ブラックパンサーの紹介:2018年アメリカ映画。アフリカにある神秘の国ワカンダ。若くして国王となったティ・チャラはブラックパンサーとして国を守るヒーローでもある。2016年の映画『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』でスタイリッシュなアクションと優れた人柄で登場し、ファンの心を掴んだ。この謎めいたキャラクターの誕生秘話と新たな戦いを描いた作品。彼の物語は次回の大作『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』へとつながる。
監督:ライアン・クーグラー 出演:チャドウィック・ボーズマン(ティ・チャラ / ブラックパンサー)、マイケル・B・ジョーダン(エリック・キルモンガー)、ルピタ・ニョンゴ(ナキア)、ダナイ・グリラ(オコエ)、マーティン・フリーマン(エヴェレット・ロス捜査官)、ダニエル・カルーヤ(ウカビ)、ほか
映画「ブラックパンサー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブラックパンサー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブラックパンサーの予告編 動画
映画「ブラックパンサー」解説
この解説記事には映画「ブラックパンサー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブラックパンサーのネタバレあらすじ:起
ワカンダというアフリカの小国。この国にしか存在しない「ヴィブラニウム」という鉱石は希少で、とてつもないパワーを持っています。ワカンダはヴィブラニウムを長年研究し、世界で最先端の技術を有するほどの科学的発展をもたらせました。
しかし、この鉱石を盗難や悪用から護るために、国土自体をホログラムで覆いジャングルに偽装しているため、この国の秘密はごく一部の人を除き、誰も知りません。同時に、この資源と独立性を保つために、世界中にスパイを放ち、国際的動向を探り続けています。
その中で、高僧ズリによってティ・チャラがワカンダ新国王に即位するための儀式が行われました。ワカンダはボーダー族、リバー族、マーチャント族、マイニング族、そしてジャバリ族から成り、これらの部族の頂点に立つワカンダ王によって統治されています。
守護神ブラックパンサーへの信仰を共にしており、王となる者は儀式で挑戦者との戦いに勝たなければなりません。全員一致でティ・チャラの王位継承が決まろうとしたとき、ジャバリ族のエムバクが挑戦を申し出てきました。
ジャバリ族は昔の取り決めにより儀式への参加資格がありません。エムバクはこの取り決めを無効にするために戦いを挑んだのでした。ティ・チャラは苦戦の末、エムバクを殺すことはせずに降伏させました。そしてハート形のハーブを飲み、超人的な強さを得ることにより、ティ・チャラはブラックパンサーとして生まれ変わりました。
ブラックパンサーのネタバレあらすじ:承
一方、ロンドンの大英博物館では西アフリカの展示コーナーで客を装ったエリック・キルモンガーがワカンダにまつわる展示品を強奪しました。キルモンガーは武器商人ユリシーズ・クロウと手を組み、ヴィブラニウムの取引を韓国で行おうとしていました。
その情報を知ったティ・チャラは、天才科学者の妹シュリが改良したブラックパンサー・スーツをまとい、側近オコエと幼馴染で元恋人のナキアとともに韓国へ乗り込みました。3人は案内されたカジノへ向かうと、CIA捜査官のエヴェレット・ロスがクロウの取引相手を装っていたことを知ります。
ところがこの潜入捜査はすぐに露呈し、現場は一気に銃撃戦となってしまいます。なんとかクロウを拘束することはできたものの、その後キルモンガーの襲撃に遭い、クロウを逃してしまっただけでなく、キアラを庇ったロス捜査官が撃たれてしまいました。
ティ・チャラはよそ者を入国させない掟を破り、妹を助けてくれたロス捜査官をワカンダへ連れて帰り、治療を受けさせました。
ブラックパンサーのネタバレあらすじ:転
ヴィブラニウムを手にしたキルモンガーは、手を組んでいたはずのクロウを簡単に殺してしまいます。キルモンガーには隠された過去がありました。
彼の幼少期、ワカンダ族からスパイとしてアメリカに送られた父親が、前国王によって殺されてしまったのです。父を失ったキルモンガーは青年になると米軍特殊部隊に所属し、戦地を渡り歩いては、まるでゲームのように容赦なく殺戮を繰り返しました。弱い者にヴィブラニウムを渡し権力者たちを潰すという、歪んだ理想のため、ワカンダの王座を狙っていたのでした。
キルモンガーはクロウの遺体を手土産にワカンダへ降り立つと、ティ・チャラに王位をかけた戦いを挑みます。ズリはキルモンガーによって殺され、デッドヒートの末、ティ・チャラまで滝から突き落とされてしまいました。キルモンガーに王位を奪われたワカンダは暗黒に包まれます。
シュリは母ラモンダを連れて、ナキアと回復したロス捜査官と共にエムバクの元を訪れます。ティ・チャラを失った今、ワカンダを救うために頼れるのはジャバリ族しかいません。ところがエムバクからは断られ、代わりに通された別室にいたのは瀕死状態で雪に保存されていたティ・チャラでした。
ハーブによって治癒し、再び立ち上がるティ・チャラ。キルモンガーへの復讐を誓います。
ブラックパンサーの結末
キルモンガーは早速、ヴィブラニウムの空輸に取り掛かっていました。そこへティ・チャラがはだかると、仲間だった側近のオコエと、ボーダー族でティ・チャラの友人でもあったウカビもキルモンガーに仕えていました。ナキアとシュリはラボに忍び込み、武装し応戦。ロス捜査官は王家の専属航空機ロイヤル・タロン・ファイターを疑似操縦し、ヴィブラニウムの空輸を食い止めます。
互角の戦いが続く中、ウカビの合図で戦闘用の巨大なサイが加わると、ティ・チャラらは窮地に立たされます。それを救ったのがエムバク率いるジャバリ族でした。ワカンダのために戦う姿にウカビとオコエも正気を取り戻し、ロス捜査官も最後の空輸機を撃ち落としました。
キルモンガーとティ・チャラの一騎打ちになり、遂にキルモンガーを倒しました。ティ・チャラは生き絶えかけたキルモンガーに祖国の夕日を見せるために、一望できる場所へと連れて行きます。美しい景色を目に焼き付け、キルモンガーは息を引き取りました。
元の平和に戻ったワカンダ。後日、キルモンガーが幼少期に育ったマンションを買い取り、ワカンダのテクノロジーを教える施設を作ることを決めました。またウィーンでの国際会議でもワカンダ国王として技術の提供をすると発表したティ・チャラでした。
以上、ブラックパンサーのあらすじと結末でした。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の時系列・順番
1.『アイアンマン』(2008年公開)
2.『インクレディブル・ハルク』(2008年公開)
3.『アイアンマン2』(2010年公開)
4.『マイティ・ソー』(2011年公開)
5.『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年公開)
6.『アベンジャーズ』(2012年公開)
7.『アイアンマン3』(2013年公開)
8.『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年公開)
9.『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年公開)
10.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年公開)
11.『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年公開)
12.『アントマン』(2015年公開)
13.『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年公開)
14.『ドクター・ストレンジ』(2016年公開)
15.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年公開)
16.『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年公開)
17.『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年公開)
18.『ブラックパンサー』(2018年公開)
19.『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年公開)
20.『アントマン&ワスプ』(2018年公開)
21.『キャプテン・マーベル』(2019年公開)
22.『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年公開)
23.『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年公開)
「ブラックパンサー」感想・レビュー
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マーベルを始めとしたアメコミの映画を見たのは初めてだったのですが、めちゃくちゃ王道で完成されたストーリーだなと思いました。予備知識のない私でも理解できるというか、いろいろ設定があるけどそれが画で説明されていてとてもわかりやすい。(ワカンダ人の証明の仕方やビブラニウムの存在感等)
話の展開も過不足なく見ていてストレスがありません。流石というか、理論的に完成されていてチームとして会社として安定した作品を作る体制があるんだなぁとちょっと邦画の現状と比べてひがんでしまいます。
そしてその秀作的な存在からこの映画を1段上に押し上げているのが「アフリカン」だと思います。登場人物がほとんどアフリカ系であることは知っていましたが、作品全体を通しての美術やア要素の根幹に「アフリカン」があります。「トンデモアフリカン」「謎アフリカン」と言っても良いだろうというくらいのハチャメチャっぷりなのですが(『キルビル』の中の日本みたいな)それがとても魅力的に描かれていて新鮮でダイナミックで目が離せません。特に坊主頭で槍を使う女戦士オコエのかっこよさときたら!彼女が活躍するカーチェイスシーンは必見です。
マーベル初黒人ヒーロー映画、最高でした!CGと融合した世界観に引き込まれ、最先端のアクションに興奮したり、登場人物の心中に涙したりする、とても濃い内容。また、正義とは何か?人間とは何か?というメッセージを、全世界・全年齢の人へ発信している一面も。ただかっこいいだけではない、真のヒーロー像が見えた気がしました。過激な表現が一切なく世界中のどんな人でも観られる映画なので、ぜひ色んな人に見てほしいです。