クルエラの紹介:2021年アメリカ映画。ディズニー史上最も悪名高きヴィラン(悪役)である『101匹わんちゃん』の登場人物クルエラの誕生秘話をスタイリッシュに描く、衝撃のパンクロック・エンターテイメントです。主人公・クルエラをオスカー女優のエマ・ストーンが演じ、1970年代後半のロンドンを舞台にファッションデザイナーを夢見る少女がいかにして極悪非道なクルエラへと変貌していったか、知られざる秘話が明らかになります。
監督:クレイグ・ガレスピー 出演者:エマ・ストーン(クルエラ・ド・ヴィル/エステラ)、エマ・トンプソン(バロネス)、ジョエル・フライ(ジャスパー)、ポール・ウォルター・ハウザー(ホーレス)、エミリー・ビーチャム(キャサリン)、カービー・ハウエル=バプティスト(アニタ)、マーク・ストロング(ジョン)、ジェイミー・デメトリウ(ジェラルド)、ジョン・マクリー(アーティ)、ケイバン・ノバク(ロジャー)、アンドリュー・レオン(ジェフリー)ほか
映画「クルエラ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クルエラ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クルエラの予告編 動画
映画「クルエラ」解説
この解説記事には映画「クルエラ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クルエラのネタバレあらすじ:起
エステラは生まれた時から、髪の毛の色が黒と白の半分に分かれていました。生まれて間もなく実の母と引き離されたエステラは、キャサリン(エミリー・ビーチャム)という女性に引き取られて育てられました。
1968年。少女になったエステラ(ティッパー・セイファート・クリーブランド)はキャサリンに連れられて学校に入学しましたが、生まれつき自己主張の激しいエステラは学校の制服の着用を拒み、同級生と殴り合いの喧嘩をするなど問題行動ばかりを起こしていました。
キャサリンはエステラが問題を起こす度に学校に呼び出され、エステラのことを“クルエラ(困った子)”と呼んで嘆いていました。そんなエステラにとって唯一心を許せる親友は、学校でいじめられていた少女・アニタ(フロリサ・カマラ)とたまたま拾った子犬のバディだけでした。
そんなある日、エステラはとうとう学校を退学させられることになりました。エステラが将来ファッションデザイナーになりたがっていることに気付いたキャサリンは荷物をまとめ、エステラやバディと一緒に車でロンドンに向けて出発しました。
その夜、キャサリンは旅の途中で城のように広大な屋敷に立ち寄りました。そこでは煌びやかな衣装に身を包んだ人たちがおり、これからファッションショーが催されるところでした。これから何者かに会うというキャサリンはエステラに大切にしてきた赤い宝石のネックレスを託し、車の中で大人しく待ってるよう告げると屋敷の中へと入っていきました。しかし、じっとしていられないエステラはバディと共に屋敷の内部に忍び込み、そこで華やかなファッションショーの様子を目の当たりにしました。
しかし、バディが飛び出してしまったことからエステラは警備員に見つかってしまい、警備員は番犬の3匹のダルメシアンを花ってエステラを捕らえようとしました。エステラは何とか屋敷の外へ出ましたが、ダルメシアンは外で待っていたキャサリンに襲い掛かり、キャサリンは屋敷のすぐそばの断崖絶壁から突き落とされ、真下の海の藻屑と消えていきました。
エステラとバディは屋敷を抜け出し、たまたま通りがかったトラックの荷台に身を隠しましたが、逃げる際にキャサリンから託されたネックレスを落としてしまいました。トラックはそのままロンドンに辿り着き、エステラはキャサリンの死を悼みながら広場の噴水でバディと共に眠りにつきました。
翌朝。エステラはそこで盗っ人の二人組の少年、ジャスパー(ジギー・ガードナー)やホーレス(ジョセフ・マクドナルド)と知り合いました。エステラとバディはジャスパーとホーレスがアジトとしている廃アパートに招かれ、そこで二人と共同生活を送りながら泥棒稼業に手を染めていくこととなりました。
クルエラのネタバレあらすじ:承
それから10年後。成人したエステラ(エマ・ストーン)は髪の毛をブラウンに染め、ジャズパー(ジョエル・フライ)やホーレス(ポール・ウォルター・ハウザー)と共に相変わらず窃盗などの犯罪に手を染め続けていました。
ファッションデザイナーへの夢を抱き続けているエステラは、アジトでせっせとミシンで服を作り続けていました。そんなエステラの思いを叶えるべく、ジャスパーとホーレスは彼女の誕生日祝いとしてロンドンの老舗百貨店「リバティ・ロンドン」での仕事を見つけてくれました。
期待に胸を弾ませるエステラでしたが、彼女に課せられたのはトイレ掃除やゴミ捨て、倉庫の整理などといった雑用ばかりでした。エステラは支配人のジェラルド(ジェイミー・デメトリウ)に衣服の裁縫やディスプレイのデザインなどの仕事への配置転換を要求しましたが、冷たくあしらわれてしまいました。エステラの不満は溜まるばかりでした。
ある夜。エステラは一人居残りして支配人室を掃除していました。エステラは棚にあった高級な酒を飲み、店内を徘徊するとショーウィンドウのマネキンの服を勝手にアレンジしてしまいました。翌朝、ジャスパーとホーレスが様子を見に行くと、マネキンの服は当時のロンドンで大流行していたパンクファッションを取り入れたデザインとなっていました。
酔い潰れて眠っていたエステラはジェラルドに叩き起こされ、解雇を告げられて店から追い出されそうになりました。その時、たまたま通りかかった世界的なカリスマデザイナーのバロネス(エマ・トンプソン)が来店、エステラのセンスを高く評価しました。エステラはバロネスのアシスタントのジェフリー(アンドリュー・レオン)から名刺を渡され、早速バロネスの事務所「ハウス・オブ・バロネス」の面接を受けに行きました。
バロネスは最初のうちはエステラを“汚い女”扱いし、まともに名前も覚えようとしませんでしたが、雑用係として何とか採用されたエステラは必死にアピールを続け、次第にそのファッションセンスを開花させていきました。バロネスもようやくエステラの才能を認め始め、トントン拍子に出世していったエステラはいつしかバロネスの右腕のような存在にのし上がっていきました。
そんな時、エステラはバロネスが見覚えのあるネックレスを身に着けていることに気付きました。それは紛れもなく、エステラが少女時代にキャサリンから託されたあのネックレスでした。バロネスはこのネックレスについて、元々先祖代々から受け継がれてきたバロネス家の家宝であり、かつて屋敷で働いていた使用人に盗まれたものだったと語りました。
エステラはバロネスからキャサリンを泥棒呼ばわりされたことに怒りを覚え、ネックレスを取り戻す決心をしました。エステラはジャスパーやホーレスと緻密に計画を練り上げ、バロネスの新作を披露するファッションショーの日に作戦を決行することにしました。
ファッションショー当日。会場には数多くのマスコミが押し寄せていました。その中にはエステラのかつての親友で、新聞記者になっていたアニタ(カービー・ハウエル=バプティスト)の姿もありました。ジャスパーとホーレスは害虫駆除業者を装って会場に潜入しました。エステラは髪の毛の色を本来の黒と白に戻し、謎のデザイナー“クルエラ・ド・ヴィル”と名乗ってバロネスに近づきました。
バロネスはクルエラに興味を抱き、二人きりでワインを飲みながら会話をしました。クルエラは危うく正体がバレそうになりましたが、ジャスパーとホーレスは会場内に大きなネズミを何匹も放ち、会場は大混乱に陥りました。クルエラはどさくさに紛れてバロネスからネックレスを取り戻すことに成功しましたが、付き人が番犬の3匹のダルメシアンを放ったため、クルエラたちは会場から逃げ出しました。その際、肝心なネックレスはダルメシアンに飲み込まれてしまいました。
アジトに戻ったエステラは、10年前にキャサリンがダルメシアンに襲われて崖から転落した際、犬笛を吹いてキャサリンを襲わせたのがバロネスだったことを思い出しました。エステラは育ての親であるキャサリンを死に追いやったバロネスへの復讐を誓いました。
クルエラのネタバレあらすじ:転
エステラはジャスパーやホーレスと作戦を練り、この日からブラウンヘアーにメガネ姿の“エステラ”と黒と白の髪のパンクな“クルエラ”というふたつの顔を使い分けることにしました。
エステラは普段通りにバロネスの下で働く一方、アニタと再会を果たして彼女からファッション業界などの様々な情報を仕入れていきました。そしてエステラはジャスパーとホーレスにバロネスの番犬のダルメシアン3匹を誘拐させ、アジトに監禁しました。
エステラはバロネスを揺さぶるため、バロネスがファッションショーを開く度にクルエラとして会場に姿を現しました。時には黒ずくめの奇抜なパンクファッションに身を固めてバイクで颯爽と来場、またある時はゴミ収集車で現れてはゴミで作ったドレスを披露、上手くマスコミの注目を集めることに成功したクルエラはたちまち時代の寵児としてのし上がっていきました。
クルエラの台頭と共に、バロネスのブランドの売り上げは急落していきました。しかし、エステラにこき使われるようになったジャスパーとホーレスは次第にエステラへの不満を募らせていきました。
焦るバロネスはブランドの起死回生策として、エステラが何食わぬ顔で考案していた新作ドレスのデザインに賭けることにしました。エステラは業者に扮したホーレスから“金色の宝石”を大量に仕入れ、全面にこれらの“宝石”をあしらったドレスを作り上げました。バロネスは次回のショーの目玉にすべく、そのドレスをショー会場の金庫に厳重に保管しておきました。この頃には、エステラは誘拐したダルメシアンたちをすっかり手懐けていました。
そしてバロネスの新作コレクション発表ショーの当日。沢山のマスコミを前にしたバロネスは自信満々で金庫を開けましたが、中から飛び出してきたのは大量の蛾であり、会場は大混乱に陥りました。実は“金色の宝石”の正体は蛾の卵だったのです。
バロネスのショーは散々な結果に終わりました。時を同じくして、会場近くではクルエラがロックフェスティバルさながらの野外ファッションショーを開催していました。ジャスパーがギターを弾き、クルエラはパンクロックに合わせてパフォーマンスを行い、大勢の観客たちを魅了していました。またしてもクルエラに話題をかっさらわれたバロネスはある計画を実行に移すことにしました。
クルエラが上機嫌でアジトに戻ると、一足先に戻っていたジャスパーとホーレスがバロネス一味に捕まっていました。バロネスはクルエラを縛り上げ、散々侮辱の言葉を投げつけるとアジトに火を放ちました。バロネスはジャスパーとホーレスに放火の罪を擦り付け、警察に連行させました。
愛犬バディが何とかしてエステラの拘束を解こうとしていたその時、燃え盛る炎の中から一人の男が現れました。エステラはそのまま意識を失いました。
クルエラの結末
翌朝。気が付くとエステラとバディはバロネスの側近であるジョン(マーク・ストロング)に匿われていました。ジョンはダルメシアンが飲み込んだネックレスを取り出しており、エステラに返しました。そのネックレスには鍵が仕込まれており、エステラはその鍵を使ってジョンが持ってきた小箱を開けました。その中にはエステラの出生届が入っていました。エステラの実の母は何とバロネスだったのです。ジョンはエステラに秘められた過去を語り始めました―――。
―――愛人との子を身籠ったバロネスは、産まれ来る赤ん坊のために自分の華々しいキャリアが潰されることを恐れていました。バロネスは産まれたばかりのエステラの殺害をジョンに命じましたが、ジョンは密かにエステラを屋敷の使用人だったキャサリンに託し、二人をバロネスの下から逃がしたのです―――。
―――自らの出生の真実を知ったエステラはバイクを盗み、かつてジャスパーやホーレスと出会った広場の噴水に向かいました。エステラは自分の中に“悪女の血”が流れていることを受けいて、“クルエラ”として自分を棄てたバロネスへの復讐を誓いました。
エステラは清掃作業員に扮し、ジャスパーとホーレスが拘束されている警察署にゴミ収集車ごと突入して二人を留置場から逃がしました。エステラは未だに自分に不満を持つジャスパーとホーレスを説得、ジョンの家でせっせと服を作り始めました。
その頃、邪魔者のクルエラを始末したはずのバロネスでしたが、自身のブランドはますます凋落の一途を辿るばかりでした。苛立つバロネスはジョンの提案を受け入れ、イメージアップ策としてクルエラ追悼の慈善パーティーを開きました。
バロネスはクルエラから取り戻したダルメシアンたちと共に会場に姿を現しました。ところが、招待客たちは全員がクルエラと同じ黒と白の髪のカツラを被り、クルエラが作った服を身にまとっていました。実はジャスパーとホーレス、ジョンがあらかじめ招待客全員に、バロネスがデザインしたと嘘をついてクルエラの衣装を配っていたのです。
エステラは髪の毛をブラウンに染め、かつてキャサリンが突き落とされたバルコニーに立ちました。クルエラがまだ生きていることを確信したバロネスはエステラの姿を見つけ、ダルメシアンを彼女に向けて放ちました。エステラはダルメシアンを手懐けると、自分はバロネスの娘であることを明かしました。一方、会場内のジョンは招待客をバルコニーへと誘導していました。
招待客が見守るなか、バロネスはエステラを受け入れる素振りを見せましたが、次の瞬間エステラを崖の下へと突き落としました。しかし、その一部始終は招待客全員に目撃されてしまっており、バロネスは駆け付けた警察に逮捕されました。
実はエステラは服に仕込んでいたパラシュートで空を舞い、海に着水して助かっていたのです。エステラはクルエラに変身すると、連行されようとしていたバロネスの前に現れて勝ち誇りました。
エステラはこれからは“クルエラ・ド・ヴィル”として生きていく決心をし、エステラの葬式を開いて「エステラは死んだ」ことにしました。そしてクルエラはバロネスの屋敷と財産の全てを引き継ぎ、ジャスパー、ホーレス、ジョン、バディ、そして3匹のダルメシアンと共に新たなる野望に向かって歩き出しました。
以上、映画「クルエラ」のあらすじと結末でした。
「クルエラ」感想・レビュー
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ディズニー映画の101匹わんちゃんに出てくるヴィランのクルエラ。この映画はそのクルエラ視点のクルエラが主役の映画です。映像美も含め、ファッションなんかも見どころ満載で楽しいしかっこいい。おすすめです。
巻き込んでいく疾走感・ぶっこんでいくサクセスパートからの神出鬼没・そしてエッジの効いた復讐劇。何もかもが速すぎる流れのまま流れていく映画でした。この駆け抜け感がとてもたまりません。爽快感を求めている方におすすめしたい映画です。