華の乱の紹介:1988年日本映画。明治・大正の時代に歌人として生きた与謝野晶子。その晶子と夫の与謝野寛、作家の有島武郎、アナーキストの伊藤野枝、大杉栄などとの関わり合いを通して、激動の時代を描いた映画です。
監督:深作欣二 出演:吉永小百合(与謝野晶子)、緒形拳(与謝野寛)、松田優作(有島武郎) 、池上季実子(波多野秋子) 、石田えり(伊藤野枝) 、中田喜子(山川登美子)、ほか
映画「華の乱」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華の乱」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「華の乱」解説
この解説記事には映画「華の乱」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華の乱のネタバレあらすじ:起
晶子は歌の師匠、妻子ある与謝野寛に恋をし、友人の山川登美子も寛のことが好きなのを知っていて、内緒で1人で寛に会いに行き結ばれます。東京へ押しかけた晶子は、寛の妻から寛の女癖の悪さを知らされますが、それでも寛と一緒になり、子供を11人もうけます。仕事もなく家でブラブラしている寛と子供たちを養うため、晶子は精力的に仕事をします。お芝居を観た帰りの晶子に、有島武郎と記者の波多野秋子の乗ったオートバイが突っ込んできて、2人は知り合います。晶子が有島の亡くなった妻にそっくりなことから、2人は親密になっていきます。
華の乱のネタバレあらすじ:承
だんだんと親しくなる晶子と有島を秋子が暗い表情で見つめます。秋子は夫にきれいな人形として扱われる生活に絶望していました。晶子が有島の家を訪問している時に、追手に追われた大杉栄が逃げ込んできて、晶子と知り合います。寛は登美子の叔父の推薦で衆議院選挙に立候補します。晶子は選挙を手伝いますが、もともと立候補には反対だったため、余計なことを記者に話してしまい、それが原因で寛は落選。その後、嫁ぎ先を離縁されて叔父の家にいた登美子が結核になり、叔父の家を追われたため、寛は登美子と一緒に生活し看病するために、晶子の家を出ます。晶子は大杉に頼まれて、大杉の妻、伊藤野枝に運動資金を届けに行き、野枝とも知り合います。
華の乱のネタバレあらすじ:転
有島は北海道の自分の農地を農民に開放します。そして、晶子に北海道へ来るよう誘うのでした。晶子は風邪をこじらせて寝込んでいる子供たちを年長の子供にまかせ、北海道に行ってしまいます。北海道で有島と一線を越えた晶子でしたが、その後、警察と農地解放の件でもめたことから、有島は晶子を東京へ帰します。東京へ帰ると、病気の自分たちを置いて出て行った母を、子供たちが責めるような目で迎えます。登美子が亡くなったので寛も家に戻ってきました。
華の乱の結末
有島と秋子が一緒に心中したという知らせが晶子のもとに入り、晶子は絶句します。秋子の遺書を読んで、晶子は自分の行動を後悔します。秋子の夫も、自分を反省します。そして晶子の一家を関東大震災が襲います。家も壊れ、すべてが崩壊し呆然とする晶子でしたが、一家は全員無事でした。瓦礫の中、後かたずけをしてりると、大杉栄の友人が縄で縛られ、警察の馬に引かれて行きます。晶子は必死に走って追いつき、おにぎりを渡し「生きてください」と叫びます。寛は晶子の肩をだき、「家を建て直そう」と言うのでした。
「華の乱」感想・レビュー
-
一言でいえば、圧巻。
キャストの熱演もすごいしキャラクターの濃さとか大正時代の人の情熱にただただ圧倒された。
与謝野晶子のことを教科書程度にしか知らなかったので家族や有島武郎との関係など勉強になった(もちろん脚色もあると思うけど)。
松井須磨子も名前聞いたことある程度だったけど興味を持った。
吉永小百合さんが美しすぎて見とれちゃいます。良いもの観ました。
松坂慶子の一人芝居のシーンに圧巻です。松田優作がこのような文芸作品をも演じきれるとは、知りませんでした(他にも文芸作品への出演がありますよね)。お芝居に対して貪欲で、幅の広い俳優だったのが、伝わってきます。