トム・オブ・フィンランドの紹介:2017年フィンランド,スウェーデン,デンマーク,ドイツ映画。レイザーラモンHGで一世を風靡したハードゲイスタイルの元となる絵を製作した画家トム・オブ・フィンランドの伝記作品。帰還兵のトウコが自らの欲望をぶつけ出来上がった絵がやがてゲイ達のシンボルになり世界中に知れ渡っていく様を描いています。
監督:ドメ・カルコスキ 出演:ペッカ・ストラング(トウコ・ラークソネン / トム・オブ・フィンランド)、ラウリ・ティルカネン(ヴェリ・マキネン / ニパ)、ジェシカ・グラボウスキー(カイヤ・ラークソネン)、タイスト・オクサネン、シェーマス・サージェント、ヤーコブ・オフテブロ、ニクラス・ホグナー、ほか
映画「トム・オブ・フィンランド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トム・オブ・フィンランド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トムオブフィンランドの予告編 動画
映画「トム・オブ・フィンランド」解説
この解説記事には映画「トム・オブ・フィンランド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トムオブフィンランドのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦後のフィンランド。フィンランドでは同性愛が法律上で禁止されていました。帰還兵だったトウコ(ペッカ・ストラング)も同性しか愛することが出来ない男性の1人です。
いつ警察にバレるかもしれないと怯えながら自宅の部屋に閉じこもり、戦場で出会ったたくましい男達を思い出しては、それを絵に描きあげていったのです。トウコにはそうやってたぎる欲望を抑えていくしかなかったのです。
そんなある日、トウコは妹カイヤ(ジェシカ・グラボウスキ)から紹介された広告会社に入ることになります。そこで働きながら絵を描くことに、さらに没頭していったトウコ。彼の絵によく出てくるマッチョな男の姿に、当時の流行りのバイカーファッションを取り入れたりするなど、トウコの作風はどんどん進化を遂げていきます。
トムオブフィンランドのネタバレあらすじ:承
こうした活動がやがて一般の人達だけでなく、トウコと同じように同性愛に対する締め付けに苦しむコミュニティの人達の支持を受けるようになっていきます。そのコミュニティでトウコは、生涯の恋人となるダンサーのヴェリ(ラウリ・ティルカネン)と出会うのでした。
妹カイヤとヴェリ、3人から始まってやがてトウコとヴェリは惹かれ合い、付き合うことになりました。そして穏やかで幸せな日々が続きます。
変わりなく創作を続けていたトウコに転機が訪れます。トム・オブ・フィンランドという名前でアメリカのフィットネス雑誌に投稿していた絵が、雑誌の表紙を飾る事になったのです。その絵は今までひ弱だったゲイのイメージを一新する程の衝撃で、それは多くのまさにゲイの人達の理想像だったのです。
トムオブフィンランドのネタバレあらすじ:転
評判が評判を呼び、トム・オブ・フィンランドの名は世界中に広がっていきます。そしてアメリカでの展覧会は大成功、祖国では味わえない自由な世界を知ったトウコは、帰国後ヴェリにその自由な世界を伝えますが、ヴェリが病に侵されている事を知りショックを受けます。
同性愛が認められないこの国で、トウコはヴェリと人前で初めて手を繋ぎました。ずっと願っていた1つの願いを叶えたヴェリは、やがて息を引き取りました。
その後、トウコはアメリカに渡ります。アメリカではエイズが蔓延する時代で、トウコはヴェリの死からいまだ立ち直れずにいました。鉛筆さえ持てず、絵などはとても書けない状態でした。
トムオブフィンランドの結末
そんな時、トウコはアメリカで自分が有名になるきっかけを作ってくれた、ダグの恋人ジャックもエイズを発症していることを知ります。もう誰の死も見たくない、そう考えたトウコは再び立ち上がり、自分の絵で自分達の自由を訴えようと考えたのです。
差別や排除のない自由な世界、胸を張って愛する人と共に過ごしたい、そんな思いを絵に乗せ画集を出すことを決意しました。
しかし、どこの印刷会社も首を縦には振らず、イラスト集の制作は頓挫しそうになりますが、ようやく父娘二人だけで営む普段は宗教書を扱うような小さな印刷所が引き受けてくれたのです。
人手不足という問題はありましたが、仲間たちの協力もあって立派なイラスト集が完成します。その後もトウコはゲイカルチャーのパイオニアとして、エイズにより社会の中で立場を弱くしている同性愛者達のために立ち上がり、自由を訴え続けるのでした。
以上、映画「トム・オブ・フィンランド」のあらすじと結末でした。
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