アカルイミライの紹介:2002年日本映画。漠然とした不安を抱える孤独な青年が、唯一の親友から譲り受けたアカクラゲと一緒に暮らすうちに、人を殺して自らも命を絶った親友の父親との奇妙な共同生活を送るという異色の青春ドラマです。
監督:黒沢清 出演者:オダギリジョー(仁村雄二)、浅野忠信(有田守)、藤竜也(有田真一郎)、笹野高史(藤原耕太)、白石マル美(藤原冴子)ほか
映画「アカルイミライ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アカルイミライ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アカルイミライの予告編 動画
映画「アカルイミライ」解説
この解説記事には映画「アカルイミライ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アカルイミライのネタバレあらすじ:起
仁村雄二(オダギリジョー)は日々漠然とした不安を抱えながら東京のおしぼり工場で働いていました。人とはうまく交じり合えない雄二が唯一心を許せるのは先輩の有田守(浅野忠信)だけで、雄二は守が自宅で飼っているアカクラゲに心を奪われていきました。そんなある日、工場長・藤原(笹野高史)の自宅に招かれた雄二と守は、彼から正社員として起用したいとの打診を受けました。その後、いつものように守の部屋でアカクラゲと過ごしていた二人の元に、藤原が寿司を持って訪れましたが、藤原はついアカクラゲの入った水槽に手を入れてしまい、毒を持つクラゲに刺されてしまいます。しかし、危ないと言って止めようとした雄二を、守はなぜか引き止めていました。怒った藤原は助けてくれなかった守と雄二を解雇してしまいます。
アカルイミライのネタバレあらすじ:承
雄二は守からアカクラゲを譲られ、しっかり面倒を見てくれと頼まれました。しかしその後、藤原宅に用事があったのを思い出した雄二が自宅を訪れると、そこには殺害された藤原夫妻の死体が転がっていました。程なくして、守は藤原夫妻の殺人容疑で逮捕され、5年間も我が子に会っていなかった守の父・真一郎(藤竜也)はまず弁護士の元を訪れ、そして収監中の守と久々の再会を果たしました。雄二も守の面会に訪れましたが、守はしきりにアカクラゲの心配をしていました。雄二は何年でも待っていると守に伝えましたが、なぜか守は突然怒り出し、雄二に絶好を告げて檻の中へ消えていってしまいました。苛立った雄二はクラゲの入った水槽をひっくり返してしまい、クラゲは床下へと流れていきました。そして後日、守は獄中で自らの命を絶ちました。
アカルイミライのネタバレあらすじ:転
雄二は真一郎が経営する小さな家電リサイクル工場で働き始めました。その一方で雄二は、床下に流してしまったアカクラゲが東京のどこかで生きていることを信じて、毎日のように川にクラゲのエサを撒いていました。真一郎は雄二の行動が奇怪に思えて理解できず、やがて真一郎はクラゲに異常なまでの執着心を見せる雄二と衝突、雄二は工場を出て自宅に引き籠ってしまいました。雄二の妹・美穂(小山田サユリ)はそんな兄を見かねて、夫が経営する会社の雑用係の仕事を斡旋してあげましたが、街を徘徊するようになっていた雄二はゲームセンターで知り合った男子高校生たちと共に、深夜に美穂の夫の会社に不法侵入しました。警報が鳴ったことから高校生たちは警察に補導されましたが、雄二だけはまんまと逃げおおせることに成功しました。
アカルイミライの結末
時を同じくして、真一郎は川に大量のアカクラゲが発生しているのを見つけていました。そこに雄二が戻ってきて、真一郎は雄二の謝罪を受け入れて再び工場で雇うことにしました。そんなある日、雄二と真一郎は川で大量に増殖したクラゲの群れを見つけ、興奮して大はしゃぎの真一郎は亡き守の夢が叶ったと絶叫して川に入り、クラゲに刺されてしまいました。真一郎を川から引き揚げた雄二は、海へと向かうクラゲの群れを無言のままいつまでも眺めていました…。
雄二のいなくなった工場では、真一郎が黙々と仕事に励んでいました。その頃、以前に不法侵入で捕まった男子高校生たちは、雄二の存在を懐かしみながら街を元気に闊歩していました。
見たことはありませんが、あらすじを読んでの感想としては、
アセンションのこと言ってると思います。クラゲは宇宙から地球に転生して、
地球から出られなくなってる人々。中学生が警察に捕まるくだりは、魂が死後幽界でトラップにかかり囚われることの象徴かもしれません。クラゲは宇宙人の象徴的な姿としてよく描かれるし、宮沢賢治の星めぐりの歌を真一郎が歌っていたと言うのも、大きなヒントです。
何よりもこんな訳のわからない意味不明のストーリーの映画が、カンヌ映画祭で高く評価されていることが、この映画には重大な秘密が隠されていることの証左でしょう。
最後にクラゲの大群が海へ帰っていったのは、アセンションして高次元の存在となり、地球を離れているべき宇宙へ還っていくことの象徴として、描かれているのだと思います。