守護天使の紹介:2009年日本映画。上村佑の第2回「日本ラブストーリー大賞」受賞作品小説を、『キサラギ』(2007年)の佐藤祐市監督が、映画化したものです。さえないサラリーマンが、落としたお金を拾ってくれた女子高校生に初恋し、彼女を世の中から守るために立ち上がるラブ・コメディ映画。
監督:佐藤祐市 出演:カンニング竹山(須賀啓一)、佐々木蔵之介(村岡昌志)、與真司郎(佐々木大和)、忽那汐里(宮野涼子)、寺島しのぶ(須賀勝子)、柄本佑(ハーベスト)、日村勇紀(ブッチャー)、佐野史郎(ホモ雑誌の編集長)、池内博之(牧瀬和彦)、大杉漣(豊川)、ほか
映画「守護天使」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「守護天使」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「守護天使」解説
この解説記事には映画「守護天使」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
守護天使のネタバレあらすじ:1
主人公・須賀啓一は、鬼嫁・勝子から1日お小遣い500円をもらうデブでダメ男です。彼は不登校やひきこもりの生徒を支援する塾で働いていました。彼は出勤途中の電車で老人に席を譲る女子高生を目にします。彼女を追って降りたホームで、彼は転んでしまい、電車で拾った新聞と500円玉を落としてしまいました。「大丈夫ですか?」という声に須賀は顔をあげると、彼の追っていた彼女がいました。彼女は須賀に新聞と500円玉渡すと笑顔で去っていきました。須賀は彼女に一目惚れしました。須賀は、幼馴染みで悪友の村岡に「あの子を護りたい」と相談しますが、彼は「金がなきゃ、何もできないだろ」と言い放ちました。その夜、須賀はお金を盗ろうとしますが、鬼嫁に見つかり、掌底打ちで前歯を折られました。翌朝、須賀宛にメールがきました。ひきこもりの高校生・佐々木大和(通称、ヤマト)から、進学相談で会ってほしいというものでした。須賀はヤマトに会い、彼女が聖華女学院というお嬢様学校の生徒だと知ります。ヤマトは持っていたPCで「聖女だからって、いい子とは限らないよ」とネットの聖女の女子校生の淫乱ブログを見せました。その内容に心あたりのある須賀でしたが、彼は彼女でないと否定しました。
守護天使のネタバレあらすじ:2
後日、ヤマトが須賀に会いに来ました。須賀に彼は、ネットでプロデューサーという奴が主催でその彼女とHな会をするというチャットを見せました。参加者はブッチャーとハーベストという奴で、ブッチャーは「岩手から黒のワンボックスカーで8時間かけて行く。横浜の大観覧車の前でハーベストと合流する」と書いていました。その日、須賀は難病患者の救済募金をしている彼女を見ます。須賀はなけなしの小遣いから募金します。そして、須賀は「あのブログは間違いだ」と確信します。その夜、須賀は8時頃、岩手訛の男から大観覧車のことを聞かれました。須賀は彼が岩手ナンバーの黒のワンボックスカーに乗り、大観覧車の前で一人の男を乗せているところを見ました。須賀は「彼女を護るときが来た」と思い、ヤマトと、村岡のいる雀荘に行きました。須賀は「明日から会社を休んで彼女を護衛する。家を出てここで寝泊まりする」と決めました。須賀はヤマトに彼女の情報を集めてほしいと頼みます。村岡は「協力してほしいなら金を出せ」と言いました。須賀はまた鬼嫁の寝入ったころにお金を盗もうとしますが階段から落ちて失敗し、雀荘のマッチ箱を落として逃げ去りました。須賀はヤマトからお金を借り、警棒などを買い、それらを使う練習をしました。「なぜそこまで?」と問うヤマトに、須賀は「初恋だ」と答えました。
守護天使のネタバレあらすじ:3
ヤマトは聖女を退学して実業高校に通っている同級生の渡辺に会いに行きます。ヤマトは渡辺に彼女のことを聞きます。彼女は彼に「リョウコに何の用だよ」と言い去りました。一方、須賀は聖女の校門前で、彼女を待っていました。須賀は男性教師から不審者と間違えられました。須賀はその場を切り抜け、彼女の家まで尾行しました。そして、予め書いた危険を知らせる手紙をポストに入れようとしたとき、彼女が出てきて、須賀は「不審者に注意」というチラシを渡され、門前払いされました。雀荘に帰った須賀は村岡に笑われます。ただ、彼女の名前は「宮野涼子」とわかりました。須賀は護衛と手紙を渡す役をヤマトに託しました。村岡は金のない須賀に仕事を紹介します。それはゲイ専門雑誌のモデルでした。須賀は嫌々、そこで褌一丁になり、10万円を手に入れました。ヤマトは、涼子を尾行しました。すると渡辺も彼女を尾行していました。ヤマトは涼子に「おかしな奴らが君を狙っている。…とにかくこれを読んで。携帯番号も書いてある。何かあったら電話して」と言い、須賀の手紙を渡しました。
守護天使のネタバレあらすじ:4
ある日曜日、ヤマトは街で渡辺を捕まえて、雀荘に連れていきました。渡辺は「涼子は心臓にペースメーカーを入れているから、携帯やPCは使えない。ブログ作成はプロデューサーって奴しか考えられない」と言いました。その頃、須賀は涼子を尾行し病院にいました。そこで彼は病院の先生から、彼女がペースメーカーを入れていることを知ります。涼子が病院から出ていくあとを尾行しようとすると、彼女は須賀をストーカーと勘違いして走り出しました。追う須賀の目の前に、あの黒いワンボックスカーが来て涼子を車中に入れて、走り去りました。雀荘で須賀は落ち込みました。渡辺は連れて行かれた場所に心当たりがあると言います。村岡は、店長から玉なしの拳銃を須賀がヌードで稼いだ金で引き取ります。渡辺の案内で3人はプロデューサーの家に行きました。その家は須賀を不審者と言った聖女の男性教師の家でした。村岡が拳銃で脅し、家を探しましたが、涼子の姿はありません。3人が諦めかけたとき、寝室で携帯が鳴りました。ハーベストからの「捕獲完了。アジト到着」のメールでした。やはり彼がプロデューサーでした。村岡は彼の指を折り、渡辺も入って彼を追及しますが、彼は「宮野がいつばらすかわからない。僕は彼女が学校からいなくなれば、それでよかった。あとはあいつらに任している。…」と言い、本当にアジトは知らないようでした。心配する渡辺を見て、ヤマトは「この携帯は聖女の校長に送る。学校から消えるのはあんただ」と足蹴にしました。
守護天使のネタバレあらすじ:5
結局、涼子の居場所はわからずでしたが、その時、涼子から須賀の携帯に「助けてください」という電話が入りました。涼子が連れ込まれたのは、マンションの一室でした。彼女は二人が部屋を留守にした隙に、須賀の手紙を見て電話をかけましたが、そこをハーベストに見つかり、電話線を抜かれました。そして、ベッドに縛られてしまいました。二人は自己紹介をします。ハーベストは自分が幼女バラバラ殺人犯であると告白します。涼子はブログを書いていないと主張しますが、ハーベストは「この際、もうどうでもいいでしょ。…」と言い、涼子に麻酔を注射しました。そして彼は「僕はいったん消えますね」と言い、部屋を出ていきました。涼子をブッチャーは助けようとしますが、ハーベストに見つかり、部屋に連れ戻されました。須賀は、雀荘で頭をひねっていました。村岡は麻雀仲間の豊川さんの所に行き、「ワンボックスカーの発見者には賞金50万円と有給休暇7日」で、神奈川全域4000人の新聞配達員を使って、車を発見させる策をとりました。祈る須賀のもとに発見者からの電話が入りました。
守護天使のネタバレあらすじ:1
3人は雨の中、雀荘を出ました。ちょうどタクシーが止まっていました。だた、そこから出てきたのは鬼嫁・勝子でした。須賀は必死で勝子に土下座してお願いしました。勝子は黙って帰っていきました。3人はそのタクシーで発見者の所に急行しました。場所はウィークリーマンションの駐車場でした。3人は明かりついている最上階の一室だろうと、屋上からその部屋に入ることにしました。村岡は「ベランダに降りて突入だ。俺は玄関で待つ。入ったら玄関の鍵を開けろ」と指示して、部屋に行きました。須賀は自分がベランダから突入する決心をします。須賀は屋上から飛び降りましたが、Tシャツが破れ、防犯グッズの入った鞄も落とします。須賀はベランダに入るとき、ズボンも脱げてしまい、褌一丁に首からぶら下げた携帯電話だけの姿になりました。須賀はガラスを割り、部屋に突入しました。続いて、ヤマトも入ってきました。部屋には、ベッドに縛られた制服姿の涼子と、マグロ解体用の包丁を持ったハーベストが立っていました。ブッチャーはパンツ一丁で縛られていました。武器もない須賀は「心で戦う」とハーベストに向かっていきましたが、転んでしまいました。須賀はハーベストに「助けやってくれ。彼女は俺の…初恋なんだ~!」と叫ぶと、鬼嫁に折られた差し歯が飛び、彼の顔に当たりました。一瞬の隙をついて、須賀は彼に飛びかかりましたが、彼はスタンガンで須賀を痺れさせ、玄関ドアを開けに行ったヤマトも痺れさせました。安心したハーベストに、玄関から入ってきた村岡は拳銃を突きつけ、足蹴りして座らせました。
守護天使の結末
ハーベストはその拳銃に指をかけて引き金を引きましたが、玉は出ません。玉なしとわかったハーベストは、包丁を取り、村岡を倒して、彼の脚を切りつけました。ハーベストは「誰も僕を殺せない。…人間は死ぬ瞬間が一番美しいんです。…」などと演説しました。3人はブッチャーから彼がバラバラ殺人犯であることを知らされます。ハーベストが包丁を涼子に斬りつけようとしたとき、須賀は必死で飛びかかりました。そこに村岡が入り、村岡のパンチでハーベストは倒れます。倒れたハーベストは不敵な笑いを残し、ベランダに走っていき、飛び降りました。遠くでパトカーの音が聞こえてきました。村岡とヤマトの二人は、警察沙汰は須賀が被るという約束通り、あとは須賀に任せて出ていきました。須賀は涼子を縛っていた縄を解きました。そのとき、彼女は目を覚まし、須賀を押し倒し、電話をつなぎリダイヤボタンを押しました。すると須賀の胸の携帯電話が鳴りました。その姿はウルトラマンのようでした。須賀は手紙の追伸の部分を言いました。その言葉とその姿を見た涼子は、須賀が助けてくれたことを知り、笑顔を浮かべました。突入してきた警官たちに、須賀は犯人と間違えられて、ぼこぼこにされました。そして、警察での取り調べを終えて出てきた須賀を、村岡とヤマトは笑顔で迎えます。須賀は、連続殺人犯を捕まえた中年男のスターになっていました。記者たちは須賀を取り囲みます。言葉を失う須賀の前に、記者たちをかき分けて来たのは、鬼嫁・勝子でした。勝子は記者たちに言いました。「私はこの人に初恋をした人間です」と、それを聞いた須賀から、差し歯がポロリと落ちました。
この映画の感想を投稿する