映画「無頼 人斬り五郎」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
無頼 人斬り五郎の紹介：1968年日本映画。名振会の会長を弟分の昌彦と殺して、刑務所に服役していた五郎が仮出所します。五郎は刑務所で死んだ昌彦から「姉のしのぶに会って渡してくれ」と、押し花を預かっていました。久しぶりに石浜に帰った五郎が見たものは、以前にも増して悪行で支配する名振会の姿。偶然出会った由紀という女性と行動を共にしながら、しのぶを探す五郎でしたが、名振会のいやがらせが、由紀やしのぶにまで及び…という内容の渡哲也主演のアウトローアクション無頼シリーズ第四作です。
監督：小澤啓一 出演者：渡哲也（藤川五郎）、松原智恵子（磯村由紀）、佐藤慶（白山周介）、小林千登勢（林田しのぶ）、藤竜也（林田昌彦）、小池朝雄（海藤賢作）、岡崎二朗（石丸鉄男）、南原宏治（牧野昇次）ほか
この解説記事には映画「無頼 人斬り五郎」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
藤川五郎（渡哲也）と弟分の林田昌彦（藤竜也）は、名振会の会長の命を狙い、襲いかかります。取り巻きの子分たちを殺しながら会長を刺殺した五郎でしたが、昌彦も刺されていました。
長野刑務所に服役中の五郎が仮釈放となり、昌彦に会います。昌彦はベッドで寝ていて、医師はもうだめだと首を横に振ります。昌彦は弱々しい声で「姉によろしく伝えてくれ」と言って、刑務所で作った押し花を渡し、その後亡くなりました。
愛知県の三河石浜駅に降り立った五郎は、昌彦の姉の勤める映画館に向かいます。しかし、映画館はなくストリップ劇場になっていました。とりあえず中に入った五郎は、舞台裏でもめる声を聞きます。ストリップ劇場の海藤が、名振会石浜支部の組員に「借金を返せ」と囲まれていました。
息巻く組員の石丸に五郎が「組に帰って藤川五郎に帰れと言われたと言え！そうすればお前はおとがめなしだ」と言って追い返します。そして海藤に「ストリップを続けろ」と言います。
ストリップ劇場を出た五郎が宿を探していると『住み込みボイラーマン募集』の広告を見つけ、バスに乗ります。最後までバスに乗っていたのは五郎と磯村由紀（松原智恵子）で、二人は『三州園ホテル』に入ります。
由紀はホテルの会計係で、母の死の休暇明けでした。ボイラーマンの募集に来た五郎をバスの中で見ていた由紀は、支配人に「いい人です」と教え、五郎は採用になりました。
名古屋の名振会本部では会長の牧野（南原宏治）に、幹部が五郎の話をしていました。牧野は「人斬り五郎は先代の会長を殺した男だ」と教えます。事務所に先代の幹部で、今は顧問の白山（佐藤慶）が入って来ます。元々兄貴分だった白山が目障りな牧野は、白山が由紀に「父親に借りた金だ」と言って金を渡していることを知っていました。そのことで幹部連中に「白山を陥れる、由紀という女に嫌がらせをしろ」と命じます。
名振会の幹部連中がホテルに乗り込み、由紀を囲んで嫌がらせを始めます。このことを知った五郎が、「オレは藤川五郎だ、出て行け」とまくしたてます。人斬り五郎と知った幹部は「ムショ帰りのヤクザが何の用だ」と言います。そして五郎は「オレでいいなら好きなようにしろ」と言って暴行を受けます。
ヤクザだったことがばれた五郎はクビになり、由紀は「ホテルに迷惑がかかる」と言って辞職しました。石浜に着いて別れた二人でしたが、五郎の元に石丸がやって来ます。石丸は五郎に惚れ「兄貴」と慕います。
由紀は名振会石浜支部が経営するビリヤード場の募集広告を見て、中にはいります。由紀を見かけた五郎に、石丸が「あそこはうちの組です」と言います。
由紀が中に入ると、黒松が「金が欲しかったらいい仕事がある」と言います。奥には赤線（売春が行われる場所）に送られる女達がいました。そこへ五郎が乗り込みます。黒松らともめていると白山がやって来て「五郎と由紀に手出しをするな」と恫喝し、二人は逃げます。
白山から、昌彦の姉のしのぶ（林千登勢）が赤線にいると聞いた五郎は、しのぶに会います。五郎は預かった押し花を渡し、昌彦の死を知らせました。しのぶは「こうなったのすべてヤクザのせい。すべてヤクザが悪い」と言います。
しのぶの部屋に海藤がやってきます。事情を聞いた海藤は五郎に「お前さんに惚れた」と言って慕います。二人で帰っていると、由紀が赤線地帯にいました。海藤はストリップ劇場の部屋を二人に貸します。翌朝、作った朝食を置いて由紀が出て行きましたが、すぐ帰ってきます。由紀は「五郎さんの為になにかしたい、好きなんです」と言います。
五郎は体中の傷を見せますが、由紀は「それでもいい」と言います。そこで五郎は「名振会と何があった？」かと由紀に聞きます。由紀は「白山さんが、父に借りた金を返すと言って、毎月お金を持ってくる」と言います。
8年前、名振会は三重で行政と組んで開発工事を仕切っていました。その汚職を知っていたのが由紀の父親で、父親を殺したのが白山でした。葬儀の日、泣きじゃくる幼い由紀を見て、白山は由紀に償っていたのでした。
五郎を慕う石丸が、黒松に呼ばれ、「お前の女の笛子を赤線に送れ」と言われます。石丸が断ると、黒松の指示で笛子がさらわれ、レイプされたうえ写真を撮られます。石丸は、黒松らに襲いかかり、ナイフで刺して笛子を連れて貨物列車に逃げ込みます。
牧野に大金を渡された海藤は、五郎を呼び出し殺そうとしますが、逆に五郎に刺されました。海藤は金を渡し「しのぶを頼む」と言いますが、五郎は海藤をしのぶの元へ連れて行きます。しのぶか手当てをしていると、名振会が乗り込み、海藤としのぶは殺されました。
貨物列車が走りだし、次の駅に着くと、石丸と笛子は無理心中していました。五郎がストリップ劇場へ戻ると由紀が待っていました。そこへ白山が来て銃を構えます。相撃ちを狙って五郎が白山を刺すと、白山の銃には弾が入っていませんでした。白山は苦しみながら「早く逃げろ」と言い、二人はフェリーに乗り込みます。
出発前、五郎はフェリーを降ります。由紀は大声で「五郎さん！」と叫びます。その後、白山は名振会の幹部たちに殺されました。五郎は一人でナイフを持って、名振会の牧野を襲います。幹部連中を次々殺し、牧野を捕えて命を奪いました。すべてが終わった五郎は、そのまま倒れ込むのでした。
以上、映画「無頼 人斬り五郎」のあらすじと結末でした。
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