銀座化粧の紹介:1951年日本映画。銀座西のバーにママとして勤める子持ちの女性を中心に、その周辺の人々を人情味を込めて描いた佳作。井上友一郎の風俗小説をベテランの岸松雄が脚色したもので、戦後長らくスランプ状態にあった成瀬巳喜男と田中絹代にとって、キャリア復活のきっかけとなった。
監督:成瀬巳喜男 出演:田中絹代(津路雪子)、西久保好汎(津路春雄)、花井蘭子(佐山静江)、香川京子(女給京子)、小杉義男(葛西英治郎)、柳永二郎(杵屋清吉)、三島雅夫(藤村安蔵)、東野英治郎(菅野平兵衛)、津路清子(マダム幸子)、ほか
映画「銀座化粧」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「銀座化粧」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「銀座化粧」解説
この解説記事には映画「銀座化粧」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
銀座化粧のネタバレあらすじ:起
津路雪子は10歳になる息子の春雄と、ある長屋の一軒に住んでいます。といってもそこは元板長と長唄の師匠の夫婦の家で、母子はその2階の貸間暮らしでした。
雪子はもう十数年水商売で生きてきた女で、春雄も客の一人との間にできた子供です。今では銀座西のベラミイという小さな店でママをしていました。
時々家に訪ねてくる藤村も、戦前に雪子の店の常連だった男なのですが、今は尾羽打ち枯らして、彼女に金をせびってばかりいます。
銀座化粧のネタバレあらすじ:承
ママという稼業も楽ではなく、飲み逃げの客もいます。かつての朋輩である静江は、葛西という旦那に家を持たせてもらってのんびりしていますが、雪子にはそこまでする決意がつきません。
静江も葛西の取引先の菅野という男が雪子に目をつけているといい、盛んに二号になることを持ちかけるのですが、雪子は聞き流します。
ところがマダムである幸子が営業資金に困ったために、ベラミイを売りに出そうという話が持ち上がり、実の妹である雪子も金の工面をする必要が出てきました。
銀座化粧のネタバレあらすじ:転
雪子は静江の話を思い出し、菅野と会うことにします。ところが会ったその日に、金と引き換えに体の関係を求めてくるため、雪子は激怒。
とっととその場を逃げ出したために、愛人の話はおじゃんになりますが、幸子の方で何とか資金を用意できたため、かえって逃げ出したのが幸いとなります。
静江もさほど迷惑顔はしませんが、ただある用事を雪子に頼んできます。それは静江が疎開先で好きになった石川という男が東京に来るので、多忙な彼女に代って名所見物に付き添ってやってほしいというものでした。
銀座化粧の結末
雪子は最初、渋々頼みを請け負うのですが、大地主の次男坊の石川は驚くほど素直な好青年で、彼女は仄かな恋心を懐きます。
ところが滞在の最後の日に、ベラミイの若い女給京子が石川に付き添うことになり、2人は意気投合。結婚の約束までしてしまいます。
初めは裏切られた気がして怒りを覚えた雪子ですが、京子と話をするうちに、まだ初々しい2人を祝福する気になります。妙にさっぱりした雪子は春雄の世話をしながら、今日もベラミイを切り回していきます。
以上、映画「銀座化粧」のあらすじと結末でした。
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