恋におちての紹介:1984年アメリカ映画。クリスマスイブに書店で買い物をしていた建築家のフランクとイラストレーターのモリー。買った本が取り違えになったことがきっかけで互いに既婚者でありながら惹かれあった2人が、愛と裏切りの狭間で苦悩の末にたどり着いた結末までを描いた大人のラブ・ストーリー。
監督:ウール・グロスバード 出演:ロバート・デ・ニーロ(フランク)、メリル・ストリープ(モリー)、ハーヴェイ・カイテル(エド)、ダイアン・ウィースト(イザベル)、ほか
映画「恋におちて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋におちて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
恋におちての予告編 動画
映画「恋におちて」解説
この解説記事には映画「恋におちて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋におちてのネタバレあらすじ:起
クリスマスイブのマンハッタン。グランド・セントラル駅から出た通りではプレゼントを買う人々でにぎわっていた。
その通りにある書店で、イラストレーターのモリー(メリル・ストリープ)は夫にヨットの本を、建築家のフランク(ロバート・デ・ニーロ)は妻にガーデニングの本を購入するが、店内でぶつかった2人は落とした本を互いに間違えて持ち帰ったことに、クリスマスの朝になって気づく。
そしてその3か月後、フランクは自宅のあるダブズ・フェリー駅から職場に向かう通勤列車の中でモリーを偶然見かけ、グランド・セントラル駅で彼女に声をかけてクリスマスの珍事を笑い合い、フランクはその時のモリーに好印象を抱く。
職場の友人にも話すほど不思議に執着を見せる彼は、再び彼女に会いたい思いから、上司のヒューストンへの赴任話にも返事を躊躇する。
一方のモリーは、入院中の父親の看護のためアーズレイ駅からマンハッタンの病院に通っていた。その日病院の帰りにグランド・セントラル駅から列車に乗った彼女は待ち伏せしていたフランクと車内で再会する。モリーもまたフランクに好感を持っていたため、これからも同じ電車で会いたいという彼の提案を快く受け入れる。
恋におちてのネタバレあらすじ:承
次の日から2人は約束通り同じ電車でそれぞれの目的地へ通い始め、互いの家族の話などを交わし合う。そしてランチを共にしたり、フランクが建築中のビルをモリーに案内したりと、電車以外でも行動を共にするようになる。
フランクは妻アンと2人の子供と幸せな家庭を築いていた。モリーには医師の夫ブライアンがいるが1年前に生まれたばかりの子どもを亡くしていた。話をしているうちに、互いに家庭では得られない安らぎを感じた2人は、やがて惹かれ合うものの、それぞれ配偶者がいる身であることから気持ちを抑え、会うだけのプラトニックな関係が続く。
そんな中、父親の容態が悪化したという連絡を受け、激しく動揺したモリーは、夫ではなくフランクを頼る。そんな自分の気持ちに気づいた彼女はフランクにもう会うべきではないと告げるが、それを聞いたフランクもう気持ちを抑えることができず、愛を告白し初めてキスを交わす。
フランクはモリーと2人で過ごすためのアパートを用意、マンハッタンの書店で待ち合わせて向かったアパートの部屋で、2人は互いにたまりかねたように体を重ねようとするが、モリーはどうしても互いの配偶者を裏切る行為に身をゆだねることができなかった。
結局、何もないままに列車で帰宅の途につくが、明日も会いたいと言うフランクに、モリーはこのまま気持ちが強くなればお互いの家庭を壊してしまうと告げる。そして先に降りたフランクが、迎えに来ていた彼の妻子と共に帰って行く後ろ姿を、モリーは車窓から悲し気に見つめる。
そして自宅に帰り着いたモリーはブライアンから父親が亡くなったことを告げられる。
恋におちてのネタバレあらすじ:転
フランクはかつてから打診されていた、ヒューストンへの転勤を受け入れたとアンに話すが、このところフランクの様子がおかしいことに気付いていたアンに問い詰められたフランクは、モリーとのことを話す。「何もないんだ」と言い訳めいた夫の言葉に、アンは「プラトニックなほうがもっと悪い」と告げ、しばらく距離を置くと言って子供を連れて実家へ帰る。
モリーも父の死後、体調を崩して寝付いていた。ブライアンはそれが父の死が原因だと思っていたが、実際にはフランクへの愛が原因で、彼だけを心から愛していていることに気づきながらも結ばれない運命に苦悩していたのだった。
フランクはアパートで別れて以来会っていなかったモリーに電話を掛け、ヒューストンへ行く前に一目会いたいと告げる。それを聞いたモリーは雨の中、夫の静止を振り切って車でフランクのもとへと向かうが、途中でエンストしてしまい身動きが取れなくなる。
モリーが来ないことでフランクは再度電話するが、電話に出たブライアンから「会いたくないそうだ」と言われた彼はそれを信じてしまい、1人ヒューストンへと旅立つ。
恋におちての結末
そしてまた巡ってきたクリスマスイブの日、ニューヨークに戻っていたフランクは、渋滞につかまったタクシーの中からモリーと出会った書店を目にして思わず車を降りて店内に入る。書店にはモリーもまた訪れていて、2人は偶然の再会を果たす。
モリーはブライアンと離婚しており、フランクはアンと別居中のままだったが、2人ともそのことには触れず、軽く挨拶を交わし近況を短く語り合っただけで、店の前で別れ、そのまま別方向に歩き出す。しかし、少し歩いてフランクは思い直し、モリーを追ってグランド・セントラル駅へと走り出す。
いつもの列車に乗り込んだモリーは、フランクにもう一度会えた嬉しさと、何も言わず互いに別れたことの寂しさとを抱えながら、列車の戸口に立っていた。走り出した満員の列車の中で彼女は、隣の車両から満員の乗客ををかき分けてやってくるフランクに気づく。そして再び電車の中で出会ったフランクとモリーは、かたく抱きしめ合うのだった。
以上、映画「恋におちて」のあらすじと結末でした。
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