現代任侠史の紹介:1973年日本映画。やくざの世界から足を洗い寿司屋を営んでいた男が、かつて籍を置いていた関東有数の暴力団と敵対組織その抗争、そして政界のフィクサーである大物政治家の思惑に巻き込まれてく姿を描いたクライム・サスペンス作品です。
監督:石井輝男 出演者:高倉健(島谷良一)、郷鍈治(松田初治)、成田三樹夫(中川)、梶芽衣子(仁木克子)、辰巳柳太郎(湯浅正一)、安藤昇(栗田光男)ほか
映画「現代任侠史」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「現代任侠史」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「現代任侠史」解説
この解説記事には映画「現代任侠史」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
現代任侠史のネタバレあらすじ:起
羽田空港に降り立った飛行機。テラップから降り立ったのは関東有数の暴力団・松田組の元最高幹部・島谷良一(高倉健)。キャビンアテンダントから日本刀を受け取った和服姿の島谷はそのまま空港を闊歩して去っていきました…。
次期組長の座を約束されていた島谷は、母の死をきっかけにその座を先代の子・松田初治(郷鍈治)に譲ってやくざの世界から足を洗い、今では銀座の寿司屋「寿し銀」を経営していました。ある日、都内のビルには各地の親分衆が集まり会議が行われていました。大阪の暴力団・永井組の若者頭・栗田光男(安藤昇)は、暴力団のシノギであるノミ屋稼業を大同団結して統合しようと提案、松田組の傘下・関口組の組長・関口功(小池朝雄)が取りまとめ役を務めますが、関口が関東進出を図る永井組組長・永井辰吉(内田朝雄)とつるんで松田組を乗っ取ろうとする策略の匂いを感じ取った松田はこの提案に反対しました。
現代任侠史のネタバレあらすじ:承
その頃、「寿し銀」には週刊誌の記者・仁木克子(梶芽衣子)が訪れていました。島谷の父は太平洋戦争の激戦地・ペリリュー島で戦死しており、父の形見である銘刀“備前宗近”はアメリカ軍に回収されて博物館に保管されていたのです。島谷はアメリカに飛んで“備前宗近”を返還してもらい、マスコミが大々的に報じたことから克子も取材に訪れたのですが、島谷の誠実な人柄に触れた克子は想いを寄せるようになっていきました。後日、週刊誌を読んだ栗田が島谷の元を訪れ、仏壇に手を合わせました。栗田は軍人時代に島谷の父の元部下だったことがあり、島谷に恩義を感じているのです。その頃、永井と関口は政界のフィクサーである大物政治家・湯浅正一(辰巳柳太郎)の元を訪れていました。先日のノミ屋統合の件は湯浅が仕組んだものでした。
現代任侠史のネタバレあらすじ:転
島谷は克子と交際を始め、やがて二人は真剣に結婚を考えるようになっていました。その一方で、関東各地で一斉にノミ屋の摘発が相次ぎ、松田組の若者頭・中川(成田三樹夫)はノミ屋統合に反対した組ばかりが狙われたことを察知しました。しかし、松田組の傘下組長・船岡(夏八木勲)は抗争を防ごうと統合やむなしの態度を取り、松田組には不穏な空義が漂いました。そんな中、松田組傘下の組が暴走して関口組の事務所を襲撃、松田はけじめをつけると船岡に言い残し、単身ゴルフ場にいる関口を襲撃しようとするも失敗、返り討ちに遭い凄惨な最期を遂げました。松田組と関口組の抗争を避けたい栗田は何とか手打ちに奔走するも、親分の永井が関口と組んで松田組を乗っ取ろうとしていることを知った栗田は、最後の頼みの綱とばかりに湯浅の元へ走りました。一方、自らが松田を死に追いやったとの責任を背負った船岡は、女房・エリ(中村英子)と手下二名を伴い、永井と関口が会合を行っている大阪へ車を走らせましたが、東名高速で関口組のトラック集団に襲われ全員死亡してしまいました。
現代任侠史の結末
船岡の死を知った栗田は個人の利益しか頭にない湯浅の胸中を知り、死を覚悟のうえで永井と関口に詰め寄って湯浅と縁を切るように迫り、一日も早くノミ屋統合を実現させて関口に会長の座を与える代わりに松田組から手を引くよう手打ちを行い、永井と関口も受け入れました。栗田からの電話で抗争の終結を確信した島谷は、栗田を中川が駅に迎えに行っている間、寿司の準備をして宴の準備に励んでいました。しかしその時、二発の銃声が店の外に鳴り響き、島谷が駆け付けるとそこには射殺された中川と栗田の姿がありました。島谷は仏壇に隠していた拳銃を取り出し、“備前宗近”を手にすると、追いすがる克子を振り切って単身湯浅の家に乗り込んでいきました。ちょうどその頃、湯浅の癒えには永井と関口が一堂に会していました。手下を次々と仕留めていった島谷は、着物が破れて背中の刺青が露わになりながらも永井と関口を斬殺し、残る湯浅をも刺殺しましたが多数の手下らに取り囲まれ、無数の銃弾が島谷目がけて放たれました…。
流れる音楽が 哀愁を感じ 何回聞いてもいいです。