返校 言葉が消えた日の紹介:2019年台湾映画。台湾で大ヒットしたホラーゲームを実写化したものが本作です。一党独裁体制だった1960年代に起こった出来事を学校に閉じ込められた生徒が目の当たりにし、その真実を知っていくという話。普通のホラーとは一味違う展開が話を面白くしてくれます。
監督:ジョン・スー 出演:ワン・ジン(ファン・レイシン)、ツォン・ジンファ(ウェイ・ジョンティン)、フー・モンボー(チャン・ミンホイ)、チョイ・シーワン(イン・ツイハン)、リー・グァンイー(ホアン・ウェンション)、パン・チンユー(ヨウ・ションジエ)、チュウ・ホンジャン(バイ教官)、ほか
映画「返校 言葉が消えた日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「返校 言葉が消えた日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
返校 言葉が消えた日の予告編 動画
映画「返校 言葉が消えた日」解説
この解説記事には映画「返校 言葉が消えた日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
返校 言葉が消えた日のネタバレあらすじ:起
高校生のアソンは校門で待つ教官に持ち物検査をさせられそうになります。友人のウェイの機転により、見つかりたくないものは見つからずに済みました。
アソンが隠していたものは本でした。放課後、人目を忍んで倉庫にやってきたウェイは音楽教師のインと数人の生徒で発禁本とされる本を読んでいたのです。
1962年当時、自由な思想が書かれた書物を読むことは禁じられていました。もし読んだ者は死刑とされる。
ウェイは拷問を受けています。ウェイは少しも口を割らず拷問に耐えていました。
返校 言葉が消えた日のネタバレあらすじ:承・悪夢
場面は過去に戻ります。
誰もいない教室で目を覚ましたファン。ろうそくに火をつけ教室を出ると、女の子の泣き声が聞こえてきました。恐ろしくなり逃げ出そうとするファンの前に、美術教師のチャンが現れました。チャンは講堂の中に入っていきます。
やっとの思いで講堂に入ったファン、舞台には台湾の国旗と蒋介石総統の肖像画がかかっており、「国は君に感謝している」との声が聞こえます。そして首を吊りぶら下がる少女と拍手をする生徒たち。驚くファンの背後からドアを開け、ウェイが入ってきました…
ファンとウェイは教室で目覚めました。いつの間にか他の生徒は帰り、二人だけになっています。出ていけというチャンの忠告を無視して職員室に向かう二人、外は嵐のため容易に帰れそうにありません。
秘密読書会の一員だったウェイは読書会で使っていた倉庫に行くための鍵をもらうため管理人の部屋に向かいます。職員室や廊下には気味の悪い張り紙が貼られていました。
管理人室にやってきた二人、管理人に話しかけると管理人は言われのない事で拷問された身の潔白を証明せねばとウェイに襲いかかろうとしてきました。顔の半分を失っている管理人が追いかけてきます。
どうにか振り切り、ある部屋に隠れた二人。鍵穴から覗いてみるとそこには軍服を着た怪物がいました。怪物は管理人を見つけると、スパイは通報せねばと管理人の首を折り処分してしまいます。
恐ろしいものを目撃してしまいましたが、怪物がいなくなったのを見計らうと二人は倉庫に向かいました。そこでウェイは秘密の読書会の発案者はチャンだということを話します。
翌朝、朝礼の最中に軍が乱入してきます。怯える生徒達をよそに読書会のメンバーである先生が連れて行かれ暴力を受けています。ウェイ達はそれをただ見ている事しか出来ませんでした。放課後の読書会でウェイは、不安がる他のメンバーに絶対に口を割らないと誓います。
倉庫に向かうウェイがファンとぶつかり教科書を落としてしまいます。その際にうっかり禁書を見られてしまいますが、ファンは知らない振りしてくれました。
返校 言葉が消えた日のネタバレあらすじ:転・密告者
そんなことをウェイとファンは思い出していました。そして二人は森で読書会のメンバーであるウォンが禁書を破って燃やしているのを目撃します。同じく読書会のメンバーであるアソンが密告したからだと話すウォン。
ウェイがウォンを宥めていると、背後から怪物が現れウォンを殺してしまいます。罪を受けなければならないと呟きながら怪物はウェイ達を追いかけます。
ウェイとファンは時々読書会をしていた防空壕に逃げ込みました。するとそこにいたインや生徒達がファンが密告者だと騒ぎ出します。違う私じゃない!そう叫びながらファンは飛び出していきました。
話はファンの過去に戻ります。
両親の不仲に悩んでいたファン。ファンは自分にだけ優しいチャンに恋心を抱いていました。次第に外で会うようになりチャンとの時間を楽しむようになったファン、しかしある日、母親の通報がきっかけで父親が逮捕されてしまいます。
ショックを受けたファンはチャンの元に向かいます。チャンに優しく慰められたファンは落ち着きを取り戻しますが、後にチャンとインが付き合っていてインからチャンがファンとの関係を終わらせるようにとの言葉をファンが耳にします。
その後、チャンがファンに対し冷たい態度をとるようになったことから全てを察し、チャンからもらった鹿のネックレスを返すと、ある感情が芽生えてきます。インに対する嫉妬と憎しみの気持ち、それは奇しくも母親が父親に対して持った気持ちと同じだったのです。
返校 言葉が消えた日の結末:生き残った者
ファンはインの事を密告することにしました。しかしその事でインだけでなく同じく読書会に参加していたチャンまで連行される事になります。ファンはチャンが読書会に絡んでいる事を知らなかったのです。
インは殺されてしまい、チャンはファンに最後まで生き残りなさいと言い残し、銃殺されてしまいます。自らが引き起こした結末に耐えられなくなったファンは講堂で首を吊ります。あの日、講堂で見た『首を吊った少女』は自分自身だったのです。
目覚めて全ての記憶を取り戻したファンは、横にいたチャンに謝ります。チャンは、ファンは悪くない、利用されただけだと話すと、ウェイを助けてやろうと提案しました。
その頃、ウェイは憲兵に捕まり拷問を受けていました。吊るされていたウェイをファンは助け出します。講堂から逃げようとする二人、しかしファンは怪物に捕まってしまいました。
絶体絶命のファンが全ての罪を認め謝ると、怪物はファンを離し開放されました。そしてウェイを校門まで連れていくと、ファンはウェイを無理やり追い出し、「あなたは生き残って」と言い残して学校と共に消えてしまいました。
こうして厳しい拷問に耐え自白を拒否したウェイだけが銃殺刑を逃れる事が出来ました。しかし15年の懲役を言い渡され刑務所に入る事になります。
長い懲役を終え、出所することになったウェイは、チャンの墓参りにやってきます。そして自分の母校が取り壊される事を知り、解体前の母校を訪れる事にしました。
刑務所でチャンがファンに渡そうとしていた手紙があることを思い出したウェイは、その手紙を手に入れ母校にやってきます。教室にやってきてファンの机に座ると、ファンが現れて向かい合わせに座ります。
ウェイはチャンから託された手紙をそっと渡します。手紙には、近世では縁がなかったけど来世では一緒になろうと綴られていました。一緒に返したはずの鹿のネックレスが入っていた事に気づいたファンは泣きながらネックレスをつけると、ウェイを見て微笑みました。
以上、映画「返校 言葉が消えた日」のあらすじと結末でした。
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