誰がハマーショルドを殺したかの紹介:2019年デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,ベルギー映画。ダグ・ハマーショルド(1905年-1961年)はスウェーデン出身の外交官で、1953年に国連事務総長に就任。アメリカとソビエト連邦が対立する世界において世界平和に尽力。1961年にハマーショルドはコンゴでの紛争解決のためアフリカへ向かいます。しかし、彼の飛行機は墜落し、彼は帰らぬ人となります。事故による墜落か暗殺か?真相不明の事件も、時間の経過とともに敵対勢力による撃墜の証拠が出てきます。『誰がハマーショルドを殺したか』は、デンマーク出身のジャーナリストのマッツ・ブリュガーが、「ハマーショルドの飛行機は撃墜された?」という事件の謎を解明するドキュメンタリー映画です。
監督:マッツ・ブリュガー 出演:マッツ・ブリュガー(ジャーナリスト)、ヨーラン・ビョークダール(調査員)、ほか
映画「誰がハマーショルドを殺したか」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「誰がハマーショルドを殺したか」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
誰がハマーショルドを殺したかの予告編 動画
映画「誰がハマーショルドを殺したか」解説
この解説記事には映画「誰がハマーショルドを殺したか」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
誰がハマーショルドを殺したかのネタバレあらすじ:起・ハマーショルドの謎の死
1961年、国連事務総長ダグ・ハマーショルドがアフリカで死亡したというニュースが流れます。
2016年、映画監督&ジャーナリストのマッツ·ブリュガーが、ハマーショルドの死の謎を解明するためのドキュメンタリーの制作を始めます。ブリュガーは事件は事故による墜落でなく、何者かによるハマーショルド暗殺だと考えています。ブリュガーは調査員のヨーラン·ビョークダーと墜落現場のンドラを訪れます。
映画はハマーショルドとコンゴ情勢の説明になります。1960年代、コンゴ南部のカタンガは、独立を宣言します。カタンガは事実上、ベルギーの鉱山会社の支配下に置かれていました。カタンガは傭兵を使い独立しようとしますが、それに反対する国連平和維持軍と激しい戦闘になります。ハマーショルドはカタンガ指導者モイーズ・チョンべとの会談のためカタンガに向かいますが、その飛行機は墜落します。
ブリュガーは当時のアメリカ情報機関勤務者にインタビューしますが、関係者はベルギー人の傭兵のパイロットからの無線として、ハマーショルドの飛行機を撃墜する銃声と会話を受信したと言います。アメリカ情報機関勤務者はワシントンに無線の件を連絡したと言います。
ブリュガーは飛行機が飛び立った飛行場の管制塔や墜落現場に行き、当時の目撃者の話を聞きます。2013年、国連の調査委員会は、アメリカ諜報機関の無線受信の記録はアメリカ政府の国家機密として扱われていたことを公表し、南アフリカの謎の組織「サイマー」の存在に触れます。
誰がハマーショルドを殺したかのネタバレあらすじ:承・謎の組織サイマー
ブリュガーはサイマーの調査を開始し、南アフリカのキース・マックスウェルという人物が浮かび上がります。しかしマックスウェルは死んでいたため、ブリュガーはその妻にコンタクトをとります。妻は「ハマーショルドのことは夫はあまり話さなかった」と証言します。
ブリュガーはサイマーとマックスウェルの謎を突き止めるため、南アフリカのマックスウェルが住んでいた場所を訪ねます。ブリュガーはマックスウェルが経営していたという病院を見つけ、現地の人に話を聞きますが、マックスウェルとハマーショルド殺害の関連について話す人はいません。
ブリュガーは調査を進めますが、サイマーは軍事組織で白人を軍事教練をしていたことがわかります。また、調査の過程でサイマールはコンゴでも活動していたことがわかります。そしてサイマーのレネという男が浮かび上がります。
ブリュガーは、レネが生存していることを確かめ自宅を訪れます。ブリュガーはレネがサインしたサイマーの文書を見せますが、レネは「サインは自分のものだがサイマーという組織は知らない」と言います。ブリュガーは、マックスウェルが1990年代初頭のアパルトヘイト終了間際に、南アフリカの軍関係者に会い、黒人殺害について話していたことを知ります。
誰がハマーショルドを殺したかのネタバレあらすじ:転・サイマーとハマーショルド暗殺の謎
ブリュガーはアメリカ政府の2014年公開の文書で「ハマーショルドの飛行機はベルギーの傭兵に撃墜された可能性がある」と書かれてあるのを突き止めます。ブリュガーはその傭兵ジャン・ヴァン・リッセゲムの調査を始めます。
ブリュガーは、リッセゲムを知る人にインタビューします。リッセゲムは第2次大戦中はイギリス軍のパイロットで、その後ベルギー鉱山会社の傭兵になったといいます。リッセゲムを知る人は「リッセゲムはハマーショルドの飛行機を撃墜した」と言い、攻撃の詳細まで話したと言います。ブリュガーは、リッセゲムが死んでいたため彼の妻にインタビューしようとしますが、彼の妻は「ハマーショルドの事は話したくない」と逃げられます。
ブリュガーはリッセゲムが飛び立った飛行場の跡地を訪れます。ブリュガーはハマーショルドと会談予定だったという、カタンガの指導者のハマーショルド暗殺の関与をほのめかす文書を見つけますが、決定的証拠ではありません。ブリュガーは墜落現場の発掘をはじめますが、空港職員から調査をやめろと言われます。
ブリュガーはサイマー、ベルギー人傭兵、マックスウェルの関係に悩みますが、過去数年間この件を追いヨーロッパとアフリカを旅したことを思い出し、サイマーとハマーショルドの死の関連に迫ります。
誰がハマーショルドを殺したかの結末:ハマーショルドの死の真相?
ブリュガーは南アフリカでサイマーの関係者達に電話しますが、誰もサイマーの事は話したくないようです。しかし、一人の関係者アレクサンダー・ジョーンズは、サイマーについて話し始めます。
ジョーンズは「サイマーは、アフリカ各地で軍事活動に関与していた」と言います。また、ジョーンズはアフリカで白人の支配のため、そしてサイマーはエイズで黒人を殺そうとすることも計画していた、と言います。ジョーンズはサイマーの本部で、マックスウェルも写っていたハマーショルドの死の現場写真を見たと言います。ジョーンズは、サイマーはイギリス政府の影響を受け、CIA(アメリカ諜報機関)も事件に関与していたと推測します。
ブリュガーは、マックスウェルの彼自身により描かれたサイマー活動記録を見つけます。その記録にはサイマーによる、ハマーショルド暗殺計画が描かれていました。その記録では、ハマーショルド殺害の9月18日にサイマーの指導者はハマーショルドの死の知らせを聞き、作戦成功に喜んだということです。
ジョーンズは、ハマーショルドは長年ヨーロッパに支配されたアフリカ諸国を支援した、そのためアフリカの資源開発を支配する欧米企業を怒らせたと語ります。ブリュガーはハマーショルドの死を今後も究明すると話します。
ブリュガーとともに事件を追うヨーラン・ビョークダール(調査員)が、静かにコンゴ川で書類を読む姿で映画は幕を下ろします。
以上、映画「誰がハマーショルドを殺したか」のあらすじと結末でした。
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