ドラえもん のび太の創世日記の紹介:1995年日本映画。夏休みの自由研究で作られた世界では、地底で独自の進化を遂げた昆虫族が地上世界を取り戻すため、地上人に戦いの準備を進めていた。のび太達は彼らを説得し、戦争を食い止めることはできるのか・・・
監督:芝山努 原作:藤子・F・不二雄 声優:大山のぶ代(ドラえもん)、小原乃梨子(のび太)、野村道子(しずか)、肝付兼太(スネ夫)、たてかべ和也(ジャイアン)、ほか
映画「ドラえもん のび太の創世日記」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ドラえもん のび太の創世日記」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ドラえもん のび太の創世日記」解説
この解説記事には映画「ドラえもん のび太の創世日記」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ドラえもん のび太の創世日記のネタバレあらすじ
夏休みの自由研究が全く手付かずののび太、仕方なくドラえもんが「創世セット」を未来デパートから仕入れます。色々トラブルがあったものの、何とか生命の育ちそうな惑星を作り上げるのび太、その頃同じく何もできていないジャイアンが共同研究にしてもらおうと野比家を訪ねる途中、怪しげな光が裏山へ降りるのを目にします。正体は蟷螂のような怪人で、ジャイアンを追跡するもタイムパトロールの気配を嗅ぎ取ったため退却していきます。
UFOカメラで観察するのび太、惑星では最初の雨が降っていることが分かり観察日記にまとめるも、表現力のなさをドラえもんに指摘されてしまいます。そこへジャイアンから電話が、ドラえもんが変わりに応対しのび太は不在と告げます。
一面海となった惑星、のび太がセットの杖でショックを与えると原始生命が誕生します。目まぐるしく進化して賑やかになる海、様子を確かめに2人は星へ降り立ちます。地上には草木が生え虫もたくさんいますが、虫ばかりの世界は嫌だとごねるのび太、そこでドラえもんが古代の魚「ユースノプテロン」を釣り上げ「進化退化放射線源」を照射、再び海に放ちます。
再び自室からUFOカメラで観察すると、両生類が現れて陸に上がり、続いて恐竜が地上を支配します。観察日記のクォリティの低さを再度指摘されるのび太、その時惑星で大爆発が起こります。恐竜世界を訪れた帰りに見かけた小惑星がぶつかってしまい、全ての恐竜が滅びてしまいます。泣き出すのび太、しかしドラえもんはそれが進化の歴史だと諭します。
執拗に訪ねてくるジャイアン、お詫びと称して漫画を強引に押し付けます。それを返そうとタケコプターで追いかけるもうっかり手が滑り、通りかかりのトラックの荷台に落としてしまったドラえもん、その後、その漫画がスネ夫のものであったことが分かり、弱みができたことで仕方なく2人を仲間に入れることに。納得いかないのび太、それなら・・・と4人目の神様として静香を誘います。
惑星に降り立つ一同、着いてすぐ猛吹雪に見舞われてしまいます。太陽が本来より僅かに小さいため、思ったよりも多くの場所が氷河に覆われている中さらに南へ、夜に森の中で焚き火する原始人の子供3人を発見します。森の奥から響く不気味な唸り声を聞き、ご先祖が話していた怪物について思い出し、焚き火を大きくしようと薪を集める3人、ドラえもんが「木材磁石」で協力します。
翌朝、帰り道が分からなくなっている様子に、ドラえもんが「伝書バット」を出し、のび太が3人のうちの1人、ノンビに渡しに行きます。半信半疑の中バットに引っ張られていくも無事森を脱出します。そこでマンモスの子供を発見、お土産がてら捕まえようとしますが、すぐ近くにいた親に見つかり追いかけられる3人、ドラえもんが出した「踊りロボット」のおかげで何とかやり過ごします。その後、村に戻った3人は皆に神様のことを話しています。
部屋に戻り観察日記を仕上げる一同、絵はスネ夫が文章は静香が担当します。その後、帰り道で出会った同級生に自由研究で凄いことしていると豪語するジャイアン、その話を木の上に隠れていた怪人達に聞かれてしまいます。
翌日、ジャイアン・スネ夫が来ないまま再び惑星へと向かうのび太達、ノンビの時代から2万年程経過しています。現実世界の日本に似た島に降り立ち、田んぼはあるが出来は良くないことを確認します。近くの村を調べてみるとヒメミコと呼ばれる呪術師が儀式をしており、神が生贄を求めていると適当なことを言っていることにのび太は納得いきません。
生贄を決めるため放たれた御神矢はドラえもんが「芭蕉扇」で吹き飛ばしますが、村の一隊がその方角に向かって出かけていきます。先回りしてみると一軒の家の屋根に突き刺さっておりすぐに引き抜こうとするのび太、しかしドラえもんは生贄を求める白神様なるものの正体を暴くためとして止めます。
白神様が住むとされる山奥の洞窟にやって来た村の一隊、ヒメミコが不気味な呪文を唱えた後、一人の見張り兵士ノビ彦を残して村へ帰っていきます。少し待つと奥から不気味な音がし、頭が2つある白いムカデのような化物が現れます。のび太とドラえもんが応戦するも、全く歯が立ちません。しかし様子を見ていた静香のアドバイスで化物の自滅を誘い、何とか追い払います。一方のノビ彦、翌朝生贄になっていた娘に嫁にもらってと一方的に迫られ、逃げていきます。
観察日記をまとめ帰宅する静香、のび太はお尻に痛みを覚えたためドラえもんに調べてもらうと人間が造ったものではない小さな矢が刺さっていたことが分かります。惑星には他にも知的生命体が・・・と話し込む2人、とそこへスネ夫から電話が入り急に別荘に行くことが決まったと話します。のび太の呆れた様子をよそに電話を切るスネ夫、一緒に来ていたジャイアンと夜の海に泳ぎに行きますが、あの怪人達も付けてきていて2人の背後に迫っています。
翌日、再び3人で惑星へ向かいそれぞれ別の国を調査します。ノビ彦の子孫がどうなったか気になるのび太、「タイムテレビ」で追跡するとある都にいることが判明、早速降り立ちます。しかし、子孫の野比奈は相変わらずの役回り、のび太はその様子にがっかりしています。山奥の自宅に帰っていく野比奈、何も買ってこられず妻に怒られるのが怖くて家の外をうろうろしているところで不思議な生き物と遭遇、「チュン子」と名付けて家に連れて帰り傷の手当てをします。
チュン子を可愛がっていた野比奈、しかし留守中に妻に見つかり追い出されてしまいます。探しに行くもどこに行ったかも分からず困り果てている様子、仕方なくのび太がいくつかの道具で手引きし、何とか見つけます。着いた先は一度入ったら二度と帰れないと噂される「帰らずの岩屋」、しかしそこではチュン子が世話になったお礼に盛大な宴が行われます。
たっぷりご馳走になり、帰ってきてお土産の葛篭を開ける野比奈、長者でも持っていないようなお宝がぎっしりと詰まっています。妻に対し生き物は大事にしなければならないと説く野比奈、その様子を見届けのび太は引き上げていきます。その頃、姫が行方不明になったことで都は大騒ぎ、軍隊が集められ山狩りが始まります。それに怒りを覚える「帰らずの岩屋」の住人、都の人間が信じる鬼を敢えて見せつけ退却させます。一方、姫は川辺で泣いているところを無事保護されます。
のび太の部屋で各々が見てきたことを発表し合う3人、その中でどの国でも地底世界のついての伝説があるという共通点に気づいたドラえもん、あの惑星には人間以外に進化した生物がいるのかもと思い始めます。
翌日、さらに1000年ほど先の時代へ降り立つ3人、既に自動車、鉄道が当たり前になるまで発展しています。野比奈の子孫を探すと「野美コンチェルン」の社長、のび秀が号外で出るほど話題になっている「南極の大穴」の調査の打ち合わせを出来松博士としており、費用は全て出す代わりに秘書の源しず代をメンバーに入れてほしいと頼みます。
飛行船へと乗り込む探検隊、3人も付いていきます。南極までは1週間はかかる模様、じれったいと思ったドラえもんは「ゴーゴーカザグルマ」で一気に飛ばします。その南極では各国の調査隊が駆け付け自国の領土にしようと躍起になっており、その様子にのび太は勝手なものだと呆れています。
強烈なブリザードの中に現れた神を名乗るものが現れ、自分が神だと宣言するのび太をよそにドラえもんが調べると無数の虫が集まり、幻覚を見せていることが分かります。光線を浴びせると虫たちは退散、同時に幻覚も消滅します。その後、問題の空洞についた飛行船、すぐにUFOに囲まれます。昆虫族の大統領が会談を望んでおり、代表者に降りてくるように言います。皆に心配される中、のび秀が向かいます。
代表者会談の最中地底世界の様子を探るのび太達、地上よりも遙かに進んだ文明に驚いています。とある公園に降り立つと、別荘にいるはずのジャイアン、スネ夫を見つけ更に驚きます。話によるとハチ人間ビタノという人物に大学の卒論の手伝いのため連れてこられたとのこと。そこへ現れたビタノと22世紀のロボット、エモドラン、自身の卒論のテーマである5億年前の「神のいたずら」について事情を聞こうとします。
遙か昔に奪われた地上の奪還のためであれば戦争もやむなしと全く退かない大統領、飛行船に戻ったのび秀はことの経緯を出来松博士達に話し、国賓としてここに残るか、滅ぼされるかの選択を迫られていると告げますが、最後まで地上人として行動することを決め、飛行船を浮上させます。やむを得ないと砲口を向け、爆撃を開始しようとする昆虫族の軍隊、そこへビタノ達が現れ、父である大統領にやめるよう説得します。
大統領に対しこの騒ぎの解決法を考えたと話すのび太、「創世セット」を丸ごとコピーし、まだ虫しかいない時代の惑星を再度作成したのです。ここへ理想の世界を作ることを決めた大統領、無事のび秀達は解放され地上に帰っていきます。
飛び去っていく飛行船を見送る一同、静香が観察日記をまとめることをのび太に話します。怠けていると新たに生まれた2つの世界のそっくりさん達に笑われると言われ、渋々重い腰を上げるのび太でありました。
ドラえもんの映画の中でも結構イカれた作品だと思う。
創世日記の中の生物が現実世界に飛び出してきた理由を考えると頭がこんがらがってくるし、映画のクライマックスで問題の解決方法も「それどーなん?」って感じがする。
しかも、この「創世日記」と言う道具は自由研究用の道具な訳で未来のたくさん子供達が夏休みの宿題のため宇宙を作っていると考えるとクラクラしてきます。
大人になって改めてこの映画の世界観を深く考えるとより面白い作品だと思います。