映画「ダーク・プレイス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ダーク・プレイスの紹介：2015年イギリス,フランス,アメリカ映画。一家惨殺事件で生き残った少女リビー。彼女の証言によって兄ベンが逮捕されますが、28年後知られざる事件の真相が浮かび上がってきます。家族を殺害したのは一体誰だったのか。シャーリーズ・セロン主演のサスペンス映画です。
監督：ジル・パケ＝ブレネール 出演者：シャーリーズ・セロン(リビー・デイ)、ニコラス・ホルト(ライル)、クロエ・グレース・モレッツ(少女時代のディオンドラ)、クリスティーナ・ヘンドリックス(パティ・デイ)、コリー・ストール(ベン・デイ)ほか
この解説記事には映画「ダーク・プレイス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1985年のカンザス州で一家が惨殺されるという事件が起きます。奇跡的に生き残ったのが当時8歳だったリビー・デイ。遺児となった彼女はこれまで定職も持たず寄付金を頼りに生活してきましたが、事件から三十年近くが経ち、資金もついに底を付いてしまいます。困り果てたリビーに代理人のジムが一通の手紙を渡します。そこには会合に出席してくれれば、謝礼として500ドルを渡すと書かれていました。リビーは差出人のライル・ワースと連絡を取り、早速会いにいきます。ライルは殺人に興味を持つ者らが集まる殺人クラブで会計係を務めている青年でした。リビーは謝礼を受け取るかわりに、事件の詳細について会合で語ることを約束します。そして事件の謎を解明しようと集まった会員達の前で忘れようとしてきた過去の忌まわしい記憶を呼び起こしていきます。
幼きリビーは農場を営む母パティと二人の姉ミシェルとデビ―、兄のベンと五人で貧しい暮らしを送っていました。そして1985年のある夜母と姉二人が自宅で殺害されます。部屋から逃げ出して無事だったリビーはその後警察から誘導尋問される形で犯人がベンだと証言します。ベンを犯人と断定できる証拠はありませんでしたが、悪魔を崇拝しているという噂やアリバイがなかったことが決め手となり逮捕されました。ベンは今も殺人の罪で服役していますが、ライルらクラブに集まった者達は皆彼は無実であり、真犯人は他にいると考えていました。さらにはベンの釈放を要求するための証拠を探しており、リビーにも証言を撤回してほしいと迫ります。彼らがベンの無実を証明しようとする活動家の集まりだと知り、騙されたと感じたリビーは途中で会合を退席してしまいます。しかしリビーには当面の生活費が必要であり、ライルからさらなる金銭を受け取る代わりに協力に応じることにしたのでした。ベンに面会するため刑務所を訪れたリビーは、兄のあまりの変貌ぶりに驚きます。内向的かつ反抗的な少年だったベンは妹が面会に来てくれたことを心から喜んでいる様子で、リビーに優しく接します。ベンは家族を殺していないと訴えますが、リビーは依然として兄を信じることはできません。無実ならば何故これまで上告しなかったのだとベンを責めてしまうのでした。
ライルから事件の調査資料を渡されたリビーは、ベンが近所に住む少女達に性的な悪戯をしたといういわれのない疑惑をかけられていたことを知ります。この疑惑はベンに淡い恋心を抱いていた少女クリシーによってでっち上げられた嘘でしたが、小さな町の中でベンの悪評はたちまち広まっていったのでした。リビーは離別して久しく会っていない父テラーやベンが親しくしていた青年トレイにも連絡を取り、当時のベンについて知っていることはないか尋ねます。するとベンには悪魔崇拝に心酔するディオンドラという恋人がいたこと、さらに彼女がベンの子供を身籠っていたことが明らかになってきます。リビーは事件後名前を変えて暮らしてきたディオンドラの自宅を突きとめます。そして家を訪問すると彼女はベンとの間の娘クリスタルと二人暮らしをしていました。ディオンドラはリビーに事件のあったあの日ベンと家出をする約束をしたものの彼は現れなかったと語り始めます。少女への性的暴行の疑いでベンが逮捕されるのも時間の問題で、二人には街を出ていくほか道はありませんでした。一方農場の経営難から家が差し押さえられ、ベンのために弁護士を雇う金を捻出しなければならなかったパティは頼れる人もおらず困り果てていました。そんな彼女の弱みにつけこんだのが住宅局の破産管理人ディールでした。死亡保険金があれば子供達が救われるというディールの言葉に突き動かされたパティは自殺の手助けをしてもらう契約を交わしてしまいます。そして事件の日の深夜、ディールは計画を実行するためリビーの家に侵入します。リビーはライルからの電話で事件の真犯人がディールであり、彼がこれまで50人もの嘱託殺人を行った連続殺人犯だと知らされます。
リビーはライルに迎えに来て欲しいと告げ、ディオンドラの家を後にしようとしますが、ディオンドラから警察に自分や娘のことは黙っていて欲しいと告げられます。共犯者だと思われては困ると怯えた表情を見せるディオンドラにリビーはあの晩家にいたのではないかと迫ります。しかしその直後背後からクリスタルに襲われ、その場にうずくまってしまうのでした。事件が起こった夜ディオンドラは町を出るための金を盗み出そうとベンとともに彼の部屋に潜んでいました。しかしすぐにミシェルに気づかれてしまいます。元々ミシェルと不仲だったディオンドラは計画を台無しにされたことに逆上し、騒ぎ出すミシェルの首を絞めはじめます。ベンがディオンドラを止めようと格闘する中、デビ―は助けを求めようと部屋を飛び出して行きますが、そこでディールに胸を刺され瀕死の状態のパティを目撃してしまいます。顔を見られてしまったディールはデビーとパティを銃殺し、ディオンドラはミシェルを絞殺してしまうのでした。リビーを窓から外へ逃し、隠れるように指示したのはベンでした。家族を次々と殺害されながらもベンはリビーを守り切り、身重のディオンドラを庇ってすべての罪を被ったのでした。その後リビーはライルに無事助け出されました。ディオンドラがミシェルを殺害した容疑で逮捕されると、ベンの無実も認められ釈放されることになりました。自らの命と引き換えに子供達を救おうとした母や自分を守ってくれたベン、家族の愛に包まれてきたことに気づいたリビーは普通の人生を取り戻すべく前を向いて歩いていこうとしていくのでした。
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