家族を想うときの紹介:2019年イギリス,フランス,ベルギー映画。イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家の父リッキーはマイホーム購入の夢を叶えるために、宅配ドライバーを個人事業主として始めた。妻のアビーはパートタイムで介護福祉士として1日中働き詰め。家族を幸せにするための仕事は、次第に家族から時間を奪っていき、高校生の長男セブと小学生の娘ライザ・ジェーンは寂しい思いから心が揺さぶられていく。
監督:ケン・ローチ 出演:クリス・ヒッチェン(リッキー)、デビー・ハニーウッド(アビー)、リス・ストーン(セブ)、ケイティ・プロクター(ライザ・ジェーン)、ロス・ブリュースター(マロニー)ほか
映画「家族を想うとき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「家族を想うとき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
家族を想うときの予告編 動画
映画「家族を想うとき」解説
この解説記事には映画「家族を想うとき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
家族を想うときのネタバレあらすじ:起
フランチャイズの宅配ドライバーとして独立を決意したリッキー(クリス・ヒッチェン)。少々の不安を持ちつつも家族を幸せにするために一念発起したのでした。
10年前、銀行の取り付け騒ぎで住宅ローンが流れ、建設の仕事も失ったリッキーは、職を転々としながら懸命に働いていました。
しかし借金は数千ポンドにのぼり、賃貸生活から抜け出すことができずうんざり。マイホームを手にいれることがリッキーの夢でした。
まずドライバーを個人事業で始めるには車が必要でした。リッキーは妻アビー(デビー・ハニーウッド)に相談しましたが、当然車が買えるお金はありません。アビーの車を売る以外に選択はありませんでした。
家族を想うときのネタバレあらすじ:承
アビーはパートタイムで介護福祉士をしていました。遠く離れたお年寄りの家を一日に何件も回るため車は必要でしたが、車を売ってからというもの介護先へバスで通うことになりました。そのためバスでの長い移動時間のせいで家族とすごす時間はますます減っていき、16歳の長男セブ(リス・ストーン)と12歳の長女ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)とのコミュニケーションは留守電のやりとりが主でした。
ある日のこと、仕事現場を仕切っているマロニー(ロス・ブリュースター)と遅刻したドライバーが配送所でもめています。仕事が多すぎるとぼやくドライバーのルートは取り上げられ、リッキーが引き継ぐことになりました。
疲れ果てて帰宅すると、このところ学校をサボってグラフィティと称した壁への落書きに夢中になっているセブが、ペンキを買うために両親が買ってくれた高価なジャケットを勝手に売ったことが判明しました。怒りで今にも手をあげそうなリッキーを前に、セブは両親の顔も見ず自室へ逃げ込んでいったのでした。
家族を想うときのネタバレあらすじ:転
そんな中、一家に久々の笑顔が戻ります。
学校が休みの土曜日に、配達車に同乗して手伝いをしてくれたライザ・ジェーンと半日を過ごしたリッキーは、忘れていた家族への思いやりを徐々に取り戻していきます。
家で待つアビーとセブのためにインド料理をテイクアウトし、久々の4人揃った食卓。
しかし介護先からアビーに、夜のヘルパーが現れず困っていると連絡が入ります。するとセブがみんなで配達のバンに乗って行こう!と提案。歌って笑ってかけがえのない楽しい夜のドライブとなりました。
ところが翌日。早くもトラブルはやってきます。
リッキーとアビーはセブの学校の校長から呼び出されました。セブが金曜日にケンカをして相手にケガをさせてしまったのです。しかしリッキーは仕事を中断することができず面談に遅れ、セブは14日間の停学処分となったのでした。
こうして家族は少しずつすれ違いはじめていきます。
リッキーはマロニーに「1週間休ませてくれ」と願い出ましたが、「自営だから代わりを探せ」と突っぱねられます。代理のドライバーを立てることができなければ、1日100ポンドの罰金まで請求されます。リッキーは休むことができませんでした。
家族を想うときの結末
そして翌日。さらにリッキーを追い込む出来事が起こります。
警察から連絡が入り、今度はセブが万引きをしたと言うのです。マロニーから罵られながらも警察へ駆けつけたリッキーでしたが、セブは反省するどころかまずます心を閉ざし、翌日、車のキーと共に家を出て行ってしまいました。
セブのことでリッキーとアビーも口論が絶えなくなりました。
そして数日後、帰宅したセブに対し、ついにリッキーは手をあげてしまいます。キーがないため仕事には行けず、罰金と仕事がなくなる焦りからリッキーのいら立ちは募ります。そこで口を開いたのはライザ・ジェーンでした。「私がキーを盗んだ」と。父親が仕事に行くことができなくなれば、またもとの家族に戻れると思ったのでした。
家族のために仕事を再会させたリッキー。ところが、悲劇は突然やってきます。
リッキーがバンを停めて用を足した一瞬の隙を狙って、数人の男たちに襲われ荷物の携帯電話を奪われた上に貸与されている高価な配達用端末を壊されてしまったのです。
命に別条はなかったものの顔面は血まみれに膨れ上がり、肋骨も折れている様子。アビーに付き添われて病院でレントゲンの結果を待つ間も配達のことが頭から離れずイラつきを見せます。
しかし、マロニーからの罰金と弁償の電話に今度はアビーが爆発。リッキーから電話を取り上げると、マロニーに向かって「人でなし!」と怒鳴ります。リッキーは取り乱したアビーを抱えるように病院を後にしました。
翌朝、キッチンでアビーに向けてメモを残すリッキー。メモには“俺なら大丈夫。心配するな”と書かれていました。そしてバンに乗り込むと配送所へ向けてキーを回しました。エンジン音を聞きつけたアビーとセブは必死に立ちふさがり止めます。しかし、家族のために仕事を休むわけにはいかない、そう言わんばかりに妻と息子を振り切る形でリッキーはバンを発車させたのでした。
以上、映画「家族を想うとき」のあらすじと結末でした。
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