時空の旅人の紹介:1986年日本映画。眉村卓作の小説「時空の旅人」の劇場アニメーション。同級生の早坂哲子、長谷川真一、山崎信夫、そして教師の北勉は、未来から逃れてきた少年アギノ・ジロにより、偶然乗り合わせたロケバスで過去にタイムスリップしてしまう。彼らは、太平洋戦争中の東京や幕末の動乱、関ケ原の戦い、さらには本能寺の変と様々な時代にタイムスリップする中で、歴史を改変しようとする勢力と歴史を守ろうとする勢力の争いに巻き込まれることになります。
監督:真崎守 声優:早坂哲子(村田博美)、アギノ・ジロ(戸田恵子)、長谷川真一(岩田光央)、山崎信夫(熊谷誠二)、北勉(青野武)、クタジマ・トシト(井上真樹夫)、森蘭丸、戦時少年(堀川亮)、織田信長(横内正)、平野兵蔵(阪脩)、セドウド・ジン(津嘉山正種)、ほか
映画「時空の旅人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「時空の旅人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
時空の旅人の予告編 動画
映画「時空の旅人」解説
この解説記事には映画「時空の旅人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
時空の旅人のネタバレあらすじ:起
早坂哲子は、カメラマンの兄の仕事に付き合う為に、兄が運転してきたロケバスに乗ったところ、それを見た同級生の長谷川真一と山崎信夫も乗り込んできました。その時、見かけない少年が、たまたま歩いていた教師の北勉を突き飛ばしてバスに乗り込みました。北勉は少年を追ってバスに乗ったところ、少年は奇妙な装置をロケバスに取り付けており、哲子達はそれを呆然と見つめていました。
そして少年が装置のスイッチを入れたところ、ロケバスは光り出しそこから姿を消しました。説明を求める真一に少年は銃のようなものを取り出し威嚇します。しかし、隙を見て信夫が少年にタックルをしたところ、少年と信夫は装置にぶつかり、ロケバスは突如一面焼け野原の大地に現れました。
上空からは飛行機が爆弾を落としており、少年は爆弾から逃れるため、ロケバスを高台まで動かしました。少年は、このロケバスは過去にタイムスリップしていると言い、それを聞いた北勉は、自分たちは太平洋戦争の東京大空襲の日に来てしまったことを告げました。
高台には兵士がいて、高射砲でB29を砲撃していましたが、指揮官が哲子達を怪しみ追いかけてきました。哲子達は神社まで逃げましたが、そこも爆弾が落とされ、哲子は危ないところを1人の青年に助けられました。ロケバスまできた哲子は、青年の名を聞きましたが、青年が答える前にロケバスはタイムスリップしてしまい、お礼も言えずに別れることになりました。
時空の旅人のネタバレあらすじ:承
次の時代へのタイムスリップしている途中に哲子達は、少年に事情を聴きました。少年の名はアギノ・ジロといい、未来の自分のいる時代が嫌になりタイムスリップしたのですが、乗っていたマシンを破壊された後、偶然哲子達が乗っていたロケバスを見つけ、それに装置を取り付け、過去にタイムスリップしたのでした。
また、アギノが持ってきた装置は過去にしかタイムスリップできないもので、哲子達は元の時代に戻ることが出来なくなりました。タイムスリップから抜け出たロケバスは、人気が無い砂浜に現れました。近くに茶屋をみつけた哲子達は、食料がないか茶屋の中を探したところ、老婆が飛び出し、3人を捕まえて柱に縛り付けてしまいました。
老婆の夫は幕末の動乱で行方不明となってしまっていましたが、3人の様子を見に来た北勉を見て、老婆は、夫が帰ってきたと勘違いし、4人を歓待しました。その時、突如空が光り、飛行物体が現れました。哲子達は慌ててロケバスに乗り込みましたが、転んだ老婆を助けるため北勉がロケバスから飛び降りたところ、飛行物体から光が出て北勉を拉致しました。
そして、飛行物体がロケバスを攻撃してきたので、アギノは慌ててタイムスリップを実施しました。飛行物体は、しつこくロケバスを追ってきましたが、なんとか逃げることに成功しました。
時空の旅人のネタバレあらすじ:転
タイムスリップから抜け出したロケバスは、森の中に現れて木に激突して停止しました。哲子達が外に出てみると、近くで合戦が行われており、それは史上名高い「関ケ原の戦い」でした。さらに、哲子達は、石田三成の側近の島左近が徳川家康に奇襲をかける現場に遭遇してしまいますが、家康を守る忍びが、アギノの時代の武器で奇襲してきた騎馬武者を倒しました。
実は、島左近をそそのかして徳川家康に奇襲をかけさせたのは、関ケ原の戦いで西軍が勝利するよう歴史を改変する勢力のしわざで、忍びは、歴史の改変を防ぐためにこの時代にいる時間管理局員のセドウド・ジンでした。
セドウドと別れた哲子達は、洞窟で雨宿りをしていたところ、アギノを追って未来から来た時間管理局員クタジマ・トシトが現れました。クタジマは、以前に拉致した北勉を人質にして、アギノに一緒に来るように迫りますが、アギノは拒否しました。
その時、1人の武士が洞窟に入ってきて、クタジマの注意がそちらに向いた瞬間に信夫がクタジマにタックルをして気絶させました。武士は、島左近と共に徳川家康に奇襲かけて生き残った平野兵蔵で、成り行きで哲子達に同行しました。
哲子達は、クタジマから逃げるためロケバスでタイムスリップしますが、先に損傷していたロケバスはタイムスリップの衝撃に耐えられず、タイムスリップから抜け出した時に大破してしまいました。その爆発を見て、2人の騎馬武者がやってきました。その2人は、織田信長と森蘭丸で、哲子達に興味を持った織田信長は、彼女らを客として安土城に招待しました。
安土城の客間でくつろぐ信夫達でしたが、タイムスリップした日が「本能寺の変」の5日前ということに驚愕します。信夫達の世話は明智光秀が担当することになりましたが、5日後の出来事を知っている信夫達は複雑な思いを抱きます。
ロケバスも壊れ、やることがない哲子達は、アギノが未来から来た理由を聞きました。アギノのいる世界は、歴史を学んではいけないことになっており、それに疑問を持つアギノは危険視されていました。そしてアギノは、隠された歴史、過去に起こった核戦争の事を知り、その記憶が消される前に過去に逃げ出したのでした
時空の旅人の結末
本能寺の変の2日前、織田信長が安土城から出発する日となり、哲子達も同行するように言われましたが、途中で兵蔵は母親に会うために哲子達と別れました。しかし、兵蔵は、母の元には向かわず、進軍する明智光秀に近づくと、その首をはねて本能寺の変を未然に防いでしまいました。
歴史が変わったことに驚く信夫達の前に、時間管理局員のセドウドが現れました。セドウドは、歴史が改変されたことで織田信長が生き残る裏の歴史が始まっていると言い、兵蔵が哲子達と別れた時間にタイムスリップしたところ、クタジマの飛行物体が現れ、明智光秀を討つように兵蔵の意識を操作した現場を目撃しました。セドウドは、明智光秀の軍に向かう兵蔵を倒して歴史を元に戻すと、クタジマと対峙しました。
クタジマの目的は、アギノをわざと過去に逃がして、それを追うふりをして歴史を改変する事で、クタジマは「歴史の改変を絶対あきらめない」と言って去っていきました。そして、本能寺の変の当日、信長が自害しようとしたところ、クタジマが現れて信長を救出しようとしましたが、追ってきたセドウドがそれを妨害し、クタジマの飛行物体にワープしたアギノがクタジマを倒しました。
倒れたクタジマは、実はアンドロイドで、自分のような生き物が生まれた歴史を改変するために行動したのですが、核戦争のない歴史を作ると聞いたアギノは、クタジマに協力することにしました。
そのころ、セドウドは、取り残された哲子を救うため本能寺に降りましたが、森蘭丸から哲子を引きはがそうとして、哲子の小指を傷つけてしまいました。その時、アギノが現れ、セドウドに銃を突きつけました。森蘭丸は、哲子の指を布の切れ端で縛ると、アギノは哲子を飛行物体に送りました。さらに、アギノは、織田信長と森蘭丸も送ろうとしますが、織田信長はそれを拒絶して自害しました。
そこで、アギノは、森蘭丸を送ろうとしますが、セドウドがそれを妨害し、セドウドはアギノに撃たれますが、森蘭丸は、時空のはざまに消えてしまいました。クタジマの飛行物体に戻ったアギノは、哲子達の記憶を消して元の時代に送り届けると、壊れかけたクタジマと共に時空の彼方に去って行きました。
元の時代に戻った哲子達は、アギノや過去の時代に行った記憶が消えていましたが、哲子は、いつの間にか小指に巻かれていた布切れを見て、懐かしいような切ないような不思議な気持ちになったのでした。
以上、映画「時空の旅人」のあらすじと結末でした。
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