底なしの世界の紹介:2017年アメリカ, カナダ映画。新天地を目指して車を走らせるアレックスとスカーレット。しかし、ある町で一夜を過ごした後、不可解な出来事が彼らを襲う。果たしてどこまでが夢で何が真実なのか。
監督:リチャード・シアーズ 出演者:ジェナ・マローン(スカーレット)、ダグラス・スミス(アレックス)、テッド・レヴィン、タマラ・ドゥアルテ(ペイジ)、ケリー・ペンディグラフト、ほか
映画「底なしの世界」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「底なしの世界」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
底なしの世界の予告編 動画
映画「底なしの世界」解説
この解説記事には映画「底なしの世界」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
底なしの世界のネタバレあらすじ:起・謎の町とらわれる
ロサンゼルスに向かってドライブを続けるアレックスとスカーレットは、とある町のエル・ランチョ・ホテルで一晩泊まることに。その夜スカーレットは、今までにした最悪な事は何かとアレックスに尋ね、彼が聞き返すと、彼女がかつて事故で付随になったいとこのウェインの話を始めた。
ウェインの世話をする振りをして、彼の身体をおもちゃにして着せ替えや卑劣な悪戯をし、誰も気づかないと思っていた。しかし、母親の恋人の海兵隊の軍人が、ウェインが目の動きからモールス信号の「SOS」を送っている事に気づいたという事を話した。
その夜、二人で眠っていると、テレビに映っていた牧師らしき男の説教が聞こえ、スカーレットは誰かに話しかけられたと怯えた。翌日出発しようとすると、昨夜から寝室の窓を見ていた覆面の男が、柱の影から二人を見ていた。アレックスはそれを無視して出発した。
底なしの世界のネタバレあらすじ:承・説教をする男は誰
カーラジオをつけるとスカーレットは様子がおかしくなり、急遽Uターンし、昨夜の街でもうひと晩過ごすことにした。戻る途中、アレックスは昨晩テレビに映った教会を道端に見つけた。
昨夜のホテルでテレビをつけると、スカーレットは「テレビで説教をする男を知っている」と、知らないはずのこの町を「知っている気がする」と言い出した。アレックスは彼女とその晩のうちに再びロサンゼルスへ向かおうとするが、町を離れようとすると、やはりスカーレットは体調を崩した。
翌朝、スカーレットはベッドに泥の手形を残して消えていた。途方に暮れていると、部屋の電話が鳴り、聞き覚えのない声で「探すのを協力する」と言ってきた。しかし要領を得ない内容に、アレックスが一人車で探しに行こうとすると、こちらをずっと監視していた覆面の男がアレックスを脅して車を走らせた。
そして覆面の男は、荒野でスカーレットを生き埋めにしたというような事をほのめかし、忽然と消えた。
底なしの世界のネタバレあらすじ:転・夢か現実か
夜、町へ戻る道で先日の教会を訪ねたアレックスは、そこで、夜に流されている説教が撮影されていると知った。テーブルの上の聖書の中には拳銃が隠され、スカーレットの写真が飾ってあった。彼は自分をスカーレットの父親だと言い、アレックスに拳銃を突きつけ、「ここは彼女の夢の中だ」と言った。
ふと、見知らぬベッドで起きたアレックスは、自分がペイジ(タマラ・ドゥアルテ)と言う女性と結婚しており、仕事相手も見ず知らずの男だった。変わらないのはテレビで流れる牧師の説教だけだった。
おかしいと思ったアレックスは先日の町を訪ね、スカーレットと過ごした部屋を案内してもらった。窓の外にはこちらを窺う覆面男もおらず、テレビは砂嵐。教会があったはずの所は更地だった。
そして覆面男がスカーレットを埋めたとほのめかした場所を掘っても、何もなかった。帰宅して家を探してみても何も見つからなかったが、新聞を取りに外へ出ると、スカーレットが隣に住んでいた。しかし、彼女はアレックスが恋人だった事は記憶になかった。
その夜、スーパーへ行くスカーレットを追うと、店内の鏡に、彼女と自分の他に覆面の男が映っていた。驚いて卵を落とすとその中から血が出てきた。おかしいと思ったアレックスが缶詰のエンドウ豆を調べてみると、腐った豆が混ざっていて、わざわざこんな夢を見るだろうか、と疑念を持った。
底なしの世界の結末:真相はどこにある
スカーレットは例の父親と住んでいるようだった。妻のペイジは彼を心配し、話を聞いてくれるが、二人の出会いを聞いてみても満足な答えは無かった。
アレックスは真相を知ろうと、スカーレットが家を出た隙を見て忍び込み、彼女の鞄の中から、少年が誘拐されたという記事と、車椅子のいとこが写った写真を見つけた。ちょうどそこへスカーレットが帰宅し、もう一度尋ねたが、アレックスの事は隣人としか思っていなかった。
そしてアレックスがスカーレットを抱こうとすると「レイプ」だと言った。そこへ入って来た父親をアレックスが殴ると、スカーレットはナイフで彼の口を切りつけた。
怒れるアレックスは血を止めただけで処置もせず、スカーレットをいとこの写っていた小屋へ連れて行った。その庭を掘り返すと骨が出てきて、アレックスは自分がスカーレットに非道な悪戯をされて埋められたいとこだったと気がついた。そして、「殴って」と煽るスカーレットを殴り殺し、以前自分が掘った穴に彼女を埋めるのだった。
現実ではスカーレットは薬物を大量に飲んで死んでいた。
以上、映画「底なしの世界」のあらすじと結末でした。
底なしの世界のレビュー・考察:罪の意識にとらわれる
果たして恋人と新天地へ行く最中に、自分が過去に犯したとんでもない罪について告白するだろうか。そんな疑問からこの物語は始まり、テレビからは牧師の説教がまるでその罪を責めるように延々と繰り返される。本来なら、罪を告白し許しを得るはずだが、スカーレットが望んだのは裁きだったのだとすると、謎めいた展開にも少し納得できる気がする。現実では薬物自殺だったが、夢の中では、自分が生き埋めにした男に生き埋めにされるという彼女の望みは果たせただろう。
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