愛の流刑地の紹介:2006年日本映画。気の乗らない大学講師などをしている村尾菊治は処女作の恋愛小説のヒットで有名になったが、今は作品に恵まれず、以前のようなヒット作を出そうと、日々悶々としていた。そんな時に、友人から紹介された、人妻の入江冬香の清楚で慎ましやかでありながら、凛とした性格に、心を奪われてしまい、逢瀬を重ねる。菊治は彼女から新しい小説の意欲の高ぶりを感じ、冬香は彼から女としてのエクスタシーを目覚めさせられる。しかし、その情熱は究極の結末へと進む…。渡辺純一の恋愛小説。
監督:鶴橋康夫 出演:豊川悦司(村尾菊治)、寺島しのぶ(入江冬香)、長谷川京子(織部美雪)、仲村トオル(入江徹)、佐藤浩市(脇田俊正)、陣内孝則(北岡文弥)、ほか
映画「愛の流刑地」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛の流刑地」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛の流刑地の予告編 動画
映画「愛の流刑地」解説
この解説記事には映画「愛の流刑地」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛の流刑地のネタバレあらすじ:起
村尾菊治(豊川悦司)は、10年前に処女作「恋の墓標」がヒットして、話題になった恋愛小説家であった。しかし、今はこれといった作に恵まれず、気の乗らない大学講師や、評論などを書いて生活していた。もう一度、恋の墓標のようなヒット作を書きたいとあせりを感じていた。ある日、知人の魚住祥子(浅田美代子)から、友人が彼のファンだと、人妻の入江冬香(寺島しのぶ)を紹介される。菊治は冬香の古風な日本女性の代表のような、清楚で理知的な性格に魅了されてしまう。人妻である冬香に戸惑いながらも、デートの誘いをする。冬香のまじめな性格から断られると思っていたが、意外に、誘いを受け入れる。二人の逢引は、回を重ねるごとに愛が強くなり、肉体関係となる。菊治は冬香との恋愛で、新しい恋愛小説への情熱を取り戻すような感覚を得る。冬香は、結婚して、3人の子供を産んでいても、感じられたことのない女のエクスタシーを菊治との逢瀬で感じる。冬香が、夫の転勤で、神奈川県に引っ越してくる。それから、菊治の東京のマンションに通うようになります。しかし、冬香の目覚めた女はそれだけでは、止まらなかった。自分の中に、菊治を愛する獣のような、強い情念を抑えることが出来なくなる。
愛の流刑地のネタバレあらすじ:承
冬香の誕生日に箱根旅行をすることになります。冬香は、今までの人生で今日が死んでもいいと思うほど幸せだと菊治に言いました。その夜、愛し合っている時に、エクスタシーが高まった冬香は首を絞めてほしい要望します。菊治は言われるままに、冬香の首を絞めていきます。冬香は気を失い、菊治は手を離します。菊治は二人の愛の記録として録音していたテープを聞きます。テープの中で、どうして首を絞めてくれなかったのと攻める冬香の声を聞いて考え込みます。
愛の流刑地のネタバレあらすじ:転
二人の愛を元にした恋愛小説「虚無と熱情」が完成しますが、出版社の評価はあまり良くありません。神宮外苑前の花火大会にお揃いの浴衣を持参し花火を見ます。その夜、エクスタシーを感じた冬香は、そのまま絞めて、私のことが本当に好きなら、首を絞めてと懇願します。菊治は、冬香の首を両手で絞めます。今度は、手を離すことなく、冬香は息絶えます。警察の取調べで、菊治は「愛しているから殺しました」と答えます。刑事たちは、自分勝手な快楽殺人として見ていました。
愛の流刑地の結末
裁判が始まり、弁護士は、愛の録音の冬香の声を聞いて、嘱託殺人だと申し立てます。検事も、現在不倫関係にある自分と重ねて、冬香の思いを理解していました。しかし、あくまで快楽殺人だと提議します。証人に立つ冬香の夫、入江徹(仲村トオル)は、冬香は何も言わない大人しい性格だったと話、弁護士に妻への愛情について追求されると、忙しいのに妻に関わってはいられないと憤怒します。菊治は、死にたくなるほど人を愛した事がない人間に、どうやって説明すればいいと裁判官に訴えます。証言台に、冬香の母親・木村文江(富司純子)が立ちます。冬香が亡くなる当日の家の様子を話します。子供の好物を作っていました。文江は、雪国の女は、大人しく見えても、心の中にはきついものを持っていますと娘の心情を語ります。化粧して出て行く冬香が、私、後悔しないからと言って出て言ったことで、いやな予感がしたと話します。文江は菊治を許したわけではなく、冬香が自分の意思を通したのだと証言したのです。菊治は、文江に向かって、土下座します。菊治は、彼女の願うまま殺したが、1番大事なものを失ったから、後悔していますと話しました。罪は情状されて、殺人罪で懲役8年が宣告されました。刑務所の中、菊治は、本当にこれで良かったのか自問自答していました。死んだ冬香から、恋の墓標の小説が送られてきました。その本に、手紙が挟まれていました。手紙には、この手紙をどこで読んでいるのでしょうか。この手紙を書いたら、母に預けてあなたに殺されます。きっと、私の願いを成し遂げているはず、本当にありがとうと書かれていました。菊治は、やっぱり、俺は選ばれし殺人者だったんだと感動の声をあげるのでした。
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