豚と軍艦の紹介:1961年日本映画。今村昌平の「重喜劇」の代表作。米軍に寄生して生きる日本人ヤクザと彼らに飼育される豚たちの姿を通して、欲深い人間たちの愚かしさや可笑しさを鮮やかに描いている。出演者はいつもの今村組のメンバー。
監督:今村昌平 出演:長門裕之(欣太)、吉村実子(春子)、三島雅夫(日森)、丹波哲郎(鉄次)、大坂志郎(星野)、加藤武(大八)、小沢昭一(軍治)、南田洋子(勝代)、佐藤英夫(菊夫)、東野英治郎(貫市)、ほか
映画「豚と軍艦」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「豚と軍艦」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「豚と軍艦」解説
この解説記事には映画「豚と軍艦」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
豚と軍艦のネタバレあらすじ:起
基地のある横須賀では米軍相手の商売が盛んです。今夜もドブ板通りでは水兵相手のポン引きをする欣太の姿がありました。彼は日森一家のチンピラです。
彼には飲み屋で働く春子という恋人がいて、いつかは組でもいい顔になって所帯を持ちたいと思っていました。ところが春子の方はヤクザが大嫌いで、欣太が真面目にならない限り結婚などする気もありません。
今日も相変わらず彼女から説教を食らいますが、欣太の方では親分の日森から責任ある仕事を任されて意気軒昂でした。
豚と軍艦のネタバレあらすじ:承
その仕事とはなんと豚の飼育係。豚にはエサ代がかかりますが、それを米軍ベースから払い下げられた残飯で浮かしてしまい、上手く儲けようという算段でした。
利益は2000万円になる予定で、欣太にも15万のボーナスが出ることになっています。もちろん飼育ばかりで日は過ごせません。
ある夜は日森が殺したヤクザ仲間の死体処理を手伝う羽目になります。ところが海に沈めたはずが、漁師をしている欣太の父貫市がそれを発見し、警察へ通報。あわてて欣太は兄貴分の鉄次に死体の処理を頼みます。
豚と軍艦のネタバレあらすじ:転
豚の仕事の方もスムーズにはゆきません。米軍との間に入ったブローカーが手数料の値上げを要求し、もしそれが受け入れられなければ残飯を渡さない、と脅してきたのです。
親分の日森だけではその費用が用意できず、仕方なしに幹部である鉄次、星野、大八、軍治も金を負担することになります。
といっても手元には蓄えなどなく、シマの店を脅しつけたり、工場のスト破りに手を貸して金を捻出するのです。欣太もその手伝いに精を出します。
豚と軍艦の結末
しかしこのことで親分への反感が募り、星野は集めた金を持って逃亡。そして大八、軍治も欣太に手伝わせて豚を叩き売ろうとします。
日森に勘付かれた大八たちは仕方なしに和解するのですが、殺したヤクザの件で欣太がその罪を被る、という話になります。散々こき使われてきた上でのこの仕打に欣太は激怒。ドブ板通りで豚を逃し、機関銃を乱射するものの、最後には日森たちに射殺されます。
1人残された春子は一旦は米軍将校のオンリーになる決心をしますが、土壇場で気持ちを変えます。そして新しい生活を始めるため、横須賀の駅へと向かうのです。
以上、映画「豚と軍艦」のあらすじと結末でした。
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