修羅の群れの紹介:1984年日本映画。19歳の頃、柔道の道場で加のの親分に声をかけられ、ヤクザの道に入った稲原龍二は、兄貴分横山の助言を受けながら子分を増やし、関東を制圧する勢力にのし上がりました。そんな実在した稲川会総裁の稲川角二をモデルにし、半生を描いた実録ヤクザ映画です。この作品には元プロ野球選手の張本勲、小林茂も出演してします。
監督:山下耕作 出演者:松方弘樹(稲原龍二)、北大路欣也(石河隆司)、菅原文太(井沢輝一)、北島三郎(出水辰雄)、天知茂(大島英五郎)、丹波哲郎(加東伝三郎)、若山富三郎(鶴岡政次郎)、鶴田浩二(横山新二郎)ほか
映画「修羅の群れ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「修羅の群れ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
修羅の群れの予告編 動画
映画「修羅の群れ」解説
この解説記事には映画「修羅の群れ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
修羅の群れのネタバレあらすじ:起
昭和8年、19歳の稲原龍二は、柔道の吉岡道場で稽古に励んでいました。そこへ加藤伝三郎親分がやって来ます。加藤は吉岡に「威勢のいい若い者はいないか?」と聞くと「あいつだが、警察官にならないかと誘われている」と稲原を指さします。稲原を呼んだ加藤は「わしの若い衆にならないか?」と言葉をかけると、稲原は「よろしくお願いします」と受けます。
賭場が終わり、兄貴分の横山が若い衆たちに「遊んで来い」と金を渡すと、一人の若い衆が「女郎を買いに行こう」と言いますが、稲原だけは行きませんでした。横山が理由を聞くと「幼い頃、親父が博打で負け家も家財道具も取り上げられました。一家で乗った汽車の中で空腹に耐えていると、田舎から女郎屋へ売られていく女達におむすびをもらいました。このことがあってから、やくざになって恨みを晴らし、女達を助けたい」と稲原が言います。この言葉に横山は稲原の素質を認め、任侠道を教え始めます。
稲原が舎弟と海水浴場の海の家の見回りをしていると、刺青を入れたチンピラ3人がおでん屋に言いがかりをつけていました。それを見た稲原は3人を痛めつけ追い出すと、屋台が壊れたおでん屋に財布を渡します。この時、稲原を見ていたのは、キャラメルを売っていた雪子でした。
修羅の群れのネタバレあらすじ:承
列車の中で稲原は雪子と雪子の母に会います。雪子は喜んで母に稲原を紹介しますが、母は稲原がヤクザだったことからいい顔をしませんでした。
力をつけてきた稲原は賭博場で負けが込み、大きな態度をとった為、背後からナタで襲われ65針縫う大けがをします。稲原が死んでいなかったことから、もう一回襲いに来ると読んだ横山が、病室で見張っていると、刺客がやって来ます。しかし横山が退治し、稲原に「強いものは前からくるが、弱いものは後ろから来る」と教えました。
病室に雪子が見舞いに来ます。「今日は付き添う」という雪子に、横山は「稲原に何かあったらここに電話をしてくれ」とメモを渡します。夜、起き上がった稲原は日本刀を持って出て行きます。雪子が横山に電話すると、横山は稲原の前に立ちふさがり「我慢するのも男だ、これくらいの事で命を懸けるな」と言い説得します。稲原は雪子と結婚し、息子が生まれました。
そのころ太平洋戦争が勃発し、徴兵されなかった稲原は土木現場に送り込まれます。現場でのさばる佐々岡組の幹部を叩きのめした稲原を見た関東の大親分鶴岡は、横山に「稲原をウチに貸してくれ」と言い、稲原は鶴岡組の代貸になりました。
戦争が終わり、特攻隊崩れの森谷と長谷部に惚れられた稲原は二人を子分にします。拳銃を見せつけ賭場荒らしをしていた愚連隊のリーダーのモロッコの辰こと出水辰雄は、稲原の賭場を荒らしに行った時、稲原に喝を入れられました。
修羅の群れのネタバレあらすじ:転
熱海の山崎組の石井が引退することが決まり、横山の提案で鶴岡は跡目を稲原に継がせ、稲原は同時に稲原組を立ち上げます。そして熱海で幅を利かせる第三国人たちの組織を叩き潰し熱海から追い出します。稲原に惚れたモロッコは、兄弟分で同じ愚連隊のリーダーの井沢を稲原に引き合わせます。
井沢も稲原に惚れ、二人は子分になりました。暴れん坊のモロッコとキレもの井沢のコンビで、中小の組織を次々稲原組に吸収します。会津川組が稲原の縄張りに入り込んできました。何とかしようと森谷と長谷部が立ち上がり、日本刀を持って果し合いに行きます。
会津川組は組員総出でしたが、森谷と長谷部が二人で戦っていると井沢が応援に駆けつけます。森谷と長谷部は会津川を殺し、戦いは終わりました。稲原は二人に「井沢は居なかったことにしろ」と言って、二人を出頭させます。
残った井沢は東海道を制圧し、韓国人組織を率い、稲原に惚れる山村を舎弟にし、稲原を身内にしました、横山は「井沢の強引なやり方は良くない、情に流されるな」と稲原に忠告します。
一方モロッコはヒロポン中毒で余命がないことを知っていました。妻が妊娠していることもあり、稲原はモロッコに「ポンをやめろ。あした熱海に二人で来い」と声をかけます。「親分に手土産を持っていく」と言って出て行ったモロッコは、石河組に乗り込み、石河に「オレの舎弟になれ、そして稲原の身内になれ」と言って自分で腹を刺します。そこへ井沢がやってきて、井沢の胸に抱かれたモロッコは息を引き取りました。これを見た石河は井沢に「わかった」と言いました。
修羅の群れの結末
火葬されたモロッコの骨はヒロポンにむしばまれボロボロでした。森谷、長谷部が出所し、稲原は幹部総出で労をねぎらいます。この場に参加しなかった井沢に批判が集まりました。更に稲原より良い車に乗り、井沢があちこちで「稲原を大きくしたのはオレだ」と息巻いていることを知った横山は、山村と石河をを呼び「井沢を破門にする」と言います。
山村と石河は井沢に会い「詫びを入れてくれ」と頼みます。そして石河は指を詰め井沢を連れて稲原に詫びを入れさせます。稲原は井沢に「石河の指を死に指にするな」といって受け入れました。
稲原の自宅で雪子と雪子の母が、19歳になった息子が刺青を入れているのを見つけ、稲原を呼びます。横山に相談した稲原は、息子を石河に預けました。
そのころ韓国系の大組織八州会の会長大島をクラブで見かけた井沢は、大島に「大島君」と呼びかけます。大島は「お前に君呼ばわりされる筋合いはない」と言って、全面抗争に突入しようとしていました。井沢が八州会に喧嘩を売ったことで、横山は怒り、輪田に「井沢をとってこい」と言います。すると稲原が「わしが行く」と言って、海辺で井沢に会いました。
稲原は「堅気になれ、ならなければオレが殺す」と言います。井沢は「親分に殺さるなら本望だ」と言い返すと、稲原は「オレの気持ちがわからないのか」と迫ると、井沢は納得し「堅気になる」と言います。そして井沢の舎弟の田上、山村、石河は稲原の子分に直り、稲原は一歩前へ進み始めました。
以上、映画「修羅の群れ」のあらすじと結末でした。
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