神々の深き欲望の紹介:1968年日本映画。今村昌平の代表作のひとつ。巫女の神託が重んじられる小さな島を舞台に、近代文明に呑み込まれていく神話的共同体の悲劇を鮮烈に描く。鞍馬天狗シリーズで一世を風靡した時代劇スター、嵐寛寿郎の演技が注目された。キネマ旬報ベストテンでは1位を獲得。
監督:今村昌平 出演:三國連太郎(太根吉)、北村和夫(刈谷)、河原崎長一郎(太亀太郎)、沖山秀子(太トリ子)、松井康子(太ウマ)、嵐寛寿郎(太山盛)、加藤嘉(竜立元)、扇千景(刈谷夫人)、ほか
映画「神々の深き欲望」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「神々の深き欲望」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「神々の深き欲望」解説
この解説記事には映画「神々の深き欲望」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
神々の深き欲望のネタバレあらすじ:起
南西諸島にあるクラゲ島では、アニミズム的な信仰が島民を支配しています。そこに住む太一家は家長である山盛が実の娘と関係したせいで「ケダモノの家」と呼ばれていました。
近親相姦の結果産まれてきた根吉はただですら肩身が狭い上に、密猟の罰として巨大な岩を埋める大きな穴を掘る羽目になり、20年間その作業に従事しています。その妹のウマは島の有力者竜立元の妾であり、同時に神と交わる巫女。しかし長年の間兄の根吉に恋愛感情を抱いていました。
そして根吉の息子である亀太郎はそんな原始的な生活にウンザリし、いつか島を抜け出したいと願っています。
神々の深き欲望のネタバレあらすじ:承
そんな亀太郎にとってチャンスが訪れます。この島の唯一の産業はサトウキビの栽培ですが、製糖会社の測量技師である刈谷が工場建設のための水源調査にやってきたのです。
竜の仲介でその助手となった彼は必死に仕事をしますが、刈谷の命令と島の古いしきたりの板挟みとなります。工場予定地の近くに水源を見つけた刈谷はそこを掘り進めようとするものの、神聖な土地であるために度重なる妨害を受けます。
その犯人を見つけようと見張っていた刈谷と亀太郎の前に現れたのは、根吉でした。刈谷の命令で亀太郎は父親の根吉を追いかけるのですが、こっそりと彼を逃してやります。
神々の深き欲望のネタバレあらすじ:転
慣れない島で1人暮らしをする刈谷を慰めようと竜は妾のウマを彼のもとに差し向けますが、会長の娘婿である刈谷は真面目な性格で、性的な誘いなど断ります。
ところが根吉の娘で亀太郎の妹であるトリ子と出会った彼はあっさりとその肉体の虜となり、仕事などそっちのけで太一家に入り浸ってしまうのです。トリ子は知的障害者ですが、刈谷へは献身的に尽くします。
やがて山盛が死に、竜はその土地を含めた空港建設の計画を着々と進めます。刈谷はそのための新会社の部長となり、義父も視察にやってくることになったので、のんびりとトリ子と過ごすわけにもいきません。トリ子はすっかり元気をなくします。
神々の深き欲望の結末
空港建設が本決まりになった頃、巨大な岩がようやく穴へ落ち、根吉はその作業から解放されます。竜はちょうどよいとばかりその土地を立ち退くように促すのですが、根吉はついに体の関係を持ったウマと住む気になっていて言うことを聞きません。
間もなく竜は急な発作で死亡。彼を殺したのは根吉だと誤解され、ウマと一緒に無人島に向かう途中の船の中で島の若い男たちに撲殺されます。
5年後、空港が出来、本土へ帰っていた刈谷が妻や義母を連れて再びクラゲ島を訪れます。彼らを乗せた機関車の運転手をやっていた亀太郎は、レールの上に少し前に亡くなったトリ子の幻影を見るのです。
以上、映画「神々の深き欲望」のあらすじと結末でした。
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