エンテベ空港の7日間の紹介:2018年イギリス,アメリカ,フランス,マルタ映画。今も続くイスラエルとパレスチナの紛争、1976年6月から7月にかけて、ドイツ人とパレスチナ人テロリストによるエールフランス機のハイジャックが起きました。テロリストたちは獄中のパレスチナ人の釈放をイスラエル政府に要求、航空機をアフリカのウガンダのエンテベ空港に着陸させ独裁者アミンを後ろ盾に交渉を始めました。『エンテベ空港の7日間』は外交交渉を考えるイスラエルのラビン首相と軍事作戦を主張するペレス国防大臣の葛藤とテロリスト達の揺れる心境を描いた映画です。この事件は1970年代にハリウッドで映画化されていますが、本作ではロザムンド・パイクが女性テロリストを熱演しています。
監督:ジョゼ・パヂーリャ 出演:ニエル・ブリュール(ヴィルフリード・ボーゼ)ロザムンド・パイク(ブリギッテ・クールマン)エディ・マーサン(シモン・ペレス)リオル・アシュケナージ (イツハク・ラビン)ベン・シュネッツアー(シーヴ・ヒルシュ)ドゥニ・メノーシェ(ジャック・ルモワーヌ)ほか
映画「エンテベ空港の7日間」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンテベ空港の7日間」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エンテベ空港の7日間の予告編 動画
映画「エンテベ空港の7日間」解説
この解説記事には映画「エンテベ空港の7日間」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンテベ空港の7日間のネタバレあらすじ:起・ハイジャック発生とイスラエル政府の苦悩
映画の冒頭、第2次大戦後のイスラエル建国以降、イスラエルに敵対するパレスチナ過激派とパレスチナ支援の世界中の極左集団の協力関係が説明されます。サラはイスラエルのダンサー、舞台で激しく踊り、イスラエル軍のシーヴ(ベン・シュネッツアー)という恋人がいます。
1976年6月27日、ギリシャのアテネ国際空港。2人のドイツ人と2人のパレスチナ人がエールフランスのパリ便をハイジャック、239人の乗客が人質にとられます。ヴィルフリード・ボーゼ(ダニエル・ブリュール)とブリギッテ・クールマン(ロザムンド・パイク)は銃と爆弾で客とパイロット、航空機関士のジャック・ルモワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)を脅します。
ブリギッテとボーゼは「革命細胞」と呼ばれた西ドイツのテロ集団で極左組織のメンバーで、パレスチナ人の二人はパレスチナ解放人民戦線・外部司令部のメンバーです。中東で軍事訓練を受け、このハイジャックを計画、準備します。
目的は獄中のパレスチナ解放人民戦線のメンバーの釈放をイスラエルと交渉、反イスラエルのアミン大統領が支配するウガンダへ向かうことでした。イスラエル政府のイツハク・ラビン首相(リオル・アシュケナージ)とシモン・ペレス国防大臣(エディ・マーサン)は対策を考えます。同機はリビアに到着し、燃料補給し目的のウガンダに向かいます。深夜、ウガンダのエンテベ空港に到着、4人のハイジャック犯はウガンダ政府に支援されたテロリスト達と合流します。
エンテベ空港の7日間のネタバレあらすじ:承・独裁者アミンとイスラエル政府の交渉
2日目の6月28日、早朝に乗客は飛行機から降ろされ、空港ターミナルに向かいます。出迎えたのはウガンダの独裁者アミン大統領、自らの業績を自賛しテロリストと乗客を歓迎する演説を行います。乗客は拍手しますが、不安の表情を隠せません。人質となった乗客は空港内の部屋に集められます。ボーゼとブリギッテは人質を監視します。
イスラエル政府は外交交渉を考えるラビンと、軍事手段を主張するペレスとの対立が始まります。人質は食事を与えれますが、ある女性は落ち着かずパニックになります。ブリギッテはとりあえず寝ることにしますが、テロを計画した過去を回想します。サラは自宅に帰るシーヴにイスラエル軍から電話があったことを伝えます。
3日目の6月29日、ペレスは強攻策を想定し軍事訓練を始めます。シーヴも訓練を受けますが、サラはダンスの練習に集中できません。ユダヤ教の祈りを捧げる人質達、ウガンダ軍の兵士が現れ、部屋の壁に穴を開けます。テロリストたちは人質のイスラエル人の名前を呼び、穴であかれた部屋にイスラエル人達を移動させます。ボーゼはイスラエル人と非イスラエル人の選別に疑問を感じますが、移動を拒む乗客にブリギッテは銃を発砲して脅します。
イスラエル政府では軍事作戦に消極的なラビンをペレスが説得します。イスラエル政府はアミンに電話しますが「人質解放ならノーベル平和賞」とおだてるイスラエル政治家の電話をアミンは切ります。ボーゼはイスラエル人(ユダヤ人)の選別はナチス的と怒り、ブリギッテと喧嘩します。
エンテベ空港の7日間のネタバレあらすじ:転・交渉か強攻策に揺れるイスラエル政府とテロリスト
4日目の6月30日、アミンはイスラエル人以外の人質の一部を解放し、パリに返すことにし、アミンは解放された人質をバスに乗せます。その後、アミンは残されたイスラエル人に対しイスラエルが交渉に応じなければ子供を殺すと脅します。シーヴはサラと電話しますが、上官より厳しい言葉を浴びせられます。
5日目の7月1日、航空機関士のルモワーヌは安全な水もトイレも確保できない劣悪な環境改善のため配管の修理を始めます。ボーゼが監視しますが、彼はパレスチナ人の苦悩をルモワーヌに話します。それに対し、ルモワーヌは革命とテロの無意味さを語ります。イスラエルではラビンは国民から人質解放の激しいプレッシャーを受けます。
ラビンは交渉をすると表明、テレビのニュースではイスラエル政府交渉のニュースが流れます。ボーゼは安心しますが、パレスチナ人テロリストたちは交渉が見せかけなら人質は殺すと言います。ラビンの交渉表明のニュースの中、ペレスは軍事作戦の準備を継続します。
6日目の7月2日、シーヴはサラとコーヒーを飲みますが、作戦は実行されないと考えています。しかし、シーヴは軍より電話を受け部隊に戻ります。テロリストはイスラエル政府の交渉の姿勢を評価し、フランス人の人質を解放します。エールフランスのクルーは全員が残ることにします。
ルモワーヌは妻への手紙をブリギッテに渡しますが、彼女は興味を見せません。ペレスは作戦の演習を開始、しかし、ラビンは軍事作戦の失敗を恐れます。シーヴら兵士たちは作戦の説明を受け、ペレスは実行部隊を飛行機に乗せます。
エンテベ空港の7日間の結末:作戦の決行、ブリギッテとボーゼの運命
7日目の7月3日、ペレスはラビンの許可なしに部隊の飛行機を離陸させウガンダに向かわせます。ラビンはようやく決断、閣僚に挙手をもとめ「サンダーボール作戦」が正式に認可されます。ブリギッテは死を覚悟したのか髪を切り、ドイツの恋人でテロリスト仲間のファンに電話し「平和な生活を望む」心境を語りますが、電話は故障していました。ラビンは作戦失敗時には辞任することを決めます。
ウガンダ、エンテベ空港に着くシーヴとイスラエル軍兵士たち、ウガンダ兵を倒していきます。パレスチナ人テロリストはボーゼとブリギッテに人質殺害を命じますが、2人は殺害はできずにイスラエル兵に銃を向けます。シーヴと部隊はテロリストを殺害、ブリギッテとボーゼも殺害され、人質も救出されます。イスラエルでは、サラは激しくダンスし舞台で倒れ、ラビンら閣僚は作戦成功の知らせに歓喜します。
映画の最後、解放された人質と家族の歓喜の再会の当時の映像、字幕では、4人の人質が犠牲になったこと、ラビン首相は1995年に暗殺されたこと、ベンジャミン・ネタニヤフ首相の兄がこの作戦で戦士していること、などが流れます。
以上、映画「エンテベ空港の7日間」のあらすじと結末でした。
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