ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌の紹介:2020年アメリカ映画。ベストセラーになったJ・D・ヴァンスの人生の回顧録『ヒルビリー・エレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち』を元に描かれた作品です。気性の激しい母親ベヴに翻弄されながらも、青年ジェーディーは自分の夢を掴むために試行錯誤しながら生きていく様子が映し出されている映画です。『メッセージ』で主演を果たしたエイミー・アダムスが気性の激しいベヴを演じ、『天才作家の妻 40年目の真実』のグレン・クローズが、厳格な祖母マモーウを演じます。
監督:ロン・ハワード 出演:エイミー・アダムス(ベヴ)、ガブリエル・バッソ(ジェーディー)、グレン・クローズ(マモーウ)、ヘイリー・ベネット(リンジー)、フリーダ・ピントー(ウシャ)、ほか
映画「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌の予告編 動画
映画「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」解説
この解説記事には映画「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヒルビリーエレジー郷愁の哀歌のネタバレあらすじ:起
1997年、ジェーディーはオハイオで育ちましたが、ケンタッキーのジャクソンが心の故郷でした。祖母のマモーウは13歳で妊娠をして駆け落ち同然で故郷を出ていき、オハイオのミドルタウンへとたどり着きます。
14年後、ジェーディーは高校卒業後、海兵隊へと入隊。除隊後はオハイオ州立大学を卒業し、ロースクールへ。しかし学費が足りず困っている様子。夏のインターンに採用されないと、ロースクールを卒業できなくなってしまいます。面接を視野に入れた法律事務所の食事会で、ジェーディーはド緊張。彼女のウシャが電話で緊張をほぐしてくれます。
そこに姉のリンジーから電話があり、母親がヘロインを過剰摂取して病院に運ばれたとの連絡が入ります。地元にすぐに帰ってきてほしいと頼まれますが、ジェーディーは自分の人生がかかっているこの食事会を蹴りたくありませんでした。
解決策が見えないまま、ジェーディーはとりあえず食事会に戻り、法律事務所の人との会話に集中します。しかし、故郷のことを馬鹿にされて、ジェーディーは思わず熱が入ってしまい、チャンスを逃してしまったのではないかと感じます。
食事会後、ジェーディーはリンジーに電話で面接があるから地元に戻れないと言いますが、リンジーにも仕事や家族があり、母親に集中することは到底不可能。なかなか受け入れてくれませんでした。地元に帰る選択肢しか残っていなかったジェーディーは、食事会後すぐに車で地元へと目指します。
ヒルビリーエレジー郷愁の哀歌のネタバレあらすじ:承
ジェーディーの母親ベヴは情緒が不安定で、とてもきれやすい性格、おまけに薬物依存症。機嫌が良いときは優しく、イースターをとても大切にしていました。
べヴが学生の頃、成績がとてもよかったのですが、大学に行くお金がなく、進学を断念した過去があり、それを根に持っています。大学に行っていれば、もっといい生活ができたのではないかと。ジェーディーとベヴがけんかになったとき、ベヴは車にのってジェーディーと心中をしようとスピードを上げます。母親に殺されてしまうと思ったジェーディーは助けを呼んで、母親が逮捕される寸前になった騒動がありました。
ベヴが入院している病院にジェーディーが着くと、医者からすぐに退院するように言われてしまいます。まだ体調が万全ではないのにひどいとベヴとリンジーは激しく主張しますが、願いむなしく退院を余儀なくされます。ベヴには行く当てもなく、このまま退院してしまったら路頭に迷うことになってしまいます。
ヒルビリーエレジー郷愁の哀歌のネタバレあらすじ:転
ジェーディーの祖父はジェーディーが子供のときに急に亡くなってしまいます。ベヴの気性の粗さを祖父が補っていたので、これを境にベヴは心の支えを無くしてしまいます。ベヴは看護師として2人の子供を育てるべく働いていましたが、病院で薬をくすねてハイになった状態で、廊下をローラースケートで滑りクビになってしまいます。
その後ベヴは急にアジア系の男性と結婚します。少年のジェーディーは驚き、同年代の兄弟ができます。新しい父親は大麻を自宅で育てており、息子はマリファナ中毒でした。ジェーディーはその息子からマリファナや悪い遊びを教わります。看護師として再び働いていたベヴは、抜き打ちテストがあるとのことで、ジェーディーの尿を提出してほしいと頼んできます。ジェーディーは怒りましたが、祖母から協力してあげてほしいと説得され、なくなく尿を渡します。ジェーディーはどんどんぐれていきます。
ジェーディーは母のために今日から入れる施設を探しますが、急すぎるのと、保険にも入っていなかったので、受け入れてくれる施設がなかなか見つかりません。なんとか知り合いのコネを使い、頭を下げて入居できる施設をゲットしますが、入居代が想像以上に高く驚くジェーディー。使えるクレジットカードを手当たり次第にリーダーに通し、何とか支払うことができます。
それを見たベヴが、息子がせっかく見つけてくれた施設に入らないと言い出します。せっかく頭を下げて見つけた労力を無駄にされたとキレるジェーディー。しかし、母は頑固で一度決めたことは曲げません。施設の入居を断ったベヴはレイのところへ行くと言い向かいますが、レイから暴言を吐かれて追い出されてしまいます。
唯一の行く当てをベヴは失ってしまいました。今夜はモーテルでとりあえず泊まることにします。そのときにジェーディーは、面接があるから今夜帰らなければならいないことを母親に告げます。
ヒルビリーエレジー郷愁の哀歌の結末
祖母は急に倒れ入院するも、このままジェーディーがベヴの新夫の元で暮らしていたらダメな人間になってしまうと思い、病院を飛び出し、ジェーディーを自分の家で引き取ると言って連れていきます。
ジェーディーは祖母と一緒に暮らし始めたものの、勉強も手伝いも全くせずにぐうたら過ごします。祖母が厳しく言っても言うことを聞きません。しかし、祖母が体も金銭的にも苦しいのに、自分のごはんの量を減らしてまでもジェーディーに少しでも多く食べられるように食事を用意してくれた姿を見て、ジェーディーは心を入れ替えます。
勉強も手伝いも、働くようにもなりました。その努力の甲斐あって、代数で一番になったことを祖母に報告すると、祖母は静かに喜びました。
夕食を買いに出かけてモーテルへ帰ると、ベヴはヘロインを打とうとしていました。必死でジェーディーは止めます。リンジーに任せるのはつらかったですが、ジェーディーは面接のために深夜に車を走らせます。なんとか間に合い、面接会場へと向かいます。
ジェーディーは2013年にロースクールを卒業。2016年に回想録を出版。2014年にウシャと結婚をし、今は2人の息子と家族4人でシンシナティに住んでいます。ベヴは6年間薬物を断っています。
以上、映画「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」のあらすじと結末でした。
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