フォードvsフェラーリの紹介:2019年アメリカ映画。1960年代半ば。アメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社から途方もない仕事を請け負った2人の男、キャロル・シェルビーとケン・マイルズ。それはモータースポーツ界の頂点に君臨するイタリアのフェラーリを、ル・マン24時間耐久レースで打倒せよ、というほとんど不可能に近いミッションだったが、彼らは人生のすべてを捧げて勝利を追い求めた。実際にあったフォードとフェラーリの企業戦争の裏側と共に、情熱的に生きる男たちの生き様を描く。
監督: ジェームズ・マンゴールド 出演:マット・デイモン(キャロル・シェルビー)、クリスチャン・ベイル(ケン・マイルズ)、ジョン・バーンサル(リー・アイアコッカ)、カトリーナ・バルフ(モリー・マイルズ)、トレイシー・レッツ(ヘンリー・フォード2世)、ジョシュ・ルーカス(レオ・ビーブ)、ノア・ジュプ(ビーター・マイルズ)ほか
映画「フォードvsフェラーリ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フォードvsフェラーリ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フォードvsフェラーリの予告編 動画
映画「フォードvsフェラーリ」解説
この解説記事には映画「フォードvsフェラーリ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フォードvsフェラーリのネタバレあらすじ:起
1950年代後半。敏腕レーサーとして名前を馳せたキャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、心臓の異常が判明して引退を余儀なく迫られました。
しかし、その後はカー・デザイナーとして成功を収め、スポーツ・カー製造会社シェルビー・アメリカンを設立しました。
ある日のこと、シェルビーのもとにアメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社からマーケティング戦略を手掛ける切れ者リー・アイアコッカ(ジョン・バーンサル)がやってきて、思いがけないオファーを提案されました。
それはル・マン24時間耐久レースで、モータースポーツ界の頂点に君臨しているイタリアのフェラーリ社に勝てるレース・カーの開発をしてほしいという、途方もない無謀な依頼でした。
フォード社は経営難でした。会長のヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は、フェラーリに対抗心を燃やして買収計画を進めてきましたが、あと一歩のところで創業者のエンツォ・フェラーリと交渉決裂。エンツォの傲慢な態度に腹を立てたフォード2世は打倒フェラーリを誓い、シェルビーに白羽の矢を立てたのでした。
フォードの本気を感じ取ったシェルビー。この不可能とさえ思えるオファーを受諾することにしました。
フォードvsフェラーリのネタバレあらすじ:承
かつてル・マンにアストン・マーティンで参戦し、アメリカ人レーサーとして初めて優勝した経験を持つシェルビー。彼の胸の奥底には、今でもレース界への熱い思いが燻っていました。
しかし、次のル・マンまではわずか90日しか準備期間がありません。そこでシェルビーは真っ先に凄腕のイギリス人ドライバー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)を訪ねました。
自らが経営する自動車修理工場を国税局に差し押さえられ生活に困っていたマイルズは、妻モリー(カトリーナ・バルフ)と一人息子のビーター(ノア・ジュプ)に背中を押され、シェルビーの挑戦に加わることを決意しました。
フォードvsフェラーリのネタバレあらすじ:転
こうして史上最高のレーシング・カーを生み出すために、フォードGT40を大胆に改良。何度もテストを重ねていきました。
しかし、妥協を辞さないマイルズの激しい言動は次第にフォードのレーシング部門の責任者レオ・ビーブ(ジョシュ・ルーカス)の反感を買っていきます。
扱いづらいマイルズを除外しようとするビーブの思惑を察したシェルビーは、奇策でフォード2世に直談判。ミッションを達成するためには外すことは許されないマイルズを守ることに成功しました。
レースへの純粋な気持ちを共有するシェルビーとマイルズは、いつしか固い友情で結ばれていました。
フォードvsフェラーリの結末
いよいよ決戦の日。
マイルズが乗り込んだフォード1号車は、フェラーリとの壮絶なデッドヒートを繰り広げました。夜や雨を乗り越え、トップを走るのはマイルズ。そしてそこに続いて、2位3位もフォード社が独占していました。
ところがそこへ、ビーブからの命令が下されました。「ゴールまで減速し、3台同時にゴールせよ」と言うのです。理不尽な大企業の倫理に、マイルズとシェルビーは怒りがこみあげてきました。シェルビーはマイルズに言いました。「どうするか自分で決めろ」と。
いよいよゴールが見えてきました。それまでに加速し続け、記録更新を重ねてきたマイルズでしたが、なんと減速を始めたのです。2位3位の車も追いつき、ゴールは3台揃っての感動的なシーンで幕を閉じました。
しかし、表彰台を飾ったのは、ずっとマイルズより後ろを走っていたマクラーレンでした。より後ろからスタートしたためでした。まんまとビーブの思惑にはまってしまった2人は、背を向けて出ていきました。
その後も速い車を追求していく2人でしたが、危険な挑戦が理由でマイルズは命を落としてしまいました。
半年経っても深い喪失感から立ち直れずにいたシェルビーでしたが、マイルズの妻モリーと息子のピーターにあたたかく勇気をもらい、新たな明日に向かって出発していくのでした。
以上、映画「フォードvsフェラーリ」のあらすじと結末でした。
かつて名を知らしめたレーサーと自動車修理工場を営む凄腕ドライバーの、レースへの熱い思いに引き込まれていきました。レーシングカーのエンジン音がお腹に響き、スピード感が迫力でした。1位で走っていたマイルズが、フォード車3台の同時ゴールのために、スピードを落としていくシーンは虚しさが伝わります。