激動の1750日の紹介:1990年日本映画。日本一の巨大組織『神岡組』は三代目の死後、四代目になる予定だった山辰が死去。そして代行となった川勝が四代目に立候補すると、若頭の時津を推す若竹らが反旗を翻し、三代目姐の力を借りて四代目の座を奪います。すると川勝らは組を飛び出し八矢会を結成し、記者会見を行います。実際に起きた暴力団史上最大の抗争事件『山一抗争』をリアルに描いた実録物でで、四代目襲名までは事実に基づいた内容で、分裂後は脚色を加えた物語に仕上がっています。
監督:中島貞夫 出演者:中井貴一(若竹正則)、中条きよし(成瀬勇)、加藤昌也(高市次郎)、有森也実(若竹美佐子)、中尾彬(岩間直秀)、品川隆二(兵頭七郎)、清水健太郎(竜野誠)、本田博太郎(伊達順治)、萩原健一(時津忠久)、志賀勝(塩崎昇)、趙方豪(南原幸一)、丹波哲郎(仁王顕正)、石立鉄男(本道高道)、火野正平(松永良介)、夏八木勲(川井勝司)、岡田茉莉子(神田ひろ子)、陣内孝則(力石竜二)、渡瀬恒彦(荒巻重信)ほか
映画「激動の1750日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「激動の1750日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
激動の1750日の予告編 動画
映画「激動の1750日」解説
この解説記事には映画「激動の1750日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
激動の1750日のネタバレあらすじ:起
構成員12000人を誇る日本一の暴力団組織・神岡組は、三代目の死去の後、跡目を継ぐはずの若頭・山地辰一が急死。山地の葬儀が終わると、川勝組組長の川井勝司が三代目代行、時津組組長の時津忠久が若頭となり、暫定体制が出来上がります。
その後すぐ、脱税容疑で時津が逮捕されると、川勝らの一派は根回しをした後、次回の定例会で川勝が4代目に立候補します。川勝は「異論がなければ四代目を継ぐ」と言います。80人以上の直系組長の多くが賛同する中、二代目山辰組を継いだ若竹正則が「若頭が収監中に決めるのはおかしい」と発言します。
すると成瀬も同調し、室内は怒号が飛び交います。数では絶対的有利の川勝は「入れ札にしてもいい」と言いますが、若手組長らから「四代目を入れ札で決めるのはおかしい」という意見が出ます。川勝は「まあいい、時津がでてきてから決めよう」と言ってその場を収めます。
一方、県警は、神岡組が跡目相続で内紛が続いている状況を見て、これを機に神岡組を壊滅させようと、影響力の強い三代目の妻の神田ひろ子を三代目姐と認定します。
そのころ若竹らは、時津を四代目にして、若頭を関矢にすべく根回しを始めます。そして若竹と成瀬は、ひろ子に会いに行きます。ひろ子は「親分は強くなければだめだ、あんたらの決めた人にしたらいい」と話します。
激動の1750日のネタバレあらすじ:承
川勝らはベテラン組長を中心にまとまり、若竹らがひろ子を担いで時津を四代目にしようという情報を共有し、引き締めを図ります。
やがて時津が出所しました。川勝らが労をねぎらった後、時津は若竹らと合流して話をします。そしてひろ子に会うと時津は「入れ札になったら勝ち目がないので、自分たちは組を出てやって行こうと思う」と言います。ひろ子は激怒し「入れ札は私がやらせない」と言います。
ひろ子は荒巻に会います。「時津に四代目をやらしてほしい」と頼みました。荒巻は「姐さんの頼みでもそれは出来ない。どうして川勝ではだめなのか?」と聞きます。「決断力のない川勝では組がもたない」と言うと、荒巻は「姐さんの口出しは必要ない、オレ達で決める」と言ってひろ子を追い帰します。
気分が悪くなったひろ子はそのまま入院し、川勝を病院に呼びます。そして「三代目の遺言です。ワシの跡は山辰、若頭は時津と言った」と言います。川勝は「死んで3年も経つのにそんな遺言は聞いたことがない、そこまで言うんなら組を出る」と言います。
事務所に戻った川勝は一派の組長らを集め、8人の血判を押した連名を作り『八矢会』を結成しました。この時点で組員7000人を擁す大組織になりました。一方、神岡組本家では定例会が行われ、時津の四代目が決まりました。この時点で神岡組は4000人と減っていました。
激動の1750日のネタバレあらすじ:転
川勝らは1週間後に記者会見を行い、正式に『八矢会』を立ち上げます。しかし副会長の岩間が、子分連中からの突き上げをくらい、若竹に相談すると「引退すれば、子分の竜野らを直系にしてやる」と言われ引退しました。そして四代目は襲名案内と称して、川勝らの絶縁状を関係各組に送りつけます。
若竹らの切り崩しが別府で起こります。八矢会側の組長を引退させ、新しく直系になった組員らを使って、組を分裂させ、親分の引退と引き換えに若い衆を直系にするというやり方でした。この好循環が続き、組員数が一気に減った八矢会では、川勝の側近の塩崎と信田が、荒巻組の力石を呼び出し、四代目暗殺計画を練っていました。ヒットマンとして元自衛官の松永らを集め、森で射撃訓練までやっていました。
そのころ八矢会の中枢の伊達が竜野らに拉致され、バーナーとチェーンソーで拷問を受け、川勝に引退を告げます。
ひろ子を見舞った時津と若竹らは、クラブで飲んでいました。時津が「愛人のマンションに行こう」と誘うと、若竹と成瀬は「人と会う約束がある」と言って、時津は若頭の関谷とボディガードの島中を連れ、マンションに向かいます。そのマンションには力石が引っ越しして、四代目を狙うアジトにしていました。
そして時津らがマンションにやって来ます。無線で連絡を受けた力石らはエレベーターに乗り込む時津らを襲撃しました。関矢、島中は即死、時津は島中組の車に乗り込むも、病院で死亡。病院に集まった復讐に燃える組員たちに、根岸が「今日は喪にふくせ」と命令します。
激動の1750日の結末
4日後、成瀬は若竹に、兵藤を代行にして若竹を若頭にする案を話します。「復讐が先だ」という若竹を説得し、定例会で承認されると、若竹は若頭として八矢会殲滅の指揮をとります。若竹の山辰組を中心に、新しく直系になった組長らの組が先頭に立って八矢会に襲撃を仕掛け続けます。
その頃、ひろ子が亡くなりました。最強と言われた荒巻組も、統制が取れなくなっていました。淡路島の本堂にかくまわれていた力石が、本堂の娘婿の南原組に見つかります。南原と力石は本堂のそれぞれ娘婿で親戚でした。しかし神岡組と八矢会として袂を分けた南原は、本堂と力石を狙います。本堂と力石は南原らに港に追い詰められ、射殺されました。
その後、各地で神岡組による襲撃が行われ、八矢会は川勝と荒巻を残すだけになります。荒巻は川勝に「腹をくくれ」と言うと、川勝は「初めから腹をくくっている」と言って二人は抱き合います。しかし神岡組の襲撃は荒巻組に迫ります。組を壊滅させられた荒巻は若竹に電話をし「20年前、オレがやったことをおまえがやったな」と言って猟銃で自殺します。
残るは川勝だけになった頃、兵藤が関東の大組織の仁王会の仁王から仲裁の話をもって来ます。「川勝をとるまで終わらない」と言う若竹を兵藤が説得し、若竹は仁王に会います。仁王は「川勝の男としての気持ちも汲んでやれ」と言うと、若竹は納得しました。若竹らはひろ子の墓参りをし、前を向いて歩きはじめました。
以上、映画「激動の1750日」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する