トスカーナの贋作の紹介:2010年フランス,イタリア映画。イタリア・トスカーナ地方の小さな村を舞台に、ギャラリーを経営する女性と作家の男性がひょんなことから偽の夫婦を演じることになり、そこから始まる人間模様を描いた異色のラブストーリーです。
監督:アッバス・キアロスタミ 出演者:ジュリエット・ビノシュ(彼女)、ウィリアム・シメル(ジェームズ・ミラー)、ジャン=クロード・カリエール(広場の男)、アガット・ナタンソン(広場の女)、アドリアン・ムーア(彼女の息子)ほか
映画「トスカーナの贋作」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トスカーナの贋作」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トスカーナの贋作の予告編 動画
映画「トスカーナの贋作」解説
この解説記事には映画「トスカーナの贋作」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トスカーナの贋作のネタバレあらすじ:起
イタリア南部トスカーナ地方の小さな村。イギリス出身の作家ジェームズ・ミラー(ウィリアム・シメル)は自著「贋作 本物より美しき贋作を」の出版を記念して村の講堂にて講演を開きました。そこに村でギャラリーを営んでいる女性(ジュリエット・ビノシュ)とその息子(アドリアン・ムーア)も訪れ、ジェームズの話に聞き入っていました。ジェームズは「贋作は価値を下げるものではなく、本物の良さを再評価するためにある」と語りました。彼女はジェームズに共感を覚え、その様子に息子から恋をしているみたいだと言われてしまいます。
トスカーナの贋作のネタバレあらすじ:承
講演の数日後、ジェームズは彼女のギャラリーを訪れます。彼女は面白い場所へ連れて行ってあげるとジェームズを誘い、彼は「9時まで戻らないと列車に遅れるから」と言いつつも彼女の誘いに乗ります。二人は電車に乗り、「トスカーナのモナ・リザ」という一枚の贋作の話になると、ジェームズは、「モナ・リザだってジョコンダ夫人の贋作だ」と指摘しつつも「本物と贋作の差なんてない。紙一重だ」と語ります。二人はとあるカフェに入り休憩しますが、カフェの店員から「素敵なご主人ですね」と褒められてしまったのをきっかけに、二人は咄嗟に偽の夫婦を演じることになってしまいます。
トスカーナの贋作のネタバレあらすじ:転
とりあえず長年連れ添っている夫婦を演じることになった二人は、永遠の愛が叶えられるという言い伝えのある「命の木」を訪れます。そこには仲睦まじい新婚カップルがおり、ジェームズは最初が甘いほど辛くなっていくものだと語ります。続いて二人は広場にある彫像の前に行きますが、彫像を巡って意見が対立してしまいます。そこで彼女はその場にいた一組の老夫婦に意見を求めます。老夫婦は二人を本当の夫婦と信じ込んだまま、「君の奥さんが求めているのは、そっと肩を抱かれて共に歩くことじゃないかな」とアドバイスを送りました。その後二人はレストランに入り、彼女は少しでも関係を修復しようと化粧室でお色直しをして女子力アップに努めますが、注文したワインが口に合わず、またしても二人は会話が噛み合わなくなり、しびれを切らしたジェームズはレストランを出ていってしまいます。
トスカーナの贋作の結末
ジェームズを追った彼女はとある教会に入ります。そこにジェームズが戻ってきて彼女に謝り、二人は寄りを戻して寄り添います。その後、彼女は15年前の新婚時代に夫と泊まったことのある思い出のホテルにジェームズを誘います。15年前に泊まった部屋に案内された彼女は、もはや偽りの関係ではなく、本当の男女関係を求め始めますが、ジェームズの態度は素っ気ないものでした。ジェームズは洗面台の鏡の前に立ち、空想と現実の狭間で揺れ動く自分自身を見つめていました。帰ろうとするジェームズを彼女は引き留めようとしますが、我に返ったジェームズは「言ったはずだ。9時までに戻らないといけない」と言いました。その時、教会の鐘が鳴り響き、街中に夕暮れの時を知らせていました。
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