夫婦の紹介:1953年日本映画。井手俊郎と水木洋子の共同によるオリジナル脚本を巨匠成瀬巳喜男が映画化。『めし』『妻』と併せて「成瀬の夫婦もの」と称される。『妻』と同じように上原謙が覇気のない夫役を好演。クリスマスの街の様子が描かれるのが当時の邦画としては珍しい。
監督:成瀬巳喜男 出演:上原謙(中原伊作)、杉葉子(中原菊子)、三國連太郎(武村良太)、小林桂樹(早川茂吉)、藤原釜足(早川直吉)、滝花久子(早川たか)、岡田茉莉子(早川久美子)、豊島美智子(三島波子)、ほか
映画「夫婦」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夫婦」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「夫婦」解説
この解説記事には映画「夫婦」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夫婦のネタバレあらすじ:起
中原伊作と菊子の夫妻は5年ぶりに地方から東京へ戻ることになりました。2人は結婚して6年になりますが子供はいません。
結婚後しばらくしてから会社の都合で地方へ転勤し、今度ようやく戻ることが出来たのです。残務整理のある伊作を残して菊子が先に東京へ帰り、実家のうなぎ屋に居候しています。
伊作が帰ってきてからも居候を続けられればいいのですが、兄の茂吉が嫁をもらって菊子の部屋を新居にする予定なのでそうもいきません。菊子は早く間借りできる部屋を見つける必要がありました。
夫婦のネタバレあらすじ:承
残務整理を終え、伊作が東京に帰ってきました。夫婦は協力して部屋を探します。しかし住宅難の今の東京では条件の良い物件は中々ありません。
そんな時、妻を亡くして欠勤していた同僚の武村が久しぶりに出勤してきます。伊作は彼が一軒家に住んでいることを思い出し、その一間を貸してくれるように交渉します。
妻のことを考えながら孤独に暮らすつもりだった武村ですが、夫妻の苦境を知って渋々承諾します。伊作と菊子はホッとしてオート三輪に家財を積み込み、早速その家に引っ越しました。
夫婦のネタバレあらすじ:転
引っ越してくると武村は熱を出して寝込んでいます。部屋を貸してくれた恩もあり、菊子がその世話をすることになります。
彼女は武村の病気が治った後も食事などの家事を続け、いつか武村は菊子に好意をいだき始めます。菊子の方では特別な感情など示しはしませんが、伊作は気の合う2人の様子を見て勝手に嫉妬します。
その嫉妬があまりにうるさいので、菊子は大晦日に実家に逃げ帰ってしまいます。武村の家は居心地がよいのですが、このままでは夫婦の仲はこじれるばかりです。
夫婦の結末
やがて菊子の兄の結納が済みました。その義理の姉の紹介で空いた貸間のある家を見つけ、伊作と菊子は武村の家を出ます。
新しい住居に越して安堵したのもつかの間、菊子は自分が妊娠していることを知ります。本来なら喜ぶべき事ですが、その貸間の入居者は子供のいない家族に限っています。菊子は生むことを主張するものの、住宅難の現在では堕ろさざるを得ません。
伊作に付き添われて産婦人科へ向かう菊子ですが、途中で耐えられなくなって逃げてしまいます。その後を追った伊作は「なんとしてでも育てよう」と声をかけ、一緒に帰宅するのです。
以上、映画「夫婦」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する