キャッツの紹介:2019年アメリカ映画。1981年のロンドン初演以来ミュージカルの金字塔である「キャッツ」をトム・フーパー監督が映画化。「ジェリクルキャッツ」と呼ばれる猫たちの生き生きとした姿を描きます。年に一度のジェリクル舞踏会に参加するため、街のゴミ捨て場に集まる猫たち。その中から1匹の猫が選ばれ、新しい人生を得ることが許される特別な夜だった…。主人公を演じるのは映画初出演の英国ロイヤル・バレエ団でプリンシパルをつとめたフランチェスカ・ヘイワード。舞台版には無かった役柄で美しい白猫を演じます。グリザベラ役にはジェニファー・ハドソンが抜擢され名曲「メモリー」を魂を込めて歌い上げます。ボンバルリーナ役のテイラー・スウィフトが「マキャヴィティ」を高らかに歌いこなしています。
監督:トム・フーパー 出演:フランチェスカ・ヘイワード(ヴィクトリア)、ジェームズ・コーデン(バストファージョーンズ)、ジュディ・デンチ(オールドデュトロノミー)、ジェイソン・デル―ロ(ラム・タム・タガ―)、イドリス・エルバ(マキャヴィティ)、ジェニファー・ハドソン(グリザベラ)、イアン・マッケラン(ガス)、テイラー・スウィフト(ボンバルリーナ)、レベル・ウィルソン(ジェニエニドッツ)、ほか
映画「キャッツ CATS」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キャッツ CATS」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キャッツ CATSの予告編 動画
映画「キャッツ CATS」解説
この解説記事には映画「キャッツ CATS」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キャッツ CATSのネタバレあらすじ:起
満月のある夜、突然人間がやって来て、生き物が入った袋を置き去りにしていきました。袋を取り囲む猫たちの前に、白く美しい猫が姿を現しました。名前はヴィクトリア、自分はどこに連れてこられたのか、なぜ大勢の猫が自分のまわりにいるのか戸惑いを隠せません。
ヴィクトリアを取り囲んでいる猫たちはジェリクルキャッツ。人間に飼い慣らされたりしないため、自身を誇りに思っていました。首輪があり、人間に飼われていたヴィクトリアとは違います。ヴィクトリアは新しい世界に困惑しながらも仲間の元へ歩み寄っていきます。
今夜はジェリクルキャッツにとって特別な日です。ジェリクル舞踏会が開かれ、歌と踊りを競い合う猫たちの中から、たった1匹の猫が選ばれます。その猫は天上の世界で新しい生活を始める権利を得られます。選ぶのは長老猫オールドデュトロノミー。どの猫も自分が天上へ行く権利を得たいと歌に踊りに磨きをかけます。
ヴィクトリアはぎこちないながらも仲間と交流をしていきます。ジェリクルキャッツを見つめる怪しい猫マキャヴィティの姿もあります。みんなこの猫からは離れ、遠巻きにしていました。仲間の猫たちは、ヴィクトリアを連れて色んな猫に会わせました。おばさん猫のジェニエニドッツや、イケメン猫のラム・タグ・タガー。リッチ猫のバストファージョーンズ。個性的で陽気な仲間の歌と踊りに、ヴィクトリアのこわばった気持ちもほぐれていきました。
キャッツ CATSのネタバレあらすじ:承
ヴィクトリアが出会う猫は個性的な猫ばかり。今夜の舞踏会で自分こそが選ばれんと歌い踊り、練習しています。候補者の猫が1匹になった隙を狙い、マキャヴィティがやってきて、猫を1匹ずつ消していきます。仲間の猫たちは気づきませんでした。
仲間の猫たちから離れてしまったヴィクトリアに忍び寄るカップルの泥棒猫マンゴジェリーとランペルサー。自分たちとチームを組もうと囁き、人間の家にこっそり泥棒に入ります。誰も見ていないので好き放題やってはしゃいでいると、犬の吠え声がしました。ヴィクトリアを放ってマンゴジェリーとランペルサーはさっさと逃げてしまいます。
そのヴィクトリアを助けに来たのがマジック猫ミストフェリーズ。ヴィクトリアが来た時から、何かと気にかけてくれる優しい猫です。ミストフェリーズのおかげで逃げ出せたヴィクトリア。2匹は強い絆で結ばれます。
とうとう舞踏会の刻限が近づき、長老猫のオールドデュトロノミーがやって来ます。優し気で貫録のある長老猫に、誰もが敬意を表しています。この様子を遠くから伺っているのはグリザベラ。もとは美しい猫でしたが、娼婦だったためか次第に落ちぶれ、仲間の猫たちから蔑まれるようになりました。
弱々しく「メモリー」を歌うグリザベラに、ヴィクトリアは「ビューティフル・ゴースト」を歌いました。ヴィクトリアはグリザベラに手を差し伸べますが、弱々しい視線を投げかけ、その場を去って行きました。
キャッツ CATSのネタバレあらすじ:転
満月の明かりに照らされて、ジェリクルキャッツの舞踏会が始まります。老猫ガスの歌声は今も健在。深い染み入るような声音で魅了します。汽車を愛する猫スキンブルシャンクスは賑やかな歌と踊りでみんなを陽気な気分にさせます。
彼らが素晴らしい演技をした後、マキャヴィティが現れて、ガスもスキンブルシャンクスも劇場から連れ去ってしまいました。マキャヴィティが自分が長老猫に選ばれようとして立てた策略でした。
劇場内にマタタビをまき散らしたことで猫たちは意識が朦朧とします。舞踏会はマキャヴィティのせいで台無しです。自分を選べと詰め寄るマキャヴィティの要求を、長老猫は断固拒否。折れない長老猫のことも連れ去ってしまいました。
長老猫がいなくなった後、後に残されたジェリクルキャッツは大混乱。マジック猫ミストフェリーズのマジックの力で取り戻せないかと考えました。ミストフェリーズはヴィクトリアやジェリクルキャッツの声援を受け、挑戦を続けますがうまくいきませんでした。
みんなの表情が暗くなりますが、朗々と響く長老猫の歌声に顔つきが変わります。ミストフェリーズのマジックの成功に劇場内が沸き立ちます。長老猫が戻ってきたことで劇場内は明るい活気に包まれ、誰もが笑顔を見せました。姿を消した他の猫たちも無事に戻り、再会を喜びます。
キャッツ CATSの結末
マキャヴィティの計画はなくなり、いつもの舞踏会が戻ってきます。とうとうジェリクルキャッツの中から、たった1匹の猫を選ぶときがやって来ました。
長老猫が決断する前に、グリザベラを連れたヴィクトリアがやって来ます。確かに娼婦猫ではありますが、彼女の歌声は本物だとヴィクトリアは知っていました。グリザベラの登場に、他のジェリクルキャッツは嫌悪感を示します。ですが長老猫は歌うよう促し、みんなの視線を浴びながら「メモリー」を熱唱しました。
美しく華やかな時期を過ごしたものの、落ちぶれて一人盛り場をうろついていたグリザベラ。美しい想い出もありますが、深く苦しい孤独も知っています。グリザベラの歌声を聞きジェリクルキャッツの表情が変わります。美しいだけではない相手の心を震わす歌に、長老猫はグリザベラをただ1匹の猫として選出しました。
グリザベラの深い悲しみを包み込み、労わるように声をかけます。他のジェリクルキャッツの祝福に見送られ、グリザベラは気球に乗り、天上へと旅立ちます。往生際の悪いマキャヴィティが便乗しようとしますが失敗して落ちていきました。
ヴィクトリアは人間に飼われていたことがあり、首輪もありました。ずっと自分がジェリクルキャッツの一員か気にしていたヴィクトリアですが、長老猫や仲間に温かく迎えられ、安らいだ表情を見せます。
以上、映画「キャッツ CATS」のあらすじと結末でした。
「キャッツ CATS」感想・レビュー
-
劇団四季の公演で有名なミュージカルですね。初演の頃に舞台を観ていて、それぞれの猫のキャラクターが面白く印象的でした。この映画の中でも一番好きなキャラクターはマジシャン猫でした。映画と舞台の違いで、やはりアップで顔が映るとちょっと引いてしまいました。人間感が出るというか、ファンタジーなムードがリアルなお化粧に目が行きがち。前編を通してとても素敵な楽曲ばかりだし、歌唱力、ダンス力は超一流で目を見張ります。
キャッツは随分前にミュージカルを観ていたので、映画化された作品を楽しみに観ました。振付がバレエのように優雅で、猫のコスチュームが非常によく出来ていました。主役のヴィクトリア猫を演じた女優がとってもキュートです。キャッツにはあのテイラー・スイフトが出演していたと後から知り、もっと出演シーンを見ておけばと悔やみました。