タイ・カップの紹介:1995年アメリカ映画。伝説の野球選手タイ・カッブと伝記執筆を依頼されたスポーツ記者との交流を描いた作品。記者の目を通して晩年のカップの姿を描く異色の伝記映画です。粗暴で攻撃的、メジャーリーグ史上、最も偉大かつ最も嫌われた選手とも評されたタイ・カップの真実の姿を綴っていきます。
監督:ロン・シェルトン 出演者:トミー・リー・ジョーンズ(タイ・カッブ)、ロバート・ウール(アル・スタンプ)、ロリータ・ダヴィドヴィッチ(ラモナ)、J・ケネス・キャンベル(ウィリアム・ハーシェル・カッブ)、ローダ・グリフィス(アマンダ・チットウッド・カッブ)、トミー・ブッシュ(ロジャース・ホーンスビー)、スティーヴン・メンディロ(ミッキー・カクレーン)、ほか
映画「タイ・カップ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「タイ・カップ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
タイ・カップの予告編 動画
映画「タイ・カップ」解説
この解説記事には映画「タイ・カップ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
タイ・カップのネタバレあらすじ:起
1960年のサンタバーバラ。スポーツ記者アル・スタンプは伝説の野球選手タイ・カッブから一本の電話を受け取ります。それは自身の伝記を書いて欲しいという依頼でした。タイ・カッブはアメリカ野球において殿堂入り第一号を果たした伝説的な選手で、ベーブルースのライバルと称された男です。
カッブのプレースタイルは攻撃的、差別主義者で人格にも難ありと噂されていましたが、スタンプはこの依頼を引き受けます。こうしてスタンプはカッブの邸宅を訪ねますが、カッブは気に入らないことがあればすぐに発砲をするような短気な男で、スタンプは依頼を引き受けたことを早くも後悔し始めます。
タイ・カップのネタバレあらすじ:承
投資家に転身して成功したカッブは巨万の富を築いていましたが、家族とは疎遠な状態が続いていました。彼は大きな邸宅に一人で暮らし、その身体は糖尿病や心臓の疾患でむしばまれ、モルヒネやインスリンが欠かせない生活を送っています。
カッブは自分の指示通りに自伝を書くようスタンプを脅し、さらに女を買いたいと言い出し、スタンプを連れてリノへと繰り出します。リノでもカッブはやりたい放題、スタンプは数々のトラブルに巻き込まれていきます。カッブはそんなスタンプに自分の両親に起きたある悲劇について話します。
それは母の浮気を疑った父がある晩真相を確かめようとして、強盗と間違えられ、母に射殺されたという悲しい過去でした。スタンプは昼間はカッブの指示通り虚飾の自伝を書き綴り、夜間は真実のカッブについて記した自伝を綴り始めます。
タイ・カップのネタバレあらすじ:転
スタンプはカッブと行動を共にしているうち、いつしか彼の看護師役も担うことになっていました。やがてカッブが野球の聖地、クーパーズタウンで行われる式典に出席することとなり、スタンプはエスコート役を任されることになりました。
式典が始まり、カッブの功績を称える映像がスクリーンに映し出されますが、八百長疑惑や家庭でのDV疑惑、さらに町で起こした暴行事件など負の歴史まで映し出されてしまいました。さらに式典後に仲間内で開かれたパーティに参加しようとしたところ、人望のなさから参加を拒絶されてしまい、カッブはいっそう孤独感を深めていきます。
その後カッブは生まれ育った町ロイストンへと帰ってきます。ロイストンには娘が住んでいますが、最後に会ったのが15年前のことでした。しかし家の前まで行ったものの、娘からも関わりたくないと拒絶されてしまいます。
タイ・カップの結末
スタンプは嘘で固めた自伝を書き続けることに苦痛を感じていました。スタンプが差別的で人を見下した物言いしかできない男だとカッブを批判すると、カッブは父を撃ち殺したのは本当は母の愛人だったと衝撃的な告白をします。カッブの性格が攻撃的になったのはこの事件が原因だったのです。
それでもカッブを許せないスタンプはこの仕事を降りると言い出します。その夜カッブはスタンプが密かに書き綴っていたもう一つの自伝を見てしまい、さらに大量に吐血して病院へ運ばれます。病院へ駆けつけたスタンプは病床のカッブから真実を自由に書けばいいと告げられました。スタンプは去り際にカッブから栄光を追い求めることは決して罪なことではないと語り掛けられます。
街へ戻ってきたスタンプは仲間達からカッブがどんな男だったか尋ねられます。スタンプは一瞬躊躇したものの、偉大な男だったと語りました。カッブ亡き後、スタンプは虚飾にまみれた自伝を出版しました。それは自分が真実を語ることによって一人の偉大なヒーローが失われてしまうことを危惧したからでした。
以上、映画「タイ・カップ」のあらすじと結末でした。
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