石内尋常高等小学校 花は散れどもの紹介:2008年日本映画。東京で脚本家をしている男が30年ぶりに恩師や同級生と再会し、交流を深めていく中で生き方を模索していく人間ドラマ。新藤兼人監督が95歳という高齢でメガホンを取ったことで話題になりました。
監督:新藤兼人 出演者:柄本明(市川 義夫)、豊川悦司(山崎 良人)、六平直政(森山 三吉)、川上麻衣子(市川 道子)、大竹しのぶ(藤川 みどり)、大杉漣、原田大二郎、吉村実子、ほか
映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
石内尋常高等小学校 花は散れどもの予告編 動画
映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」解説
この解説記事には映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
石内尋常高等小学校 花は散れどものネタバレあらすじ:起
大正12年頃の広島県石内村。のどかな田園風景が広がるこの村に石内尋常高等小学校はあります。大いびきを掻いて眠っている生徒の三吉を市川先生が大声で怒鳴りつけます。昨晩は何をしていたのかと市川先生が尋ねると、三吉は台風に備えて家族総出で夜まで稲刈りをしていたと答えます。心優しき市川先生は三吉が家族の手伝いをしていたことに感動して、つい泣き出してしまいます。そして三吉の家庭の事情も知らずに叱ったことを詫びると、子供たちからは拍手が沸き起こるのでした。その後市川先生は同僚でしっかり者の道子先生を嫁にもらいます。奈良へ出掛けた修学旅行では活動写真の撮影現場に遭遇するなど先生と生徒たちの楽しい日々は過ぎていくのでした。級長の良人の家は貧しく、中学校を受験することができません。ほどなくして良人は母を亡くしてしまいます。良人に好意を寄せている副級長のみどりは彼の身の上を案じますが、良人は誰にも告げずに村を去っていくのでした。
石内尋常高等小学校 花は散れどものネタバレあらすじ:承
30年の月日が流れました。東京で脚本家をしている良人に村役場に勤めている同級生三吉から電話が来ました。それは小学校を定年退職をした市川先生を労うため同窓会を兼ねた謝恩会を開くので参加するようにという知らせでした。良人は長らく帰っていなかった石内村へ戻ってきます。副級長だったみどりが女将を務める料理屋で謝恩会は始まりました。市川先生を囲んで集った同級生達は各々の身の上話を始めます。戦争で家族を失った者もいれば広島で被爆した者もおり、皆人生の苦渋を味わいながらも精一杯生きていたことが明らかになっていきます。良人はそんな同級生達の姿を目の当たりにし、今の自分の不甲斐なさが情けなくなってしまうのでした。その晩みどりの店に宿泊することになった良人は、みどりに誘われて夜の海辺を散歩します。みどりは良人のことをずっと好きだったことや連絡が来るのを待っていたことを告白します。夫が大阪に行ったきりで孤独を抱えているみどりは良人に抱いてほしいと懇願します。海辺の小さな脱衣所で二人は結ばれるのでした。
石内尋常高等小学校 花は散れどものネタバレあらすじ:転
東京に戻った良人でしたが、仕事には行き詰まりを感じています。そんな中みどりの夫が大阪で殺害されたという知らせが入ります。みどりの様子が心配になり良人が村へ帰ってくると、彼女から子供を産んだことを打ち明けられます。自分の子供ではないだろうかと感じる良人でしたが、みどりは心配をかけまいと父親については触れようとしないのでした。5年が経過しました。細々と脚本を書いて暮らしている良人の元に三吉から電話がかかってきます。脳の病で倒れ身体が不自由になってしまったという市川先生を見舞うため、良人は再び石内村を訪ねます。みどりの子供は5歳の愛らしい娘に成長していました。寝たきりの市川先生は言葉を発するのも困難な状態でしたが、自信を失っている良人を精一杯励まします。良人は先生の変わらぬ優しさに触れ、涙を流してしまうのでした。やがて市川先生夫妻は娘の家へ引っ越すことが決まり、集まった同級生たちは石内小学校の校歌を熱唱しながら先生を送り出すのでした。漠然とみどりとの結婚を考えていた良人は、意を決して彼女にプロポーズします。しかし良人の脚本家としての成功を願うみどりは彼の申し出を断るのでした。
石内尋常高等小学校 花は散れどもの結末
市川先生が亡くなったことを知り、良人は広島へ帰ってきます。良人や三吉、みどり達は墓前で先生のために石内小学校の校歌を歌い、先生との別れを惜しむのでした。みどりとみどりの娘が東京へ帰っていく良人を駅まで見送りに来ます。二人にまた帰って来ることを告げると、良人は汽車へと乗りこむのでした。
この映画の感想を投稿する