ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式の紹介:2007年アメリカ,ドイツ,イギリス,オランダ映画。厳粛な葬儀の場で繰り広げられる大騒動を描くコメディ作品。父エドワードの葬儀が迫る中、長男で作家志望のダニエルは暗い気持ちを抱えていた。引越しを巡って妻ジェーンとは折り合いがつかず、作家として大成功を果たした弟ロバートとの再会にも気分が沈む。一方ダニエルの従妹マーサは婚約者サイモンを父ヴィクターに紹介しなければならず、そのことで頭がいっぱいだった。サイモンはマーサの弟トロイが持っていた幻覚誘発剤を誤って服用し、どんどん錯乱していく。そんな中、ハウエルズ家にエドワードの秘密を握る男性が現れた。
監督:フランク・オズ 出演者:マシュー・マクファディン(ダニエル)、キーリー・ホーズ(ジェーン)、アンディ・ナイマン(ハワード)、ユエン・ブレムナー(ジャスティン)、デイジー・ドノヴァン(マーサ)ほか
映画「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式の予告編 動画
映画「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」解説
この解説記事には映画「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式のネタバレあらすじ:それぞれの事情
父エドワードを亡くした長男ダニエルは、暗い気持ちで葬儀の日を迎えていました。ダニエルは小説を執筆していますが上手くいかず、一方で弟ロバートはヒット作を連発している大作家です。弔問客は皆ロバートの弔辞を期待しており、任されたのがダニエルだと知るとがっかりしていました。母サンドラはダニエルの妻ジェーンに好意的でなく、献身的なジェーンも苛立ちを募らせています。
夫妻は葬儀が終わったら家を出てアパートへ引っ越す計画を立てていました。計画に積極的なジェーンは、早く敷金を収めるようダニエルを急かします。弔問客もそれぞれ悩みを抱えていました。ダニエルの従妹マーサは、婚約者のサイモンを父ヴィクターに紹介することで頭がいっぱいです。誠実で気の弱いサイモンは、厳しいヴィクターを恐れ気が滅入っていました。
マーサは道中、弟トロイを迎えに寄ります。トロイは薬学部の学生で、こっそり強力な幻覚誘発剤を作って精神安定剤の瓶に入れていました。そうとは知らず、緊張するサイモンを心配したマーサが安定剤だと誤解して服用させてしまいます。マーサの運転でハウエルズ家に向かう中、サイモンの様子はどんどんおかしくなっていきました。
一方、一度だけマーサと関係を持ったことのあるジャスティンは、彼女を忘れられず葬儀に参列することにします。同行者のハワードはかなり神経質で、ダニエルから頼まれて渋々伯父アルフィを迎えに向かいました。アルフィは車椅子に乗っており、かなり気難しい人物です。到着が遅れたハワード達は案の定怒鳴り散らされました。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式のネタバレあらすじ:的中した不安
ニューヨークに住んでいるロバートがハウエルズ家に到着します。ダニエルから引越しの話を聞いた彼は、サンドラのことはどうするのかと尋ねました。ニューヨークに連れて行ってはどうかとダニエルが言うと、ロバートはとんでもないと言わんばかりの反応です。更にロバートは葬儀代を出すつもりも無いようで、敷金を用意しなければならないダニエルは頭を抱えました。
ハウエルズ家に到着したサイモンはいよいよおかしな様子です。マーサが精神安定剤を飲ませたと知ったトロイは、瓶の中身は幻覚誘発剤だったと白状しました。姉弟は狼狽しますが、とにかくサイモンを見張ることにします。ジャスティンがマーサに声を掛けますが、それどころではないと相手にして貰えません。ハワードは汗だくになってアルフィの車椅子を押し、何とかハウエルズ家に到着しました。
15時には帰りたい司祭に急かされ、エドワードの葬儀が始まります。厳粛な空気の中、ダニエルが弔辞に立ちました。しかしあまりにも感動の無い内容に、弔問客は落胆の表情を見せます。すると途中でサイモンが突然立ち上がり、「棺が動いてるんだ!」と叫び出しました。止めようとするマーサを振り切り、サイモンは暴れ回って棺をひっくり返してしまいます。
サンドラが錯乱状態になり、葬儀は一時中断することに。マーサとトロイは急いで庭へサイモンを連れ出します。真実を打ち明けられたサイモンは、激高してトロイに掴みかかりました。その拍子に、トロイのポケットに入っていた薬の瓶が落ちてしまいます。マーサは吐き気を訴えるサイモンを慌てて2階のトイレへ連れて行きました。トイレに立てこもったサイモンは大声で喚きます。トロイは瓶を落としたことに気付き、慌てて探し始めました。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式のネタバレあらすじ:エドワードの秘密
一方、ダニエルは見知らぬ弔問客に声をかけられます。ピーターと名乗ったその男性は、静かなところで話がしたいと言いました。ダニエルは不思議に思いながらも書斎へ案内します。そこでピーターが明かしたエドワードの秘密は、とんでもないものでした。エドワードは、実はゲイだったのです。ピーターは彼の愛人であり、その証拠写真も持っていました。
ピーターは愛人だった自分にも遺産を相続する権利があるはずだと主張し、受け入れられない場合は写真を弔問客にばら撒くと脅します。パニックになったダニエルはロバートに相談しました。とにかく金を払おうということになり、2人で書斎へ戻ります。仕方なく希望額の小切手を用意するダニエル。すると、書斎に置いてあったダニエルの小説原稿を読んだピーターは、気の毒そうな顔をしました。そして文才が無い、努力の問題ではないと言い出します。
一方でロバートの新刊は絶賛しました。その言葉に苛立ちを爆発させたダニエルは、小切手を破り勝手にしろと叫びます。慌てたロバートはピーターを羽交い締めにし、ダニエルに指示して縛り上げました。そこにハワードがやって来ます。ダニエルはピーターが痙攣の発作を起こしているのだと嘘をつきました。
ハワードは庭で拾ったトロイの薬を出し、精神安定剤だと思い込んで5錠もピーターに飲ませてしまいます。そこにトロイまでやって来たので、兄弟は事情を説明しました。トロイは狼狽し、瓶の中身は幻覚誘発剤だと白状します。どんどん深刻化する事態に慌てるダニエル達。サンドラに呼ばれた兄弟は、ハワードとトロイを見張りにつけ一旦書斎から出て行きます。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式のネタバレあらすじ:悪化する状況
ハワードとトロイが頭を悩ませていると、今度はトイレを貸せとアルフィがやって来ました。とりあえずトロイはピーターを連れてカウチの裏に隠れます。ハワードは嫌々アルフィのトイレを手伝いました。トロイが目を離した隙に、薬の影響が出始めたピーターはカウチで跳ね回ります。そして机に強く頭を打ち、倒れてしまいました。ピーターの体を揺すったトロイは「死んでる」と口にします。
一方、兄弟はピーターをどう黙らせるかでもめていました。ダニエルは積年の不満が噴出し、両親の面倒も見ず海外で遊び暮らしているロバートを批難します。ロバートも、ダニエルは自分の才能に嫉妬しているのだと怒鳴り返しました。そこへジェーンがやって来て、葬儀の日に喧嘩している兄弟を叱ります。ダニエルは仕方なく、彼女にもエドワードの秘密について明かしました。ジェーンもあまりのことに驚きを隠せません。
そこへハワードがやって来て、兄弟を書斎に連れて行きました。ピーターの遺体を見た2人はパニックに陥り、とにかく隠そうとアルフィがいるトイレのドアを開けてしまいます。慌てて閉めたものの、しっかり目撃されてしまいました。どうするか悩んだダニエル達は、ピーターの遺体をエドワードの棺に隠し、そのまま埋葬してしまう計画を立てます。
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式の結末:大団円?
ジャスティンはしつこくマーサに絡み、嫌がる彼女に無理やりキスをしました。ジャスティンが窓の向こうを見ると、全裸で屋根の上に出ているサイモンと目が合います。サイモンはトイレの窓から外に出て、裸になって遊んでいたのです。2人のキスシーンにショックを受けたサイモンは、飛び降りてやると騒ぎながら屋根をどんどん登っていきました。
その騒ぎに弔問客も気付き、皆庭に出て来ます。その隙に、ダニエルとロバートはピーターの遺体を棺の中に隠しました。サイモンを追いかけたマーサは、「子供ができたの」と語りかけます。サイモンは驚きと喜びに包まれ、マーサにキスをしました。サイモンがマーサの妊娠を報告すると、弔問客から拍手起こります。
マーサがサイモンを連れてトイレに戻ると、激怒したヴィクターが現れ別れろと命令しました。しかしマーサははっきりと拒絶し、自分の意志でサイモンと結婚する人生を選ぶと言い放ちます。マーサの妊娠を知り、ジャスティンもようやく彼女を諦めました。
時間に追われる司祭に急かされ、葬儀が再開されます。ダニエルが弔辞に立つと、棺の中から音がしました。皆が顔を見合わせていると、棺の中からピーターが飛び出します。彼は生きていたのです。ロバートがピーターを担ぎあげ、家から放り出そうとしました。その時、例の証拠写真が落ち、夫の秘密を知ってしまったサンドラが激怒してピーターに掴みかかります。
葬儀は取り返しのつかない大騒ぎに飲み込まれようとしていました。その時、ダニエルが「父は偉大でした!」と叫びます。皆驚いて動きを止め、彼の方を見ました。ダニエルは必死に言葉を紡いでいきます。エドワードは完璧ではないが善人であり、家族を愛していたこと。密かな趣味があったかも知れないこと。大事なのは結果ではなく努力。道を示すのは親でも選ぶのは子供自身。愛情深かった、父本来の姿を覚えていて欲しいと語り、ダニエルは弔辞を終えます。彼の言葉は、弔問客それぞれの心に強く響きました。
その夜、やっと落ちついた家で兄弟が語り合います。ロバートはダニエルの弔辞を褒め、ダニエルは今度自分の小説を読んでみて欲しいと言いました。そこへ疲労しつつも明るい顔をしたジェーンがやって来ます。アルフィがまだ死体を見たと騒いでいるので、今夜は家に泊めると言いました。アルフィには精神安定剤を服用させたので大丈夫だと笑うジェーン。それを聞いて兄弟はぎょっとします。
屋根の上に裸で座り込むアルフィの背中を映し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」のあらすじと結末でした。
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