Cloud クラウドの紹介:2024年日本映画。「転売ヤー」吉井のハンドルネームは「ラーテル」。安く買いたたいた品を高額でさばき続けている。だが、彼が引っ越した湖畔の家に、即席のラーテル暗殺団がおしかける。インターネットとホラーを連結させた『回路』から23年、黒沢清監督の新作は、インターネットで増幅された憎悪が菅田将暉演じる転売屋を危機に追い込む、スリラー+アクション映画です。
監督:黒沢清 出演者:菅田将暉(吉井良介)、古川琴音(藤田秋子)、奥平大兼(佐野たけし)、岡山天音(三宅達也)、荒川良々(滝本一郎)、窪田正孝(村岡耕太)、松重豊(売人)ほか
映画「Cloud クラウド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Cloud クラウド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「Cloud クラウド」解説
この解説記事には映画「Cloud クラウド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Cloud クラウドのネタバレあらすじ:転売屋
転売屋の吉井が、殿山が経営する健康器具の会社の倉庫に行く。一台3000円で30個買うと言う吉井。それでは製品開発にかかった費用を全く回収できない殿山と彼の妻は怒るが、吉井はこれが売れなくて廃品回収に金を出して引き取ってもらうよりはいいでしょうと言って、健康器具をタダ同然で買い自分のアパートに運ぶ。
製品を撮影し、ネットに一台200,000円で売りに出す。定価の半額の製品はたちまち売り切れてしまった。だが、品物を宅配業者に引き取ってもらった後、吉井は彼の部屋に上る階段にネズミの死骸を見つける。誰かのいやがらせだろうか?
Cloud クラウドのネタバレあらすじ:離職と引っ越し
吉井は本業としてクリーニング工場で働いている。社長の滝本は、重役は役立たずばかりだから君に片腕になってほしいと吉井に管理職昇進をほのめかすが、吉井は結局、社長のしつこい説得を聞き入れず、3年勤めた工場をやめて転売屋専業になる。ある日、高専の先輩で吉井に転売の仕事を教えた村岡から、オークションサイトを始めるからお前も参加しろと声をかけられるが、吉井は転売屋としては落ち目の先輩からのうまい話に乗るのは避けた。
バス停まで吉井は村岡と歩くが、偶然、吉井のアパートに行こうとしていた恋人の秋子と出くわす。二人の仲を村岡に問われた吉井は結婚を前提につきあっていると言ってしまう。バスの中で、そのことばが本気かと秋子に問われた吉井は、今より大きな家に引っ越す予定であることを明かす。だが、そのバスの中で吉井は彼を監視しているような不吉な男に気づく。
夜、アパートで引っ越しの荷造りを吉井がしていると突然灯りが消える。外を見た吉井はクリーニング工場の滝本が来るのを見る。吉井は電気が点いてもあえてすぐ消して、居留守を使って滝本が去るのを待った。
Cloud クラウドのネタバレあらすじ:湖畔の家
吉井と秋子は山奥の湖畔の一軒家で暮らし始める。転売品が次々と運び込まれる。そして地元の青年、佐野を助手として雇うが、吉井はコンピューターを見るな・触るなと言い渡す。
ところが夜、吉井と秋子は窓ガラスが割れる大きな音で起こされる。自動車のモーターが家に投げ込まれた。吉井は地元警察に被害届を出すが、警察官は、吉井が偽物のバッグを売っているという噂がある、商品を見せてほしいと言う。吉井は、バッグは全部売れたと嘘をつき、帰宅してすぐ、問題のバッグを1980円に値下げして売り切る。
地元宅配業者は信用できないと、佐野から借りた車を自ら運転して東京の宅配業者までもっていった。その店舗の外にいたのは村岡。村岡は行き先を告げずに引っ越した吉井を非難する。村岡は結局オークションサイトの立ち上げはできず、転売もうまくいっていないようだった。
帰宅した吉井は窓ガラスを割った犯人が見つかったと言われる。佐野が彼の捕まえた中学校の後輩に謝罪させた。
Cloud クラウドのネタバレあらすじ:ラーテルの被害者
あるフィギュアの発売日、東京のある模型店の前には発売を待つ人たちが列を作っていたが、吉井は店主に、定価10000円のフィギュアを20000円で買うと言って50個を買い占めた。だが家に戻ると佐野から、秋子が去っていったことを教わる。
行き場所のない秋子はいずれ戻ってくると思って気に留めない吉井だったが、佐野がコンピューターに触っていたのに気づいて、信頼が失われたからと退職金を出して首にする。転売ビジネスを覚えて吉井を助けたいと佐野が言っても吉井は聞く耳をもたない。でも佐野は、吉井のハンドルネームである「ラーテル」について、ネット上で非難が飛び交っていると警告する。
ネットカフェで生活する三宅は吉井から買ったバッグをさらに転売したせいで、偽物をつかまされたと言われて袋叩きに遭う。「ラーテル」に恨みを抱いた三宅はネット上でラーテルに復讐しようという運動が起きていることを知る。ラーテル=吉井の画像すら既に広まっていた。
Cloud クラウドのネタバレあらすじ:ラーテル狩りの開始
三宅はラーテルを襲う仲間である矢部と初めて会う。矢部から既にラーテルの本名が「吉井」と明らかになったことを教わる。同種の活動に参加経験のある矢部はゲーム感覚でいるが…。
吉井は不審者の存在を感じ家のドアに厳重にワイアーをめぐらす。しかし、ドアのガラス越しに覆面をした男が見える。そしていつの間にかクリーニング工場の滝本が散弾銃をもって家の中に入ってきていた。滝本は自分の好意を踏みにじり、しかも居留守をつかった吉井をゆるせなかった。
吉井は、覆面の三宅、滝本、矢部、井上、そして健康器具の会社の殿山から逃げて森の中に入る。小屋に逃げ込むがすぐに見つかり、男たちは小屋を壊し始める。地元のハンターが気づいて、猟友会のもちものの小屋に勝手なことをするなと叱るが、滝本によって射殺されてしまう。
彼らが死体を片づけるすきに吉井は家に戻る。すると秋子が戻ってきていた。秋子が大事なものをもっていった方がいいとすすめるので、吉井はコンピューターのハードディスクを取り出し、預金通帳やクレジットカードを取り出すが、男たちにみつかってしまう。
Cloud クラウドの結末:地獄への道
吉井は廃工場に連れていかれ、椅子にしばりつけられる。そこで村岡も彼らの一味であることを知ることになる。村岡は最初に会った時から吉井のことが嫌いだったと言う。彼らは吉井をバーナーで焼くところを撮影するつもりで、井上を見張りに残して撮影機器を取りに行く。
佐野はかつてある組織に所属していた。彼は売人と駅のホームで落ち合い、GPS機能をつかって携帯電話の場所を探す機器と多数の銃を受け取る。吉井が連れていかれた場所をさがし、見張りを殺し、吉井に拳銃を渡す。
三宅はネットのニュースを見て滝本が妻と子供を殺して警察に指名手配されていることを知る。ライフルをもつ殿山が吉井と佐野に倒されて三宅は逃げ出す。吉井は深手を負いながらも佐野を狙う殿山を撃ち、初めて人を殺す。
三宅は滝本に射殺されるが、滝本は吉井と佐野が協力して殺した。残る村岡は車で逃げようとしたが、結局殺される。
死体の始末は佐野が組織に頼む。そのとき再び秋子が現われ、吉井に自分を抱き寄せるようにと言う。だが彼女は死体から奪った拳銃を背に隠していた。佐野は秋子を信じるなと吉井に言う。彼女の狙いは吉井のクレジットカードを奪うことだった。秋子は吉井に向けて発砲したつもりだったが、撃鉄を上げていないので銃から弾が出ない。佐野に言われて撃鉄を上げたものの、佐野に頭を撃ち抜かれて死んでしまう。
吉井は佐野の運転する車で事件現場を去る。佐野は二人で組んでもうけましょうと言うが、吉井にはこれが地獄の始まりであることがわかっていた。
以上、映画「Cloud クラウド」のあらすじと結末でした。
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