映画「県警対組織暴力」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
県警対組織暴力の紹介：1975年日本映画。広島県倉島市におけるヤクザ抗争と、ヤクザと癒着しながらも共存をはかる刑事たちの関係を赤裸々に描いた深作欣二監督の新境地の作品です。仁義なき戦いシリーズの俳優たちが出演し、ここでいう県警とは広島県警察がモデルになっていると言われています。
監督：深作欣二 出演者：菅原文太（久能徳松）、梅宮辰夫（海田昭一）、佐野浅夫（吉浦勇作）、山城新伍（河本靖男）、松方弘樹（広谷賢次）、遠藤太津朗（大原武男）、室田日出男（柄原進吾）、成田三樹夫（川手勝美）、川谷拓三（松井卓）、金子信雄（友安政市）ほか
この解説記事には映画「県警対組織暴力」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
昭和32年、倉島市では一大勢力を誇った大原組から別れた三宅組との抗争の末、三宅組長が殺され、三宅組のナンバー2の友安が引退して終止符が打たれました。大原組長が収監され、友安が市議会議員になってからは、友安に群がる大阪の川手が川手組を作り、大原組の若頭・広谷の率いる大原興業と反目していました。
川手組のオーシャン観光が経営するキャバレーで、友安らが酒を飲んでいると、広谷の若い衆らが、組の女であった麻里子が川手の店にいたことから暴れ出しました。警察がやってきて騒ぎは収まり、翌日広谷が、若い衆を連れてきて自首させました。刑事の久能はそれで納得し、川手組に乗り込みました。久能は広谷を可愛がり面倒見ていました。川手組の事務所で突っかかって来る松井を適当にあしらい聴取を終えました。
そのころ友安は広谷を呼び、自分は堅気になったとはいえ、大原の兄貴とは杯を交わしたままだと言い、川手と兄弟分の杯を交わせと言いました。広谷は、組を裏切った外道はただじゃおかないと言った後、事故に気を付けろと言って事務所を出ました。
友安は川手を使って、工場跡の広大な土地の入札の談合を進めていました。川手のオーシャン観光に落札させ、日光石油に転売し、大きな利益を得ようとしました。そこで久能は川手組の松井を引っ張って来て追い込みました。松井は内情をすべて話しました。
落札はオーシャン観光が落としますが、松井の喋った、川手組による美人局をネタに、川手を買春恐喝容疑で逮捕状を取りました。この一件で落札は無効となり、大原工業が土地を押さえました。6年前、大原組を割った三宅組長を殺したのは広谷でした。その広谷を守り、容疑者不詳のまま事件を終わらせたのが久能でした。
広谷らと久能ら刑事は、クラブで酒を飲みました。広谷の舎弟の柄原と刑事の河本は同級生で、昔を懐かしみました。ヒラの刑事のまま歳を重ねた吉浦もいました。酒を飲んだ後、久能が柄原らをパトカーで送らせました。その途中、狭い道でトラックと鉢合わせになり喧嘩に発展しました。喧嘩は任せろと柄原らが暴行を加え、作業員を刺しました。これは川手組が仕掛けたもので、これにより川手組は大原組への全面攻撃に出ました。
抗争事件激化の中、刑事課の久能らは何もしませんでした。このことが問題になり、本庁からエリートの海田が派遣され、久能らの刑事課の班長になりました。海田はヤクザとのしがらみは一切捨てろと命じました。
海田の歓迎会に送られた広谷からの酒を、海田は投げ捨てて割りました。これに反発した吉浦が喧嘩を申込み、海田にコテンパンにやっつけられました。翌日、吉浦は辞表を出し、刑事を辞め、友安の事務所で働きだしました。
大原組長が出所し、放免祝いの席を狙って、海田がガサ入れを強行しました。そして大原を逮捕し、偽装落札で逮捕しない代わりに、自身の引退と、大原組の解散、そして残った組員は川手組へ吸収という条件を、友安が同席の上のませ、記者会見をさせました。
これに怒った広谷は久能を呼びつけ、縁を切ると言いました。何も知らされていなかった久能は海田に文句を言うものの、三宅殺しの広谷をかくまった事をだしにされ、署長から自宅謹慎を命じられました。川手の切り崩しは大原興業の組員まで及びました。
広谷は吉浦を拉致し、ホテルに立て籠もりました。河本が記者に変装して乗り込み、同級生の柄原に自首しろと言いますが、高ぶっている柄原は河本を射殺しました。広谷は海田に電話をし、自分たちの要求を伝えました。手の打ちようのなくなった署長と海田は、久能を呼びました。久能は広谷から与えてもらった情婦の麻里子を連れ、ホテルに入りました。
久能は広谷にこのままだと殺されると言い、オレが要求を出すから、向こうが要求をのんだら降伏しろと言いました。その条件は、川手組の解散、広谷らの刑の減刑、久能の捜査に口出しをしないというもので、飲めない場合は、警察の癒着のすべてをバラすと言いました。
海田に伝えると、所長と相談の結果、要求をのみました。素直に降伏したと思った広谷は隙を見て海田に襲い掛かりました。しかし広谷は警官らに射殺されました。
この事件で海田は刑事を辞め、日光石油に入社しました。久能は巡査として派出所に回されました。
雨の日、事故車を発見した久能は、交通整理をしていました。そこへ猛スピードで走るトラックが停止命令を無視し、久能を轢き殺しました。結局、加害者は見つかりませんでした。
以上、映画「県警対組織暴力」のあらすじと結末でした。
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