46億年の恋の紹介:2005年日本映画。刑務所内で囚人が囚人を殺害するという事件が起きる。加害者と被害者は双方殺人罪で同日収監され、静かに惹かれ合っていた仲だった。彼らをこの結末に導いたものは何だったのか。揺れ動く心を幻想的な描写で鮮やかに表現した三池崇史監督作品。
監督:三池崇史 出演者:松田龍平(有吉淳)、安藤政信(香月史郎)、窪塚俊介(雪村)、渋川清彦(土屋)、金森穣(勇者)、石橋凌(高津所長)ほか
映画「46億年の恋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「46億年の恋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「46億年の恋」解説
この解説記事には映画「46億年の恋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
46億年の恋のネタバレあらすじ:刑務所内の殺人
1人の老人が痩せた少年に問いかけます。「お前はどのような男になりたい?」と。少年には男になるための儀式が待っていました。勇者のような理想の男の精をもらうことで、強い男の力を受け継ぐのです。体中に刺青を彫った勇者は、その力強さを激しい踊りで表現します。――舞台は変わり、日本のとある刑務所内。1人の受刑者が他の受刑者の首を絞めていました。加害者は有吉淳、被害者は香月史郎。彼らは殺人罪で偶然同じ日に投獄されました。有吉は勤め先のゲイバーの常連客から性的暴行を受け、逆上して男を殺害。香月は暴力的な性分で色々な罪を犯し、路上で男を殴り殺して逮捕されました。有吉は駆けつけた看守に、「僕がやりました」と呟きます。
46億年の恋のネタバレあらすじ:回想
刑務所に収監された日、有吉は香月の体に勇者と同じ刺青があるのを見て驚きます。その後2人は雑居房に入りますが、香月は早々に暴力騒ぎを起こしました。そんな香月でしたが、刑務所の新所長、高津の前では何かに怯えているような表情を見せます。高津の背後には女の亡霊が浮かび上がっていました。夜、有吉は自分の寝床の壁に小さな穴を見つけます。覗いてみると、外に宇宙ロケットがありました。翌日有吉は洗濯作業に、香月は農作業に回されます。黙々と洗濯物を踏んでいた有吉は、巨大なピラミッドを見つけて驚きます。同じく洗濯係の雪村が、てっぺんまで行けば天国に行けるらしいと教えてくれました。ロケットを見つめる有吉に香月が声をかけます。触れた彼の手には刺青が浮き上がっていました。どうやらこの刺青は有吉にしか見えないようです。妖艶な雰囲気を持つ有吉は絡まれることも少なくありません。そんな有吉を、香月はいつも暴力によって守っていました。
46億年の恋のネタバレあらすじ:加害者は誰だ
香月殺害について警察が捜査を進めると、有吉の供述に矛盾が生じ始めます。有吉は素手で香月の首を絞めていましたが、香月の首には紐のような物で絞められた痕があったのです。やがて捜査線上に新たな容疑者が浮上します。所長の高津です。5年前香月は高津の妻を強姦、その後彼女は自殺していました。香月への憎しみは認めたものの、高津は犯行を否定します。香月が殺害された日、刑務所内の人間であれば誰にでも犯行は可能でした。しかし腕っ節の強い香月を殺害するのは非常に難しいことです。香月と肉体関係を持っていたと噂される雪村も疑われますが、雪村は犯行も香月との関係も否定しました。何より有吉には高津や雪村を庇う理由がありません。確かなのは有吉の自供と索条痕だけなのです。
46億年の恋のネタバレあらすじ:天国と宇宙
有吉は牢屋の中で、以前香月とピラミッドを見に行ったことを思い出していました。天国と宇宙どちらへ行きたいかという問いに、香月は宇宙を、有吉は天国を選択します。暗に抱いて欲しいと誘う有吉を、香月は「狂わせたら悪い」と拒みます。有吉は香月のようになりたい、香月と一緒に行きたいと呟きます。そしてある雨の日、香月は高津に呼び出されました。高津は昨夜現れた妻の亡霊が香月を心配していたと言うのです。高津の後ろには恨みがましい目で香月を睨み上げる亡霊がいます。恐怖に竦む香月はピラミッドを見上げる有吉のもとに向かいますが、ふいに空を見上げた有吉が三重の虹を見つけます。振り返って虹を見た香月は突然泣き出しました。優しく抱きしめた有吉を突き飛ばして走り去る香月。有吉はこの出来事を振り返り、香月を追い詰めたのは三重の虹だと供述します。そして唐突に事件は解決します。土屋という男が香月殺害を自白したのです。
46億年の恋の結末:三重の虹
土屋は以前から雪村と肉体関係を持っていました。しかし香月と雪村の仲を疑い何度も問い詰めていたのです。土屋は浮気した妻を殺害した罪で服役しているのですが、自殺すればよかったと思うようになっていました。香月相手なら間違いなく返り討ちに遭うと考えた土屋は、殺されるために香月を殺そうとします。しかしいざ首を絞めてみると、香月は無抵抗どころか土屋の手ごと紐を掴み、強く引いて自分自身を絞殺したのです。逃げる土屋と入れ替わりにやって来た有吉は、大の字で死亡している香月を見下ろします。「僕がやってあげたのに」「そんなことまで他の奴にやらせなくたって」と呟いた有吉は、死んだ香月に馬乗りになって、彼の首を絞めました。香月を追い詰めたのは三重の虹ですが、何故虹が自殺の引き金になったのかは香月にしか分かりません。轟音と共にロケットが打ち上がり、刑務所の中から幼い香月が虹を見て笑います。地球誕生から46億年。街に人があふれ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画46億年の恋のあらすじと結末でした。
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