荒野の処刑の紹介:1975年イタリア映画。『サンゲリア』『地獄の門』『ビヨンド』などホラー映画・カルト映画などを数多く手がけたルチオ・フルチが手がけた異色のロードムービー風マカロニウエスタンです。住民による無法者狩りから逃れた4人の無法者は旅の途中で謎めいた無法者が現れ・・・。
監督:ルチオ・フルチ 出演者:ファビオ・テスティ(スタビー・プレストン)、リン・フレデリック(エマニュエル・バニー・オニール)、マイケル・J・ポラード(クレム)、トーマス・ミリアン(チャコ)、ハリー・ベアード(バド・ウィルソン)、アドルフォ・ラストレッティ(サリヴァン牧師)、ブルーノ・コラッツァリ(レミー)、ジョルジョ・トレスチーニ(ソウル)、ドナルド・オブライエン(ソルトフラットの保安官)ほか
映画「荒野の処刑」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「荒野の処刑」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「荒野の処刑」解説
この解説記事には映画「荒野の処刑」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
荒野の処刑のネタバレあらすじ:起
1873年、アメリカ・ユタ州。いかさまギャンブラーのスタビー・プレストンはソルトフラッツの町に流れ着きました。スタビーは町のカジノで細工したトランプを使用しようとして保安官に逮捕され、町の留置場にぶち込まれました。留置場にはスタビーの他にも娼婦のバニー、アルコール中毒者の浮浪者クレム、墓堀りの黒人バドが収監されていました。
おりしもこの町では、長きにわたって町を牛耳っていた無法者たちに対する住民たちの怒りが遂に爆発、住民たちは片っ端から無法者たちを捕らえては拷問にかけて処刑していきました。保安官はこの件については完全に目をつむったままでした。
留置場にいたスタビーら4人は殺す価値もないとばかりにオンボロの馬車を与えられて町から追放されました。その際、スタビーは持ち金の全てを保安官に巻き上げられてしまいました。行く当てもないスタビーら4人はとりあえず町から320km南にあるサンドシティの町を目指すことにしました。
荒野の処刑のネタバレあらすじ:承
スタビー一行の旅はクレムがスタビーの持ち物を盗もうとしたり、妊娠していたバニーが体調を崩したりと前途多難ながらも何とか進んでいきました。途中、一行は敬虔なキリスト教徒の幌馬車隊と出会って食事を恵んでもらったり、またある時は入植者を狙った強盗団の襲撃を目撃して身を隠したりしました。
やがてバニーは誕生日を迎え、一行は川べりで休息を取ることにしました。そこに銃を持った無法者のチャコと名乗る男が現れ、自分も仲間に加えろと要求してきました。チャコに胡散臭さを感じたスタビーは断りましたが、チャコはそれでも引き下がりませんでした。
やむなくスタビー一行はチャコを同行させることにし、引き続き旅を続けました。やがて一行に保安官らしき3人組が近づき襲撃してきました。チャコはすかさず2人を撃ち殺し、生き残った1人に凄惨な拷問を加えました。
その後、チャコはスタビー、バニー、バドに薬を盛り、クレムを酒で釣って3人を縛らせました。そしてチャコはバニーをレイプし、馬車を奪って立ち去ろうとしました。しかし、チャコの凶暴な本性に気づいたクレムが抵抗し、チャコはクレムの足を撃って逃げ去りました。クレムはスタビーらの拘束を解き、スタビーらはクレムを担架に乗せて出発しました。
荒野の処刑のネタバレあらすじ:転
チャコは仲間たちと合流し、幌馬車隊の襲撃の計画を練りました。チャコの存在に気づいたスタビー一行は身を隠しましたが、チャコ一味はなんとスタビー一行が以前お世話になったキリスト教徒の幌馬車隊を襲撃し、老若男女問わず全員皆殺しにして馬車を奪って去っていきました。チャコの極悪非道を目の当たりにしたスタビーは復讐を誓いました。
その後、土砂降りの雨に見舞われたスタビー一行は荒れ果てた町に立ち寄り、焚き木をしながら雨宿りをすることにしました。バドはすっかり気が狂ってしまい、町の墓場に行き墓石たちと会話をしていました。やがてすっかり衰弱しきっていたクレムは息を引き取り、バドはクレムの亡骸を埋葬することにしました。
スタビーとバニーはすっかり打ち解け合い、愛し合うようになっていました。そこにバドが肉を持って現れ、スタビーたちはその肉を調理して食べました。ところが、その肉はなんとクレムの死体から剝ぎ取ったものでした。スタビーとバニーは完全におかしくなってしまったバドを町に置き去りにし、二人だけで旅を続けることにしました。
荒野の処刑の結末
旅の途中、スタビーは旧知の仲であるさすらいの牧師と偶然にも再会しました。そんな時、バニーが急に産気づいたため、スタビーと牧師はバニーを近くの鉱山の町に連れて行きました。
鉱山の町は男しかおらず、女性はひとりもいないという町でしたが、それでもこの町の医師がバニーのためにお産を手伝ってくれることになりました。そして町中の男たちが興味を示すなか、バニーは男の赤ん坊を出産しましたが、程なくして息を引き取ってしまいました。
町中の男たちは赤ん坊を引き取って育てることにし、“ラッキー”と名づけ、牧師が洗礼を行いました。スタビーはラッキーを町の男たちに託し、馬や拳銃などを提供してもらうとチャコへの復讐のためひとり再び旅立ちました。
やがてスタビーはチャコが奪った馬車を見つけ、大切にしていた髭剃り道具を取り戻しました。スタビーは近くの小屋で休憩していたチャコの仲間たちを殺し、チャコの腕を撃つと抵抗しようとしたチャコの頬を剃刀で斬りつけました。
チャコは自分が殺したキリスト教徒から奪った十字架を見せつけ、バニーをレイプしたことをちらつかせてスタビーを挑発しましたが、チャコは何も言わずにチャコを射殺しました。そしてスタビーは寄ってきた野良犬を拾い、馬に乗って旅立っていきました。
以上、映画「荒野の処刑」のあらすじと結末でした。
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