ブレッドウィナーの紹介:2017年アイルランド,カナダ,ルクセンブルク映画。2001年タリバン政権下のアフガニスタン、カブールでは女性は男性同伴でないと外出を許さないなど、女性の生活に多くの制約がありました。11歳の少女パヴァーナは父をタリバンに連れ去られ、生きのびるために髪の毛を切り少年の姿になり家族のための食料を買いに行きます。そして愛する父を助けるために刑務所に向かいますが、9月11日のアメリカ同時多発テロへの報復としてアメリカ軍によるタリバン攻撃が始まります。『ブレッドウィナー』は、世界的ベストセラーになった小説のアニメ映画化作品。アンジェリーナ・ジョリーが制作に関わり、アジアの貧しい子どもたちの状況を伝えたい彼女の熱意が伝わります。11歳の子供が主人公とはいえ、日本とはあまりにも違うタリバン支配下のアフガニスタンの状況を、小さな子供では理解できないかもしれません。忘れ去られた戦争であるアフガニスタンについて大人が勉強するのにいい映画です。”BreadWinner”とは Bread(パン) Winner(勝ち取る人)、一家の大黒柱のことです。
監督:ノラ・トゥーミー 声優:サラ・チャウドリー(パヴァーナ)ソーマ・バティア(ショーツィア/デラワ)アリ・バドシャー(父、ヌルラ)、シャーイスタ・ラティフ(姉、ソラヤ)、ラーラ・ザディク(母、ファティマ)、ほか
映画「ブレッドウィナー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレッドウィナー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブレッドウィナーの予告編 動画
映画「ブレッドウィナー」解説
この解説記事には映画「ブレッドウィナー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブレッドウィナーのネタバレあらすじ:起・髪を切るパヴァーナ
2001年、タリバン支配下のアフガニスタンのカブール市。パヴァーナ(サラ・チャウドリー)は父ヌルラ(アリ・バドシャー)と市場で物を売ります。父は昔のソ連軍との戦争で足を失い、杖なしでは歩けません。教師だった父はパヴァーナの教育のため昔話をします。しかし、タリバンの兵士が来て父を脅します。若いタリバン兵は父の元生徒ですが、無駄なことを教育されたと怒ります。
パヴァーナと父は家に帰ります。パヴァーナは、父、母ファティマ(ラーラ・ザディク)、姉ソラヤ(シャーイスタ・ラティフ)と小さな弟ザキと暮らしています。パヴァーナには兄スレイマンがいましたが、地雷で死んでいます。一家は金も食料もほとんどありません。
タリバンの兵士が家に来て、父をイスラムの敵だと言い、再教育するとして刑務所へ連れていきます。母は刑務所に行こうとしますが、町でタリバンに捕まり、暴行されて父の写真も破られます。
パヴァーナは食料を買いに行きますが、タリバンを恐れる店の店員はパヴァーナに物を売りません。母は親類の男性に助けを求めようとしますが、パヴァーナは髪を切って少年のふりをすることにします。
ブレッドウィナーのネタバレあらすじ:承・一家の大黒柱のパヴァーナ
髪を切ったパヴァーヌは少年のふりをして食料を買います。町で、同じく少年のふりをする少女ショーツィア(ソーマ・バティア)に出会います。パヴァーナが家に帰るとザキは驚きますが、お菓子を与え、象の昔話を聞かせてあげます。
パヴァーナは街へ出ますが、タリバンが外出する女性を虐待します。パヴァーナは町でショーツィアに会います。ショーツィアは少年名デラワを使い、二人は食物を探しに行きます。
パヴァーナが町で物を売っていると、ラザクが来ます。ラザクは字が読めず、パヴァーナに手紙を読んでもらいます。その手紙はラザクの妻が死んだことを知らせるもので、ラザクは泣き出します。
パヴァーナの母は長女の結婚を考え、なんとか男性を一家に加えようとします。パヴィーナは町で服を売ってお金を手に入れ、彼女はその金を賄賂にし、刑務所の父を助けようとします。母は反対しますが、パヴァーナは刑務所へと向かいます。パヴァーナは金をタリバン兵士に渡して父を助けようとしようとしますが、相手にされません。
デラワはもっと金を渡せばいいのではと、他の仕事を探すことにします。パヴァーナとデラワは重労働をしますが、力不足で金になりません。地雷のある危険地帯でソ連軍の残した戦車に乗る二人は、南の島の写真をみます。
ブレッドウィナーのネタバレあらすじ:転・父を助けたいパヴァーナ
市場で物を売るパヴァーナは字の読めないラザクに会います。ラザクはパヴァーナから字の読み書きを習います。パヴァーナに好意をもったラザクはパヴァーナの父が刑務所にいることを知ると、自分の親戚がその刑務所で働いているから水曜日に行ってみろと言います。
パヴァーナとデラワが重労働をしていると、タリバンの兵士に見つかります。その兵士は父を連れ去った男でした。パヴァーナとデラワは洞窟に逃げます。しかし、若い兵士はアメリカ軍との戦いのため戦場へ向かいます。安心したパヴァーナとデラワは洞窟の中で昔話をします。
パヴァーナが家に帰ると、母は長女と親戚の結婚のためカブールを去ると言い、パヴァーナに戦争で危険な町に行くなと言います。パヴァーナは明日もう一度だけ刑務所に行き、父を助け、それからカブールを去ることにします。
朝、刑務所に出発するパヴァーナは町でデラワに会い、デラワはパヴァーナがカブールから出ていくことを悲しみます。二人は20年後に写真の南の島で会うことを約束します。上空にはタリバン攻撃のためのアメリカ軍の飛行機が見えます。
ブレッドウィナーの結末:パヴァーナと家族の運命
パヴァーナが家から出ていくと、家に姉の結婚相手が来ます。婚約者は「戦争が近づいていて道路が閉鎖される。早く逃げろ」と言います。母はパヴァーナが戻るまで待つと言いますが、婚約者は母、姉、弟を連れ去ります。
パヴァーナは刑務所に着きますが、タリバン兵士から怒鳴られます。ラザクが来て「自分が日没までに父を連れてこなければ、遠くへ逃げろ」と言います。
婚約者に連れ去られた母たちは、途中で車を降りて婚約者から逃げ出します。刑務所では、戦える囚人は戦場に送られ、病人は処刑されます。
銃声の中、パヴァーナは大好きな昔話を思い出して自分を励ましますが、その昔話の主人公は死んだ兄スレイマンでした。日没後、ラザクは意識不明の父を連れ出します。パヴァーナは父を荷台に乗せ、アフガニスタンの砂漠をさまよいます。幸運にも途中で母、姉、弟に会い、そして父も意識を取り戻します。どうやら家族は再会を果たしたようです。
以上、映画「ブレッドウィナー」のあらすじと結末でした。
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