呪怨(ビデオ版)の紹介:2000年日本作品。強い怨念を持って死んだ伽椰子の呪いが続く家に住んだ住人の不幸を綴った、オムニバス風のビデオ作品です。発売当時は全く人気のなかった作品でしたが、口コミで怖さがじわりじわりと広がり、気がつけが名作と呼ばれるようになった清水崇監督の出世作です。その後、劇場版が公開されることになりますが、この映画に登場させた伽椰子と俊雄は海外でパロディにまでされるほどの世界的なホラーキャラクターになっています。
監督:清水崇 出演者:栗山千明(田村瑞穂)、三輪ひとみ(由紀)、三輪明日美(村上柑菜)、洞口依子(中村先生)、柳憂怜(小林俊介)、吉行由実(村上典子)、大家由祐子(鈴木響子)、でんでん(吉川刑事)、松山鷹志(佐伯剛雄)ほか
映画「呪怨(ビデオ版)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「呪怨(ビデオ版)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
呪怨(ビデオ版)の予告編 動画
映画「呪怨(ビデオ版)」解説
この解説記事には映画「呪怨(ビデオ版)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
呪怨(ビデオ版)のネタバレあらすじ:起
妊娠した妻の真由美と二人暮らしをしている俊介は小学校の先生で、佐伯俊雄という生徒が学校に来なくなっている事を真由美に話します。母親とも連絡がつかない事を話していると、母親の伽椰子の事を思い出します。大学時代からの同級生で、真由美も知っていると思い聞きますが、覚えていませんでした。
翌日、俊介は俊雄の家に行きます。家の周囲は荒れ放題でした。風呂場の窓から手を出してボーっとしている俊雄を見つけ、家の中に入り、俊雄を連れてリビングに座らせます。部屋の中も散らかっていて人の気配がありませんでした。俊介が「お母さんはいないの?」と聞くと、俊雄は「いっしょ」と言います。「お父さんと?」と聞くと「うん」と言います。
由紀は村上柑菜の家庭教師をしていました。母の典子が用事で家を出て行くと、柑菜は、兄の強志には瑞穂という彼女がいることを由紀に教えます。柑菜が強志をからかいながら、ウサギの餌やりの当番だったことを思い出し、学校へ行きます。
部屋に一人になった由紀に「あ~」と言う声が聞こえます。怖くなった由紀は強志を探しますがいませんでした。やがて黒猫が部屋に入って来て、猫嫌いの由紀は押し入れに隠れます。天井裏から「あ~」という声が聞こえ、ライターの火で覗くと顔の白い子供が「あ~」と言っていて、由紀はそのまま天井に引き込まれました。玄関では強志が学校へと出て行きます。
呪怨(ビデオ版)のネタバレあらすじ:承
強志の彼女である瑞穂は、放課後の校庭で強志を探していました。全校生徒も帰っていなくなり、それでも探していると、中村先生に呼び止められます。中村先生は「放送で呼んであげるから職員室にきなさい」と言います。職員室から放送し、中村先生は「もう一回探してくるから、職員室で待っていなさい」といって出て行きます。
強志も見つからず、中村先生も帰ってこないまま日が暮れました。職員室に一人いると、走る足音が聞こえます。怖くなった瑞穂は机の下に隠れました。瑞穂の携帯電話が鳴ります。机の上に置いた電話を取ろうとすると、側に誰かがいて机をゆすります。瑞穂が叫ぶとそれは収まり、机から出て電話に出ます。電話からは猫の鳴き声が聞こえ、横を見ると白い顔の少年が猫の声を出していました。
翌日、吉川刑事らが学校で見つかった瑞穂の死体のそばで検死結果を聞いていました。医師はバラバラ死体の中に誰かの顎があると言います。典子が自宅に帰って来ました。由紀も柑菜も強志もいませんでした。その時、玄関に誰かが帰って来ます。見に行った典子は血だらけで階段をあがる柑菜を見つけます。振り向いた柑菜の顔には顎がありませんでした。
呪怨(ビデオ版)のネタバレあらすじ:転
俊雄と一緒にリビングにいた俊介は家族写真を見つけます。写真は伽椰子の写っている部分が破り取られています。振り返ると俊雄がいませんでした。探していると2階で話し声が聞こえ、俊雄が絵を描いていました。部屋の机の上には、破り取られた伽椰子の写真があり、その下に伽椰子の日記がありました。
中を見ると大学時代の日記でした。日記を読んで俊介は凍りつきます。自分に対するストーカー日記でした。真由美が自分になれなれしくしていることが何度も何度も書かれていました。そして押し入れの中に引き込まれるように行った俊介は、押し入れの中で伽椰子の死体を見つけます。
驚いた俊介は俊雄を連れて家を出ようとします。その時、俊介の携帯電話が鳴ります。伽椰子の夫の剛雄からでした。剛雄は「伽椰子の死体を見つけたか」と言った後、「俊夫を今まで代わりに面倒見たから、今日からはお前が面倒見てくれ」と言い、さらに「赤ちゃんが生まれたぞ。女の子だった」といいます。
電話ボックスの中では剛雄が血まみれで新生児を持っていました。真由美が殺され、子供が引きずり出されたことを知った俊介は座り込んでしまいます。すると俊雄が俊介の携帯で伽椰子に電話をし始めます。俊雄が「あ~」と声を出し続けると、やがて伽椰子が階段を這って降りてきて、俊介に襲いかかります。
呪怨(ビデオ版)の結末
霊感の強い響子が、不動産屋を経営する兄 達也の事務所に行きます。達也は「いわくつきの物件があってお前に見てもらいたいんだ」と言います。達也は村上の家に連れて行きました。入った瞬間、響子は異様な霊気を感じます。
そして村上家だけではない怨念があることがわかります。配達されたままの封書を見ると、村上のほかに佐伯の宛名があります。達也は「村上さんの前の住人だ」と言いました。何かに呼び寄せられるように2階へ上がった響子の前を、伽椰子が通り過ぎます。
響子は達也に「酒を持ってきて」と言います。達也が酒を持ってくると響子は「ここに住みたいと言う人にまず飲ませ、まずいとか変な態度をとったら売ってはいけない」とクギを刺します。「日本酒は清酒といわれ、その人がこの家に適しているかどうか飲めばわかるから」とも言いました。そして「この家を早く出たいから帰る」といって響子は出て行きます。
しばらくして、響子に達也から家が売れたという電話が入ります。気になる響子は家を見に行きます。何かに取りつかれたような夫が出て行ったあと、家の窓から完全におかしくなった妻が外を眺めていました。強い怨念を持ってこの家で死んだ伽椰子の呪いは、村上家、そして今の住人の中で生き続けていました。
以上、映画「呪怨(ビデオ版)」のあらすじと結末でした。
呪怨のビデオ版は映画よりも怖いという感想が多いです。
呪怨という作品は、時系列がバラバラだったり場面が入れ替わったりしますが、エピソードは繋がっていて、この作品に出てくる人物も他の呪怨作品に出ていたり関係のある人物だったりします。
響子や達也のその後が描かれた作品もあり、そっちの呪怨も怖いのですが、個人的にはこちらの呪怨の方が恐ろしいです。
何といっても一番のシーンは、顎無し柑菜でしょう。このシーンは呪怨ビデオ版を語る上では外せないシーンであり、この中での一番の恐怖、衝撃シーンです。
個人的に呪怨シリーズは邦画ホラーの最高峰だと思っています。
他の作品も合わせて鑑賞してみる事をお勧めします。