シルビーの帰郷の紹介:1987年カナダ映画。身寄りのない姉妹と破天荒な叔母の心の交流を描くドラマ作品。母を早くに亡くして以来、ルーシーとルシールの姉妹は湖畔の田舎町で祖母に育てられていた。しかしその祖母も亡くなってしまい、姉妹の叔母シルビーが町に呼び戻されることになる。シルビーは美しかったが破天荒な女性で、学校をサボる姉妹に何も口を出さなかった。ルシールはシルビーに反発し、家を出てしまう。残されたルーシーにシルビーは優しく接し、ルーシーもシルビーの自由な魂の在り方に惹かれていくのだった。
監督:ビル・フォーサイス 出演者:クリスティーン・ラーチ(シルビー)、サラ・ウォーカー(ルーシー)、アンドレア・バーチル(ルシール)、アン・ピトニアック(リリー)、バーバラ・リーズ(ノナ)ほか
映画「シルビーの帰郷」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シルビーの帰郷」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シルビーの帰郷」解説
この解説記事には映画「シルビーの帰郷」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シルビーの帰郷のネタバレあらすじ:叔母との出会い
舞台は1980年代、カナダのとある田舎町。ルーシーとルシールの幼い姉妹は、シアトルで母ヘレンと3人で暮らしていました。ヘレンはある日、祖母に会いに行こうと言い出します。姉妹を車に乗せ、ヘレンはカナダの田舎町へ向かいました。
山に囲まれた湖畔の町に暮らす祖母を訪ねますが、ちょうど留守のようです。姉妹を家に残して出かけたヘレンは車で湖に突っ込み、自殺してしまいました。2人の姉妹はそれから7年間、祖母に育てられることになります。
田舎町の祖母の家には年寄りばかり集まり、祖母は祖父と山の話ばかりしました。ルーシー達の祖父は平原に生まれ、ある日山を知って以来山を描き続けていたそうです。そうして山に囲まれたこの田舎町に住み着いた彼は、姉妹が生まれるより前に汽車の事故で亡くなっていました。汽車は客を乗せたまま橋の上から湖に落下し、現在も見つかっていません。
やがて祖母が亡くなると、大おばのリリーとノナが姉妹の世話をするためやって来ました。しかし町に馴染めなかった彼女達は、相談の末ヘレンの妹シルビーを連れ戻すことにします。放浪生活を続けていたシルビーは、リリー達から連絡を貰い実家に帰って来ました。
シルビーは美しく破天荒な女性で、ルーシー達はすぐに彼女に懐きます。翌日、リリーとノナが家を去り、シルビーとルーシーとルシール3人の暮らしが始まりました。
シルビーの帰郷のネタバレあらすじ:姉妹だけの時間
ルシールは学校を嫌っていました。カンニングをしたと疑われ、クラスの前に立たされたことがあったからです。ルシールは1週間学校をズル休みしましたが、シルビーは気にしていませんでした。
ルシールはそんなシルビーにも反抗心を抱き、家でも学校でもなく湖で過ごすと言い出します。ルーシーもそれに付き合うことにしました。姉妹は毎日湖で過ごし、誰かに見つかることを心の底では望んでいました。しかし誰にも見つからず、叱られません。
ある日シルビーが湖にやって来ましたが、彼女に姉妹を探している様子はなく、学校をサボっていると知っても全く咎めませんでした。姉妹は自由奔放過ぎるシルビーに不安を覚えるようになります。やがてルシールは、このままではいけないと思うようになりました。
シルビーの帰郷のネタバレあらすじ:バラバラになった姉妹
ルシールは「普通の少女」になるべく、髪を整え、服装に気を遣い、外で友人を作る努力を始めます。そんなルシールの変化に、ルーシーはついて行けませんでした。いつも一緒だった姉妹は喧嘩してしまい、ルシールは将来的に町を出たいと言い出します。
2人は再び学校へ行き始めますが、更生を誓うルシールとは違い、ルーシーには自分が何をしたいか、どうなりたいかという展望がまるでありませんでした。以来ルシールはルーシーを避けるようになり、友人達とばかり過ごすようになります。
同時に、ルシールはあまりにも奔放なシルビーを嫌悪するようになりました。常識から逸脱し続けるシルビーと、変わろうとしないルーシー。そんな2人との生活に我慢出来なくなったルシールは、ある夜ついに家を出て行ってしまいます。彼女は学校の教師ロイスを訪ね、そのまま養女になりました。
残されて悲しむルーシーに、シルビーは優しく寄り添います。
シルビーの帰郷のネタバレあらすじ:心の交流
シルビーは素敵な場所へ案内すると言って、早朝にルーシーを起こしました。シルビーは隠してあったボートを引っ張り出し、湖に浮かべます。ルーシーとシルビーが乗り込み岸を離れると、ボートの持ち主が激怒して現れました。
しかしシルビーは気にせずボートを進め、谷間にある古い廃屋へルーシーを案内します。ルーシーもその場所をとても気に入りました。2人は湖の上で夜を迎え、橋を通る汽車を見上げます。ボートの上で歌いながら一夜を明かしたルーシーとシルビーは、貨車に潜り込んで町に帰って来ました。
しかしこの一件が小さな田舎町に知れ渡ってしまい、住人達はルーシーとシルビーを引き離すべきだと考えるようになります。
シルビーの帰郷の結末:旅立ち
ルーシーとシルビーの家に、保安官や婦人会などが様子を見にやって来ました。家の中はお世辞にも綺麗とは言えず、新聞や雑誌が山積みになっています。シルビーの変人ぶりも知れ渡っており、周囲の人々は彼女にルーシーを育てるのは無理だと判断しました。
住人達はルーシーを哀れみ、シルビーから引き離そうとします。家族は一緒にいるべきだと考えるシルビーは、ルーシーとの生活を守るため「普通の人間」になろうとしました。家を片付け、ルーシーの服装も整えてやり、きちんと学校へ行かせます。
しかし周囲の目はそう簡単に変わりませんでした。ある晩、訪ねて来た保安官は、ルーシーを自分の家へ連れ帰ろうとしました。頑なに拒否するルーシーに、保安官は絶対に目を離さないと言って帰って行きます。
2人は町中から監視されている気分でした。うんざりしたルーシーとシルビーは、家に火を放って逃げ出します。2人が放浪の旅へ出発し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「シルビーの帰郷」のあらすじと結末でした。
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