ロミオとジュリエットの紹介:1968年イギリス,イタリア映画。伝説の劇作家ウィリアム・シェイクスピアの代表作のひとつであり、幾度も映画化されてきた同名戯曲をイギリス・イタリアの合作で製作した1968年版の作品です。オペラ演出なども手掛けるフランコ・ゼフィレッリが監督・脚本を務め、ロミオ役はレナード・ホワイティング、ジュリエット役はオリヴィア・ハッセーが演じています。アカデミー賞では撮影賞と衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞では主演の二人が新人賞を受賞しています。
監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演者:レナード・ホワイティング(ロミオ)、オリヴィア・ハッセー(ジュリエット)、マイケル・ヨーク(ティボルト)、ジョン・マケナリー(マキューシオ)、ミロ・オーシャ(ローレンス神父)、パット・ヘイウッド(乳母)、ロバート・スティーヴンス(ヴェローナ公)、ブルース・ロビンソン(ベンヴォーリオ)、ポール・ハードウィック(キャピュレット)、ナターシャ・パリー(キャピュレット夫人)、アントニオ・ピエルフェデリチ(モンタギュー)、エスメラルダ・ルスポーリ(モンタギュー夫人)、ロベルト・ビサッコ(パリス)、キース・スキナー(バルサザー)、ローレンス・オリヴィエ(ナレーション)ほか
映画「ロミオとジュリエット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロミオとジュリエット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロミオとジュリエットの予告編 動画
映画「ロミオとジュリエット」解説
この解説記事には映画「ロミオとジュリエット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロミオとジュリエットのネタバレあらすじ:起
イタリア・ヴェローナでは、モンタギュー家とキャピュレット家という二つの名家が血で血を洗う抗争を続けていました。二者の抗争に業を煮やしたこの地の領主ヴェローナ公(ロバート・スティーヴンス)は、これ以上の騒ぎを起こした者は死刑にすると通達しました。
キャピュレット(ポール・ハードウィック)の夫人(ナターシャ・パリー)は、一人娘のジュリエット(オリヴィア・ハッセー)に貴族のパリス(ロベルト・ビサッコ)との縁談を持ち掛け、ジュリエットも話を引き受ける決意を固めました。一方、モンタギュー家の一人息子ロミオ(レナード・ホワイティング)はある女性への恋のことで悩んでいました。
そんなある日、ロミオは親友のマキューシオ(ジョン・マケナリー)らと共にキャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、そこでジュリエットに一目ぼれをしてしまいます。ロミオの存在に気付いたジュリエットの従兄ティボルト(マイケル・ヨーク)はキャピュレットにそのことを伝えると、キャピュレットは、礼儀正しいうえに抗争とは無関係なロミオを放っておくようにティボルトに命じ、騒ぎを起こすなと忠告しました。ロミオは仮面をつけたままジュリエットと踊り、互いは急速に惹かれ合っていきました。
ロミオとジュリエットのネタバレあらすじ:承
互いに対立し合うモンタギュー家とギャピュレット家の一族であることを知ったロミオとジュリエットでしたが、ロミオはどうしてもジュリエットのことが頭から離れませんでした。舞踏会の帰り道、ロミオはジュリエットの屋敷に戻り、彼女がバルコニーから物思いに耽っているのを目の当たりにしました。彼女への想いを抑えきれないロミオはジュリエットと愛を確かめ合い、両家の和解のためにも結婚する決意を固めました。
翌日、ローレンス神父(ミロ・オーシャ)の協力を得たロミオはジュリエットと二人だけの結婚式を挙げました。ところが、ロミオの行動を根に持つティボルトはマキューシオに因縁をつけ、間に入ったロミオはティボルトから悪党呼ばわりされながらも仲裁を呼びかけました。しかし、ティボルトは喧嘩の末にマキューシオを刺し殺してしまい、激怒したロミオはティボルトに決闘を挑んで殺害してしまいました。
もはやモンタギュー家とギャピュレット家の対立はより一層修復不可能となり、ヴェローナ公はロミオをこの地から追放することに決めました。教会に匿われたロミオはローレンス神父の励ましを受け、一旦他の土地に逃れて時を待ち、放免になった時にヴェローナに戻ることにしました。ロミオはジュリエットの元に向かい、彼女と一夜を過ごしたのち別れを惜しみつつも旅立っていきました。
ロミオとジュリエットのネタバレあらすじ:転
ギャピュレット夫妻はジュリエットとパリスとの結婚を強引に決めてしまい、拒絶するジュリエットに、従わなければ勘当すると迫りました。乳母(パット・ヘイウッド)からも説得されたジュリエットはローレンス神父に苦しい胸の内を打ち明け、彼女をロミオと引き合わせる決意を固めた神父はジュリエットに飲めば42時間仮死状態になる薬をジュリエットに渡し、結婚式前夜に飲むよう伝えました。神父はジュリエットの死を偽装したのちマントヴァに逃れたロミオをヴェローナに呼び寄せ、ジュリエットが目を覚ましたら駆け落ちさせる計画を立てており、修道士にロミオに手紙を渡すよう命じました。
屋敷に戻ったジュリエットは、両親の意志に従うことを告げ、薬を飲み干して仮死状態となりました。翌日、乳母に発見されたジュリエットは葬儀が執り行われることとなり、そのまま墓地に埋葬されました。
ロミオとジュリエットの結末
マントヴァに滞在していたロミオは従者バルサザー(キース・スキナー)からジュリエットの“死”を知らされ、急いでヴェローナへと向かいました。途中でロミオはローレンス神父の使いとすれ違いましたが、行き違いにより神父の真意を知らずに去ってしまいます。
仮死状態のジュリエットと対面したロミオは、そうとも知らずに彼女が本当に死んでしまったと嘆き、ジュリエットに永遠の愛を誓うと服毒自殺を遂げました。
ロミオの死に気づいたローレンス神父は、仮死状態から目覚めたジュリエットを連れてその場を去ろうとしましたが、ジュリエットはロミオの死を知ってしまい、神父は恐ろしさのあまり走り去ってしまいました。絶望したジュリエットは毒を飲もうとしましたが既に瓶は空であり、短剣で胸を突き刺して自決しました。
二人の死後、ヴェローナ公はモンタギュー家とギャピュレット家の両方を呼び、今回の一件は憎しみ合ったことに対しての天罰であり、それを知っていた自分をも含めて全ての者が罰を受けたと語りました。モンタギュー家とギャピュレット家はここに和解することになりました。
以上、映画「ロミオとジュリエット」のあらすじと結末でした。
モンタギュー家とキャピュレット家、両家の大人が対立しているために、悲恋に終わってしまう若者たち。
ラブストーリーの古典中の古典であり、何度も映画化されているし、シェークスピアを換骨奪胎して作り上げた、ミュージカルの「ウエスト・サイド物語」などもある。
だが、シェークスピアをそのまま映画にしたものから一つを選ぶとすれば、フランコ・ゼフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」ということになるだろう。
フランコ・ゼフィレッリ監督は、演劇界の重鎮演出家でもあるから、さすがに悲劇として大団円に向けて盛り上げていく、緊迫感の醸成は絶妙だ。
だが、彼は古典を現代に蘇らせる仕掛けも施した。
16世紀のコスチュームを身にまといながらも、中身は現代の若者の男女の気持ちを、ストレートに押し出した。
動きは早く、軽い身のこなし、だからベッドシーンも節度を保ちながら、大胆に繰り広げられる。
とりわけ、ジュリエットを演じたオリビア・ハッセーは、この映画で一躍、世界的なアイドル・スターとして躍り出たのも頷ける。