銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲(オーヴァチュア)の紹介:1993年日本映画。銀河系を2分する専制国家である銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムと民主主義国家である自由惑星同盟のヤン・ウェンリーという2人の英雄を軸に国家の存亡を描く田中芳樹原作「銀河英雄伝説」の劇場版アニメーション第3弾。同盟領に侵攻した帝国軍と防衛する同盟軍が激突した第4次ティアマト会戦で帝国軍の勝利に貢献し武勲を立てたラインハルトと奇策により同盟軍全滅の危機を救ったヤンは、半年後再び戦うことになります。
監督:清水恵蔵 声優:ラインハルト・フォン・ローエングラム(堀川りょう)、ジークフリード・キルヒアイス(広中雅志)、ヤン・ウェンリー(富山敬)、ダスティ・アッテンボロー(井上和彦)、アンネローゼ・フォン・グリューネワルト(潘恵子)、ジャン・ロベール・ラップ(田中秀幸)、ジェシカ・エドワーズ(小山茉美)、ほか
映画「銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲」解説
この解説記事には映画「銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲のネタバレあらすじ:起
同盟領に侵攻した帝国軍と防衛する同盟軍が激突した第4次ティアマト会戦で武勲を立てたラインハルトは、上級大将へ昇進し、さらに皇帝の意向で直系が絶えていたローエングラム伯爵家を継ぐことになりますが、あまりの優遇に門閥貴族から反発を受けることになります。
同じく第4次ティアマト会戦で同盟軍全滅の危機を救ったヤンは、同僚のジャン・ロベール・ラップから共通の友人であるジェシカ・エドワーズにプロポーズすることの相談を受けますが、ヤンはそれを後押ししました。
そして、ジャンは、ジェシカにプロポーズをしてジェシカが受け入れたことで婚約が成立しますが、ヤンはそれを祝福するものの複雑な思いも抱いていました。ラインハルトは、皇帝の寵姫である姉のアンネローゼの元に幼馴染で腹心のジークフリード・キルヒアイスと共に訪れ、至福の時を過ごしました。
そのころ帝国の首脳部では、上級大将に昇格するラインハルトを司令官として自由惑星同盟への遠征が計画されていました。ラインハルトの昇進に反発する門閥貴族に対し実力を見せるため計画されたもので、これまで共に戦ってきた有能な部下が異動となり、代わりに堅物の老将や変り者で評判の指揮官、理屈が先行する将官など扱いが難しい部下が配属されました。
この露骨な妨害にラインハルトは怒りますが、一方で腹心のキルヒアイスが異動にならなかったことに安心し、自分とキルヒアイスが共に戦う限り負けない、この宇宙を手に入れるまで、と誓うのでした。
銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲のネタバレあらすじ:承
しかし、ラインハルトの失敗を望む門閥貴族により自由惑星同盟にこの遠征が密かにリークされ、自由惑星同盟は、このリークを元にラインハルトが動員する艦艇2万隻の倍の4万隻を準備するなど、ラインハルトに不利な状況が作り出されていました。
このような状況を知らないままラインハルト率いる帝国遠征軍は、自由惑星同盟領に向けて出発しました。迎撃する同盟軍は、ヤンが所属する第2艦隊、第4艦隊、そしてラップが所属する第6艦隊が出発しました。想定される戦闘宙域についた同盟軍は、3個艦隊が三方から帝国軍を包囲する作戦を取りました。
一方、同盟軍の配置から包囲作戦を察知した帝国軍では、首脳部がラインハルトに不利な状況を説明して撤退を主張しますが、ラインハルトはそれを一蹴し、現在の状況は包囲されているのではなく、同盟軍の3個艦隊をそれぞれ各個撃破する好機にあると言いました。
首脳部は、司令官の決定を不承不承ながら受け入れましたが、ラインハルトは彼らの態度に意に介しませんでした。そのころ、ヤンは、ラインハルトは各個撃破に動くのではないかと第2艦隊司令官のパエッタに対策案を提示しますが、受け入れてもらえませんでした。
銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲のネタバレあらすじ:転
こうして、帝国軍と同盟軍との戦いが始まりました。ラインハルトは、艦隊を急進させると同盟軍の中で一番数が少ない第4艦隊を攻撃させました。第4艦隊司令官パストーレは、帝国軍の常識外の攻撃に狼狽し指示を出すものの空回りに終わり結局戦死してしまいました。
指揮官を失ったことで第4艦隊は戦闘能力を失いましたが、ラインハルトは、掃討戦に移らず艦隊の進路を第6艦隊に向けました。
そのころ第6艦隊では、ヤン同様にラインハルトの各個撃破戦術を危惧したラップが、司令官のムーアに意見具申しますが、こちらも却下されてしまいます。そうこうしているうちに第6艦隊の後背に出た帝国軍は、第6艦隊を攻撃してその大半を破壊し、第6艦隊に対し降伏勧告を通告しました。
ラップは、ムーアに降伏勧告を受け入れるように進言しますがまたも受け入れられず、ムーアは帝国軍に突撃して帝国軍の攻撃で旗艦は爆発し、それに巻き込まれラップも戦死してしまいました。第4艦隊、第6艦を撃破したラインハルトは、残った第2艦隊に接近すると攻撃を開始しました。
迎撃準備が出来ていなかった第2艦隊は、その攻撃で損害を受け、さらに司令官パエッタが負傷してしまい、パエッタは艦隊の指揮をヤンに委ねました。
銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲の結末
ヤンは、第2艦隊全体に自分のいう事を聞けば負けないと放送し、戦術コンピュータ内にある作戦書を見るように伝達しました。実は、パエッタに対策案を受け入れてもらえなかったヤンは、こういう事態を想定し既に作戦案を作成していたのでした。
一方のラインハルトは、艦隊の陣形を紡錘陣形にして第2艦隊に向けて中央突破を実施しました。帝国軍の突撃で左右に分断される第2艦隊でしたが、ラインハルトはその動きに違和感を覚えました。
やがて、ラインハルトは第2艦隊の意図に気づきますが、時すでに遅く、第2艦隊は帝国軍の横を高速ですり抜けると帝国軍の背後に回りました。ヤンは、ラインハルトが中央突破で来ると読み、帝国軍が突入してくると第2艦隊を分断されたふりをして自ら左右に動かし、そして帝国軍の後背に向かわせたのでした。
背後を取られたラインハルトでしたが、反転迎撃はせずに艦隊を時計周りに進ませて第2艦隊の後背に付き、やがて帝国軍と第2艦隊が1つの円のような布陣となり、それぞれが相手の後背を攻撃しつつ後背から攻撃を受けるような形となりました。
戦略的にまるで意味がない消耗戦となったことから、ラインハルトは、これ以上の攻撃をやめ撤退することを決断しました。一方のヤンは、撤退する帝国軍を追撃せず、第4艦隊、第6艦隊の救援を優先することにしました。撤退する前にラインハルトは、ヤンに奮闘を賞賛する通信を送りましたが、ヤンは返事をしませんでした。
こうして戦いは、第2艦隊はヤンの活躍で互角だったものの、第4艦隊、第6艦隊を撃破した帝国軍の勝利で終わりました。
以上、映画「銀河英雄伝説外伝/新たなる戦いの序曲(オーヴァチュア)」のあらすじと結末でした。
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