遊星からの物体X(1982年版)の紹介:1982年アメリカ映画。南極という極限の地で起こる血も凍るSFサスペンスホラー。人が人以外のものに代わり、人に化けて潜み、襲うという「THING(それ)」の恐怖が南極基地という閉ざされた環境で巻き起こる。1951年に発表されたクリスティアン・ナイビイ監督の作品をリメイクしたジョン・カーペンターの贈る、混沌3部作の1作。
監督:ジョン・カーペンター 出演:マクレディ(カート・ラッセル)、ブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)、ドクター・コッパー(リチャード・ダイサート)、ギャリー(ドナルド・モファット)、ノールス(T・K・カーター)、パーマー(デイヴィッド・クレノン)、チャイルズ(キース・デイヴィッド)ほか
映画「遊星からの物体X(1982年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「遊星からの物体X(1982年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
遊星からの物体Xの予告編 動画
映画「遊星からの物体X(1982年)」解説
この解説記事には映画「遊星からの物体X(1982年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
遊星からの物体Xのネタバレあらすじ1
それは遠い昔、南極に不時着したUFOが発端でした。氷の閉ざされたを、一匹が駆けていました。犬はヘリコプターに追われており、犬を一匹を追うという尋常じゃない雰囲気を感じさせます。その頃、アメリカ南極観測基地に赴任するマクレディは、コンピューター相手に下手なチェスを興じる程暇を持て余していました。犬はアメリカ基地に辿り着き、所員達は何事かと出てきます。犬を追って着陸したヘリコプターに乗っていた男達は英語ではない言葉を喚き散らします。その内一人が手榴弾を取り出しますが手がかじかみ、それを取り落としてまいました。手榴弾は雪に埋もれ取り出す前に爆発、ヘリコプターも吹き飛ばしてしまいます。残ったもう一人は、犬を撃つのに不釣合いなライフルを乱射し始めます。それに慌てたアメリカの隊員達は逃げ惑いますが、隊員が一人銃を抜き、男の射殺しました。アメリカ基地隊員達は、狐に摘まれた様な顔をしてそれを眺め、残された犬と彼等の素性を探ります。犬を追っていたのはノルウェー基地の隊員でした。アメリカ基地ではこの事を知らせようと他の基地等に無線で連絡を取ろうとしますが、強いブリザードが原因なのか通じません。仕方がなく隊長はマクレディ他数名にヘリコプターでノルウェー基地におもむき、様子を見てくるよう命令します。
遊星からの物体Xのネタバレあらすじ2
その犬は成り行きでアメリカ基地で保護され事になり、さまよう様に基地をうろつきます。ノルウェー基地についたマクレディ達は、基地の変わり果てた様子に驚きます。基地は何かに襲撃されたかのように荒され、不自然に切り出された氷の塊、外には燃やされそうになっていた人型の何かがありました。。マクレディ達は慎重に基地を調査すると、ノルウェー基地が何かを発見し、回収して調査していた記録を見つけました。彼らは自分達の基地でそれを調査する為に持ち帰り、人型の何かも回収していきました。基地に戻ったマクレディ達は、ノルウェー基地が何を回収したかを確認するために、人型の何かを解剖し始めます。その頃追われていた犬は檻に入れられましたが、他の犬達が絶え間なく吼え続け、騒がしい事になっていました。その犬達の目線先で、「それ」は正体を現します。犬の形をした「それ」は、口が大きく裂け、無視のような四肢を増やし、触手を伸ばし、アメリカの犬達に襲い掛かりました。騒ぎを聞きつけた隊員達も「それ」見ます。あまりに非常識な光景に、隊員達はが銃を持ち出します。犬達を喰い、犬に変わって行くような「それ」を撃ち、燃やして殺しました。ドクターが犬等の死体を解剖してみると、「それ」は生き物を吸収し、本人と寸分無い「それ」に成り代わってしまうのです。
遊星からの物体Xのネタバレあらすじ3
隊員達は「それ」は何かと探る為にノルウェー基地から回収した記録映像を見ます。映像にはノルウェー隊が氷を爆破し、その下に埋まっていた何かを調査している風景が写されていました。何かとは、人間が現在の科学力ではおよそ作れそうにも無い円盤型の機械でした。「それ」は人間が存在しない大昔に氷に埋もれ、自然現象で次第に浮上してきた所をノルウェー隊が発見したようです。氷の塊はその周辺で切り出され、回収されたものでした。隊員達は逃げ込んできた犬が「それ」と判らないときに自由に基地内をうろつきまわっていたことに気付きます。そして自分達の中にも紛れているかもしれない「それ」怯える事になります。隊員達は次々と「それ」気付かずに「それ」に接触し、「それ」に乗っ取られている行きます。「それ」の持つ細胞の増殖力は凄まじく、基地のコンピューターで試算した所、人類全てが「それ」になるには2万7千時間程度で済んでしまうと出ました。隊員達は「それ」と人間の見分けがつかない為、「それ」とおぼしき人物を拘束、離れた物置小屋に隔離する事までします。そんな時、自身も「それ」と疑われ、殺されかけたマクレディは逆襲し、他の隊員達を拘束して一つの妙案を思いつきます。「それ」は狡猾で、完全に人と同化し、時には人同士を疑心暗鬼させ、乗っ取らずに人同士を殺し合わせる事もします。マクレディーは、「それ」を一体退治した時、頭部を切り離して逃げようとしたのを見て、血そのものが「それ」だと仮定します。だから拘束した隊員達の血を採取し検査すれば、「それ」か人間か見分けられると言い、実行しました。突拍子も無い話ですがそれは見事に的中しました。バーナーで炙り、高熱を帯びた鋼線を差し込まれた「それ」の血は防衛反応のように怪物化します。
遊星からの物体Xの結末
「それ」と見破られた隊員は退治され、その死体は燃やされました。マクレディは物置小屋に隔離した隊員も検査しようと吹雪の中、小屋に向かいます。小屋に辿り着いたマクレディは驚愕の事実を知ります。先に隔離した人物は「それ」であり、そして「それ」は、絶滅する危機を回避しようとヘリコプターの部品を使い、何かの装置を作っていました。逃げるつもりでも隠れるつもりでも、「それ」を生かしておく訳には行かないマクレディ達は、「それ」と刺し違える決意をします。マクレディ達は基地に潜む「それ」を探し、基地地下に追い詰めます。「それ」は自らの持つ最大の力を現し、今まで同化した全ての生物の情報から体を変形させ、巨大化し、マクレディ達を襲います。マクレディは基地にあるダイナマイト全てを起爆し、基地もろ共「それ」爆破しました。火に包まれた基地の残骸から一人這い出し、それを眺めるマクレディーに、「それ」を捜索中にはぐれてしまった隊員が近寄ってきます。その隊員は自分は「それ」では無いと静かに言いますが、マクレディーにとってはもうどうでもいい事でした。全ての武器を使い切り、今燃え上がっている火が消えてしまえば、南極に厳しい自然は自分の命を奪ってしまいます。仮にどちらかが「それ」だったとしても、彼らにはもう、なす術はなかったのです。幕を閉じます。
「遊星からの物体X(1982年)」感想・レビュー
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ジョン・カーペンター監督によるSFホラーの名作です。南極基地という逃げ場のない状況下での緊迫した描写が秀逸。取り付いた生物の姿に成り代わり、少しずつ仲間を増やしていくというエイリアンの行動は実に不気味で、一転してその姿を現した時の姿はただただおぞましい! お互いを疑心暗鬼の目で見ながら、状況を打開しようとする南極基地の隊員たちの描写に見る側も緊張感が高まります。その緊張感、不安感は結末に至ってもすべて解消されず、クレジットが終わってもなお不気味さを漂わせ続けます。ベンベン、と奏でられるテーマ曲が特に印象的でこれが流れることで不気味さがさらに増しているように思います。かなり古い作品ですが、エイリアンの造形・描写や、ドラマ部分など色々な映画に影響を与え続けている一作なのでぜひとも多くの人にオススしたいですね。
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SF映画好きの人は必見の映画です。80年代の映画なので、すごいCGなどはありませんが、ストーリー展開が非常にすぐれていて、ずっと画面に釘付け状態になること、間違いありません。この作品は観ないと損だと思います。私は何度も観ています。
南極の氷の中に閉じ込められていたエイリアンという設定ですが、設定にリアリティーがあります。現実でもそのようなことがあるかもしれません。
ジョン・カーペンター監督の伝説的な傑作だと思います。
どんな生物にも擬態できるエイリアンと南極基地隊員との攻防を描く、SFホラーの傑作。人間の一部から手足が生えたようなエイリアンの造形はCGを使っていないにも関わらず、今見ても「うわ」と思わせるものがある。誰が擬態されているのかわからない、南極基地から出ることはできない、という恐怖、エイリアン側との息詰まる攻防も魅力的だ。