フルークの紹介:1995年アメリカ映画。事故死した男性が犬に生まれ変わり、遺された家族を守ろうと奮闘するファミリー・ドラマ。会社経営者のトムは夜道の交通事故で命を落とし、気付くと子犬に生まれ変わっていた。フルークと名付けられ、前世の記憶を取り戻した彼は遺された妻子のもとへ向かう。家族と過ごす幸せに包まれるフルーク。しかしある夜、事故の原因を作ったトムの友人ジェフが現れた。妻に言い寄るジェフに憎しみと嫉妬を募らせたフルークは、何とかして復讐しようとするのだが。別題は「愛犬フルーク/生まれかわったパパ」。
監督:カルロ・カルレイ 出演者:マシュー・モディーン(トーマス・P・ジョンソン)、エリック・ストルツ(ジェフ・ニューマン)、ナンシー・トラヴィス(キャロル)、サミュエル・L・ジャクソン(ランボーの声)、マックス・ポメランク(ブライアン)ほか
映画「フルーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フルーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フルークの予告編 動画
映画「フルーク」解説
この解説記事には映画「フルーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フルークのネタバレあらすじ:転生と前世の記憶
舞台はアメリカ。ジョンソン・ニューマン社の経営者トーマス・P・ジョンソン(愛称トム)は、夜の山道で共同経営者のジェフ・ニューマンと激しいカーチェイスを繰り広げていました。止まれと叫ぶトムの前に対向車が現れ、慌てて避けようとした車は崖下に転落。トムはその事故で命を落としてしまいます。彼の意識は光に包まれ、気付くと子犬に生まれ変わっていました。
保護センターから逃げ出した彼は路上生活を送る老女に拾われ、「フルーク」と名付けられます。愛情深く育てられたフルークでしたが、しばらくして老女は死亡してしまいました。1人きりになったフルークの前に現れたのは、ランボーという名前の犬です。驚くべきことに、ランボーはテレパシーを使ってフルークと話すことが出来ました。ランボーと一緒に行動するようになったフルークは、彼から町の歩き方を色々と教わります。
成犬になり充実した毎日を過ごしながら、フルークは時々断片的な記憶を思い出していました。美しい女性と幼い少年。女性に贈った指輪、結婚式。そして崖から転落する事故の記憶。それらを繋ぎ合わせ、ついにフルークは自分がかつてトムという人間だったことを思い出します。自由に語り合えるランボーもまた、元人間なのではないかと尋ねるフルーク。しかしランボーは答えず、前世の家族に拘るフルークに呆れて離れていってしまいました。
悲しむフルークは突然現れた男達に連れ去られ、化粧品会社の動物実験に使われてしまいます。そこにランボーが駆けつけフルークを助けてくれますが、逃げる際に銃撃されてしまいました。逃げ込んだ森の中で、ランボーは自分がかつて人間だったことを明かします。そして「きっとまた会えるさ」「次の命でな」と呟き、息を引き取りました。
フルークのネタバレあらすじ:家族との再会
悲しみに沈むフルークは家族を守るため走り始めます。走って走って走り続けて、ついに妻子の住むホープウェルにたどり着きました。フルークはまず、息子ブライアンが通っている小学校へ向かいます。校門付近でキョロキョロしていると、帰ろうとしているブライアンと妻キャロルを発見しました。フルークは急いで車に取り縋ります。
ブライアンは嬉しそうな声を上げますが、キャロルは突然現れたしつこい犬に辟易して、車を発進させました。しかしフルークは諦めず、結局自宅までついて行きます。ブライアンの希望とフルークの執念に根負けしたキャロルは、家で飼うことを許可しました。
フルークは言葉を話せない代わりに、体を使って目一杯の愛情を2人に伝えます。多忙だった前世ではなかなか過ごせなかった家族との時間。フルークはそれがどんなに大事なものだったのか噛み締めます。そしていつかどうにかして、2人に自分のことを伝えようと決意しました。キャロル達も、トムを思い出させるフルークの行動に心を癒されていきます。
フルークのネタバレあらすじ:憎しみと嫉妬
そんなある夜、ジョンソン家に思いがけない人物がやって来ました。トムが死ぬ原因を作った男、ジェフです。キャロル達の様子からも、彼が頻繁にジョンソン家に来ていることが窺えました。フルークは怒りを顕にしてジェフに襲い掛かります。キャロルとブライアンは、フルークの変貌ぶりに驚愕しました。結局フルークはジェフとキャロルによって外に追い出されてしまいます。
その夜は激しい雷雨になりました。ブライアンは傘もささずに庭に出て、フルークをこっそり家の中に入れます。キャロルはフルークの変貌について、自分達を守ろうとしたのだろうとジェフに説明していました。そして最近トムのことばかり考えると打ち明けます。ジェフは忘れようと言い、キャロルにキスをします。ジェフがキャロルに言い寄っていると知ったフルークは嫉妬に震えました。
翌日、ジェフを尾行してジョンソン・ニューマン社に侵入したフルーク。そこにキャロルから電話がかかってきます。ジェフが応対すると、ブライアンがいなくなったとのことでした。ブライアンは昨日の雨で熱を出していましたが、フルークがいないことに気付き外へ出てしまったようなのです。
日が沈んだ外は既に氷点下の寒さでした。パニック寸前のキャロルを宥めたジェフは、すぐに向かうと言って車に乗り込みます。しかし山道に差し掛かったところで、後部座席に潜んでいたフルークに襲われました。ジェフがハンドル操作を誤り、車は衝突事故を起こします。その衝撃でフルークは車外に投げ出されました。
フルークのネタバレあらすじ:真実の先の別れ
復讐を果たし、もはや命などどうでもいいと横たわるフルーク。すると突然頭の中に全ての記憶が蘇ります。
事故当夜、遅くまで仕事をしていたトムのオフィスにジェフがやって来ました。利益が前年度より落ちていると苛立つトムを、ジェフは優しい言葉で宥めようとします。利益ばかり追うのではなく、人助けになる仕事がしたいと会社を立ち上げた頃の気持ちを思い出せと。しかし意固地になっていたトムはその言葉を拒絶しました。怒りが収まらないトムは話にならないと帰ったジェフを追いかけ、あの事故を起こしたのです。
全てを思い出したフルークは、「全部自分のせいだ」と悟りました。事故直後、トムを助けようと必死に名前を叫んでいたジェフ。トムの死後も家族と会社を守ってくれていたジェフ。彼は本当にトムの親友でした。フルークは急いで車に向かい、傷だらけになったジェフの顔を舐めます。気が付いたジェフは、ブライアンを探してくれと呟きました。通りがかった車にジェフを任せたフルークは、雪の中ブライアンを探して走ります。やっと見つけた時、ブライアンはトムの墓の前で雪に埋もれていました。
フルークはキャロルが到着するまでブライアンに覆いかぶさり、懸命に温め続けます。到着したキャロルにブライアンを託し、フルークは別の方向へ走り出しました。その姿を、全てを理解したような表情でキャロルが見つめています。
フルークの結末:思いがけない再会
季節は春。フルークは1人きりで旅を続けていました。家族を愛するあまり彼らの幸せの邪魔をしていたと気付き、もうあの家にはいられないと分かったのです。どんな形であれ、命は愛し、慈しむべきものなのだと理解出来たフルーク。そんな彼に、思いがけない再会が待っていました。
今度はリスに転生したランボーが、フルークの前に現れたのです。フルークは声を弾ませて再会を喜びました。犬とリス、奇妙なコンビの物語はこれから始まっていきますが、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「フルーク」のあらすじと結末でした。
この作品、大昔に見て号泣した記憶があります。
また見たいと思いつつ探しても見つからなくて未だに探していました。
賛否両論分かれる内容なのかもしれませんが、私は動物モノの海外作品ではダントツです。