映画女優の紹介:1987年日本映画。新藤兼人の「小説・田中絹代」が原作。田中絹代の半生を描いた映画。絹代の代表作である「愛染かつら」や「浪花女」などが劇中劇として演じられ、上原謙と高田浩吉が本人役で出演しています。
監督:市川崑 出演:吉永小百合(田中絹代)、森光子(ヤエ)、横山道代(玉代)、石坂浩二(城都四郎)、渡辺徹(清光宏)、ほか
映画「映画女優」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「映画女優」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「映画女優」解説
この解説記事には映画「映画女優」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画女優のネタバレあらすじ:起
大正14年。女優を目指す少女、田中絹代は新人監督の清光宏の推薦もあり、鎌田撮影所の大部屋女優として採用されます。長兄が徴兵を拒否して行方不明になってからは一家の暮らしは困窮していたため、母のヤエ、姉の玉代、兄の晴二と洋三、伯父の源次郎までが関西から絹代の上京について行きます。絹代は行方不明の兄にも分かってもらえるよう、本名で女優になります。大部屋女優の給料は通常10~15円ですが、絹代は破格の50円。清光監督の作品で良い役をもらう絹代に、他の大部屋女優達は嫉妬しますが、絹代はものともせず邁進します。
映画女優のネタバレあらすじ:承
そんな絹代を見て、五生平之助監督は、蒲田撮影所所長の城都を説得、「恥ずかしい夢」の主役に絹代を抜擢。自分が発掘した新人をライバルに奪われたかたちの清光は嫉妬もあり、絹代に強引に迫り、絹代と清光はいつしか愛し合うようになります。絹代に女優を引退させないために城都は試験結婚を提案、絹代と清光は2年間の同棲生活に入りますが、清光の女癖の悪さが発覚します。最後は清光が絹代に暴力を振るい、怒った絹代が座敷で放尿、2人の関係は終わります。
映画女優のネタバレあらすじ:転
絹代は一生結婚しないと決めます。小津安二郎監督の「大学は出たけれど」や、第1回トーキー作品の「マダムと女房」「伊豆の踊子」などヒットに恵まれ、野球選手と交際したりもします。その一方、姉は駆け落ち、撮影所を辞めた兄達は自堕落な生活を送り、そのうえ母ヤエも亡くなります。打ちのめされる絹代を、付き人として支える仲摩仙吉が励まします。昭和13年、「愛染かつら」が大ヒット。昭和15年、絹代は溝内健二監督「浪花女」の撮影のため、京都に向かいます。
映画女優の結末
溝内監督と絹代は、互いの映画に対する熱情から、激しくぶつかり合いながらも絹代は監督を尊敬し、監督も絹代の才能を認めます。昭和26年。絹代は再び溝内の映画に出るために、京都に向かいます。時代に順応できずに低迷している溝内は「西鶴一代女」に賭けていました。同じく絹代もすでに人気女優ではなく、ヒット作にも恵まれず、マスコミに老醜と書かれるようになっていました。互いを認め合う2人は、激しくぶつかり合いながら、映画を作り上げていきます。絹代は「この作品と心中するつもりの先生と心中しよう。」とメイクで老醜をもさらけ出し、体当たりの演技で挑むのでした。
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