赤い航路の紹介:1992年フランス,イギリス映画。地中海を航海する豪華客船。車椅子のアメリカ人作家とその妻との出会いにより、イギリス人の若い夫婦に思いもよらない危機が訪れる。パスカル・ブルックナーの小説を『ローズマリーの赤ちゃん』や『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキーが映画化。作家の妻を演じているのはポランスキーの妻のエマニュエル・セニエ。
監督:ロマン・ポランスキー 出演者:ピーター・コヨーテ(オスカー)、エマニュエル・セニエ(ミミ)、ヒュー・グラント(ナイジェル)、クリスティン・スコット・トーマス(フィオナ)、ヴィクター・バナルジ(シン)、ソフィー・ペタル(アムリタ)その他
映画「赤い航路」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「赤い航路」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
赤い航路の予告編 動画
映画「赤い航路」解説
この解説記事には映画「赤い航路」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
赤い航路のネタバレあらすじ:起・車椅子のアメリカ人
結婚7年を記念してイギリス人の若い夫婦、ナイジェル(ヒュー・グラント)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス)は豪華客船の旅に出た。地中海を航行し、イスタンブールを経由してインドを目指す。だが、インド人のシン(ヴィクター・バナルジ)に「インドは二人が期待するような場所ではない」と言われる。
夫婦は体調を崩したミミ(エマニュエル・セニエ)を世話したことで、彼女と彼女の車いす生活の夫・オスカー(ピーター・コヨーテ)と知り合う。オスカーはナイジェルをなぜか気に入り、彼をミミの浮気相手にしようともくろみ、自分の船室で彼に話を聞かせる。
アメリカ人のオスカーは祖父の遺産で8年間パリに住み、出版されない小説を書き続ける作家だった。彼は偶然バスの中で出会ってチケットを譲ってあげた女のことを忘れられず、女を捜し続ける。ある晩、女友達と入ったレストランで女がウエイトレスをしているのをとうとう発見する。
翌日さっそくその女、ミミとデートをする。成熟した女性の魅力と少女っぽさを併せ持つダンサー志望の女。夜通し散歩した後オスカーの部屋で二人は結ばれる。ミミこそ運命の女だった。
ミミに仕事を辞めさせて二人だけの時間を過ごす。やがて彼らは変態行為にふけりだし、それはどんどんエスカレートしていく。だが、数週間後、オスカーはその生活に飽きてしまった。
赤い航路のネタバレあらすじ:承・罠に陥ったナイジェル
ナイジェルが二日続きでオスカーの性生活について聞かされた次の日、彼とフィオナは甲板で、シンと幼い娘のアムリタ(シンは妻に先立たれていた)と話す。コートを取りに船室に戻ったナイジェルは、廊下でミミに後で彼女の船室に来るように誘われる。
ナイジェルはフィオナや他の乗客とロビーでカードゲームをしていたが、オスカーに呼ばれていると嘘をついて抜け出し、ミミの部屋へ。だがそこにはオスカーもいた。ナイジェルは、かつがれたのである。結局オスカーの話の続きを聞くはめになる。
ミミに対してもはや性欲を感じないオスカーだが、ミミは彼に相変わらずの熱烈な愛情を注ぎ続ける。喧嘩と仲直りが繰り返される。ミミはオスカーと結婚して子供を作りたいと言うが、オスカーは「君の存在自体が耐えられない」と告げ、二人はとうとう別れる。
束の間自由を感じたオスカーだが、結局ミミは帰ってくる。一緒にいられるなら何をされてもかまわないと言ってすがりつくミミを見て、オスカーに、サディスティックな願望が芽生える。セックスの最中、他の女の名を呼ぶなどイジメ抜く。それにつれてミミの美貌が色あせていくと、パーティーに連れて行って人前で彼女の化粧をけなす。
ある日、ミミは妊娠を報告する。オスカーは自分には父親は務まらないと言って中絶に仕向ける。中絶手術の後、合併症を起こしたミミを気遣って旅行を提案するが、出発当日、飛行機に乗り込んでから、仮病を使って自分だけ飛行機から降りて、ミミを一人で旅立たせる。
ここまで話を聞いて船室の外に出たナイジェルは、外にいたミミとキスを交わす。でも二人だけで会うのは最後まで話を聴いてからだと言われる。
赤い航路のネタバレあらすじ:転・ミミの復讐
船は嵐に見舞われる。船酔いで不機嫌なフィオナはナイジェルに、ご執心のミミのところに行ってしまえと言う。怒って船室を出たナイジェルはオスカーの部屋へ。
ミミから解放され、オスカーは2年間女あさりを楽しんたが、女たちと夜通し遊んだ後のある朝、自動車に轢かれる。足を吊ってベッドに横たわるオスカーの病室にミミが見舞いに来た。旅先のマルティニクでずっと働いていたと言う。
別れの握手をすると見せかけてミミはベッドからオスカーを引き下ろす。その結果オスカーは下半身麻痺で一生歩けない身となり、ミミは彼の面倒を買って出る。それが彼女の、愛の裏返しである復讐だった。
ミミはオスカーの身の回りの世話をする一方で、彼をいたぶり続ける。ミミが外出しているうちにオスカーが小便をもらした日、ミミは誕生日のプレゼントを渡すが、包みの中にあるのは拳銃だった。そしてミミが男友達を招いてオスカーの前でセックスをした晩、オスカーは覚悟を決める。これほど憎しみ合える相手とは二度と出会えない。二人は結婚式を挙げ、正式な夫婦になった。
赤い航路の結末:A HAPPY NEW YEAR
全ての話を聴いてナイジェルが船室に戻ると、フィオナはまだベッドの上でぐったりしている。仕方なくナイジェルは、大みそかの夜のパーティーに一人で行く。黒いドレスのミミはオスカーと先に来ていた。12時が過ぎて、ミミと踊り始めたナイジェルは、ミミにキスしようとするが拒まれる。愛していると言うナイジェルに、それは幻想よと言うミミ。
ナイジェルは、フィオナが遅れてパーティーに来ていたのに気づき、彼女の元に引き下がる。そして、セクシーなダンスで会場中の視線を集めるミミのパートナーをフィオナが引き受け、ダンスを楽しんだ後、一緒に会場を後にする。
船室に妻が帰ってこないので、ナイジェルはミミの部屋に行く。そこには激しく交わった疲れでベッドに裸で横たわって眠る二人の女と、それを見ているオスカーがいた。オスカーに侮辱されて我を忘れたナイジェルは、オスカーの首を絞めかけるが、オスカーはピストルを取り出す。オスカーはもう誰も傷つけないと言ってミミを撃ち、私たちは欲深すぎただけだと言い、自分の口の中に向けて銃の引き金を引くのだった。
朝、二人の遺体が運び出され、ナイジェルとフィオナは雨の降る甲板で体を寄せ合う。そこにアムリタが近づき、彼女と父親からの「新年おめでとう」という挨拶を告げるのだった。
以上、映画「赤い航路」のあらすじと結末でした。
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