ハッチング―孵化―の紹介：2022年フィンランド映画。新鋭ハンナ・ベルイホルム監督の長編初監督作品。一見なんの問題もなく幸せだった一家に、娘がある卵を持ち込んだために起こった悲劇を描いています。不思議な卵から生まれた不思議な雛鳥が徐々に変貌し、誰もがうらやむ完璧な家族の本当の姿を暴き出していきます。
監督：ハンナ・ベルイホルム 出演：シーリ・ソラリンナ（ティンヤ アッリ）、ソフィア・ヘイッキラ（母親）、ヤニ・ヴォラネン（父親）、レイノ・ノルディン（テロ）、ほか
映画「ハッチング 孵化」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハッチング 孵化」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
作品紹介・キャスト
映画「ハッチング 孵化」解説
この解説記事には映画「ハッチング 孵化」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハッチング孵化のネタバレあらすじ：起
ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)はフィンランドで暮らす12歳の少女です。仲の良い両親と弟の4人で暮らしています。母親(ソフィア・ヘイッキラ)が仲の良い姿を動画に収めようとしていたところ、一羽のカラスが入ってきて家を荒らし始めました。
ティンヤがカラスをどうにか捕まえ母親に渡すと、母親は笑顔でカラスの首を捻り殺しました。ティンヤはカラスの死骸をゴミ箱に捨てました。
翌日になり、ティンヤはゴミ箱に捨てたはずのカラスの死骸がなくなっていることに気づきます。その後、森を探索していたティンヤは死にかけていたカラスを見つけました。死んでしまったカラスのそばには、カラスが産んだと思われる奇妙な卵があり、ティンヤはそれを家に持ち帰って育てることにしました。
体操選手を目指しているティンヤ、大会出場を目指して日々努力していましたが、なかなか上手くいきません。さらに、最近引っ越してきたレータが素晴らしい演技を披露し、ティンヤに焦りが生じます。
帰宅したティンヤ、家ではテロ(レイノ・ノルディン)という男がリビングの修理をしていました。母親から、実はテロと不倫関係なっていてしばらく家を留守にすると告白されティンヤはショックを受けます。
ハッチング孵化のネタバレあらすじ：承
ストレスと不安で一杯になったティンヤは、涙を流しながら卵を撫でていると、かなり大きくなっていた卵にティンヤの涙が染み込みヒビが入ります。ビックリしたティンヤは卵をクローゼットに放り込みました。しばらくして卵からティンヤ位の大きさの雛鳥が誕生します。
恐れおののき一度は放棄したティンヤでしたが、少しずつ雛鳥に愛情を感じ始めます。そして再び親に内緒で雛鳥を飼い始めるのでした。
大会出場のため過酷な練習に耐えるティンヤ。疲れて眠ろうとしますが、レータの家の犬が吠えていて眠れません。その時、ティンヤは何かが犬を襲う姿が脳裏に浮かびます。なぜだか嫌な予感がしたティンヤが起き上がると、雛鳥が犬を殺して部屋に持ち込んでいたのです。
ティンヤは犬の死骸を夜中にこっそりと埋めました。しかし、その様子を弟のマティアスが見ていたのです。マティアスは両親に、姉ちゃんがやったと騒ぎましたが両親はあまり気にも留めませんでした。
ティンヤのことを心配した母親は、ティンヤをテロの所に連れて行くことにします。そこにはテロの前妻との間に生まれた赤ちゃんがいました。母親はまるで自分の子供のように接します。
ハッチング孵化のネタバレあらすじ：転
父親ではない男を父親にしようとする母親、肉親ではない子供の母親になろうとしている母親。ティンヤの心は今にも壊れそうですが、何とか持ち直します。
ティンヤは雛鳥に『アッリ』と名付けてとても可愛がっていましたが、テロの家に行くにあたりアッリを置いてきたのです。しかし、壊れそうなティンヤの前にアッリが現れました。アッリは成長し、なぜかくちばしが取れてティンヤとソックリな姿をしていたのです。ティンヤは驚きましたがなぜか安心し、アッリと一緒に眠ります。
大会が近づくと、レータが何者かに襲われ怪我をして入院中と話を聞き、ティンヤがお見舞いに行くと、レータはティンヤに怯えた様子を見せました。
まさかアッリが…とティンヤは家に帰りアッリを責め、とんでもないものを育ててしまったと後悔します。テロはずっと様子のおかしいティンヤを怪しんでいます。
大会が始まっても嫌な予感が止まりません。次はテロの赤ちゃんだとティンヤは確信していました。ティンヤの頭の中で赤ちゃんを斧で殺すイメージが消えないからです。レータの時もそうでした。
ハッチング孵化の結末
こうなるとアッリと一心同体になることも知っていたので、試合中ワザと骨折をし、テロの家で実際に赤ちゃんを殺そうとしていたアッリを止める事ができたのです。しかし、その様子をテロに見られてしまいました。そのせいでテロは母親とティンヤを追い出します。
ティンヤのせいで別れることになったと母親はティンヤを激しく責めました。その後、何食わぬ顔で戻ってきているアッリを見て、ティンヤはアッリを罵倒し始めます。そこに母親が入ってきて、ここで初めてアッリの存在を知ります。
全ての元凶はアッリにあると悟った母親は、逃げたアッリを追いかけて殺そうとします。ティンヤは私が育てたからとアッリを庇おうとすると、偶然にも母親が持っていた包丁がティンヤの胸を貫きます。
母親の目の前で息を引き取るティンヤ、倒れたティンヤの前に立ったアッリがティンヤの血を飲むと、泣き叫ぶ母親に「ママ」と言葉を発することが出来るようになりました。父親や弟がやってきても、母親はただ呆然とアッリを見つめる事しか出来ませんでした。
以上、映画「ハッチング―孵化―」のあらすじと結末でした。
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