀行口座から引き出したらしいのです。ミシェルを共犯だと睨んだマックスは、明日の夜家に来いと脅して帰っていきました。しかしミシェルには何のことだか分かりません。
その夜、ミシェルは両親の夢を見ました。彼はいつも母と一緒に父を馬鹿にしていましたが、ある日両親のセックスを目撃してしまいます。ミシェルは酷い裏切りだと感じ、その光景がトラウマになりました。今になってようやく、父は父なりに自分を愛してくれていたのだと気付きます。
青い夢の女のネタバレあらすじ:更なる殺人
翌日の夜。ミシェルは指定された時間より1時間早くキュプレール邸に到着しました。中に入っていくと、鞭の音と女の悲鳴が響いています。マックスの怒鳴り声の後、銃声が聞こえました。ミシェルは大慌てで屋敷から逃げ出し、酒を呑んで眠ります。幻覚が次々と頭を過ぎり、ミシェルにはその夜の出来事が夢だったのか現実だったのか、よく分からなくなっていました。
翌日の午後、シャピローからマックスが殺害されたと情報が入ります。警察はオルガが犯人だと疑っており、彼女を犯行まで匿っていたのがミシェルだと考えていました。ミシェルは早急にオルガの遺体を処分しなければと焦ります。夜、人目を盗んでオルガの遺体を車のトランクに押し込んだミシェル。しかし寒さでエンジンがかからず、その夜は諦めるしかありませんでした。朝になって車を直そうとしますが上手くいきません。仕方なくカフェに入ると、1年ほど前からこの辺りをうろついているという男が声をかけてきました。
自分をヘラストラトスに喩えたその男は妙に勘が鋭く、ミシェルが精神分析医だと気付いているようです。ヘラストラトスは昔宝くじに当選して大金持ちになりました。しかし札束を燃やしたいという欲求が生まれ、実行してしまいます。4年間入院したと話す彼は、唐突に車のバッテリーを交換してやると言い出しました。ミシェルは警戒しつつ頼むことにします。夜、バッテリーを交換したヘラストラトスは、礼として金銭ではなくミシェルに診察して欲しいと話しました。困惑したミシェルは、仕事があるからと車で逃げ去ります。
青い夢の女のネタバレあらすじ:明らかになる真実
墓地に侵入したミシェルは、オルガの遺体を他人の墓に埋めてしまうことにしました。オルガに死化粧を施していると、背後に突然男が立ちます。DJと名乗ったその男は、夜な夜な墓地に侵入しては人形を抱くのが趣味という変わった性的趣向を持っていました。ミシェルを仲間だと勘違いしたDJはオルガの埋葬に協力します。最大のピンチを乗り切ったミシェルは泥酔して眠り込んでしまいました。
幻覚に襲われる彼はオルガを抱いているつもりで枕に飛びかかります。その現場を訪ねて来たエレーヌに目撃されてしまい、ついに愛想を尽かされてしまいました。ミシェルはズリボヴィッチのセラピーで、全ての出来事を語ります。すると突然、ズリボヴィッチが銃を向けてきました。驚くミシェルに、金はどこだと脅します。実は元々、オルガはズリボヴィッチの患者でした。しかし次第にオルガに惹かれた彼は分析を忘れてしまい、その苦悩からミシェルのもとへ行かせたのです。
彼は、オルガを殺害したのはマックスだと話しました。そして立派な精神分析医になってくれと励ましミシェルを送り出します。翌朝。ミシェルはラジオのニュースでズリボヴィッチの自殺を知りました。そこにシャピローから電話がきて、警察署へ向かいます。
青い夢の女の結末:オルガを本当に殺したのは
警察署に入ったミシェルはぎょっとしました。DJが事情聴取を受けていたのです。しかし彼はミシェルを尊敬すべき仲間だと思い込んでいるので、警察に真実を話すつもりは無いようでした。シャピローによると、ズリボヴィッチは自殺前にオルガを埋めたという手紙を書いていたそうです。そしてマックスを撃った銃と自殺に使用した銃も同一の物であることが分かりました。
事件とは無関係だったと判断されたミシェルは、安心して自宅に戻ります。するとヘラストラトスが待っていました。どうしても診療して貰いたいと言う彼は、金ならきちんと払うと話し大金を床にばら撒きます。それはオルガから預かったという700万フランでした。オルガとヘラストラトスの間には親交があり、ミシェルよりずっと詳しく彼女のことを知っているようです。ヘラストラトスは、オルガを殺害したのはミシェルだと断言します。しかし故意ではなかったはずだと。見ていれば分かると話すヘラストラトスに、ミシェルはしばらく無言でした。そして診療することを約束して、2人で笑い合います。
その夜、ミシェルはエレーヌを橋に呼び出し指輪を贈りました。変わらぬ愛を誓った彼らが抱き合い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「青い夢の女」のあらすじと結末でした。
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