穴の紹介:1957年日本映画。不条理にクビになった有能記者・北長子は、自分に懸賞金をかけて失踪し、ルポルタージュを書く企画を雑誌社に提案します。ですが、同時に横領計画にまで巻き込まれてしまい、その真相をもあばく慌ただしい失踪生活になってのでした。
監督:市川崑 出演者:北長子(京マチ子)、赤羽スガ(北林谷栄)、白州(山村聡)、千木(船越英二)、猿丸警部(菅原謙二)ほか
映画「穴(市川崑監督)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「穴(市川崑監督)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「穴(市川崑監督)」解説
この解説記事には映画「穴(市川崑監督)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
穴のネタバレあらすじ:起
美人有能記者・北長子は、知り合いの鳥飼巡査の取材を元に、猿丸警部をモデルとして汚職警官の記事を書きましたが、モデルにされたと気づいた猿丸警部の怒りを買って、文芸公論をクビになってしまいました。悲観した長子が自宅でヤケになって遺書を書いていると、友人の赤羽スガが訪ねてきてあるアイデアを思いつきます。そのアイデアとは、長子自らに賞金を賭け、1ヶ月間行方をくらまし、失踪期間のルポルタージュを書くという、読者への挑戦のような企画でした。
穴のネタバレあらすじ:承
その気になった長子はさっそく企画を持ち込み、週刊ニッポン社と契約をすると、第億銀行の白州という男に資金を借りにいきました。快くお金を貸してくれた白州ですが、心の中では良からぬ計画を思いついていたのでした。この白州という男は以前から、部下の千木や六井と共に預金横領計画を企てており、今回の件に乗じて銀行職員に長子の替え玉を配置し、彼女を犯人に仕立て上げようと思いついたのです。そんな事とは露知らず、長子の失踪生活が始まります。彼女は見事な変装テクニックで、世間の目を欺き続けました。偶然にも鳥飼巡査に会いましたが、彼も長子と同じく免職になり、今は千葉に帰って私立探偵としてやっているのだそうでした。 あわやという時も何度かありましたが、彼女はなんとか失踪終了前日まで辿り着きました。最終日に家にいるというのも、なかなか皮肉が効いて面白いということで、長子は自宅へ戻ります。自宅には1通の手紙が届いており、内容はなんと第億銀行に勤めているらしい同姓同名の女性が買った品の請求書なのでした。不振に感じた彼女は第億銀行へ行き、白州にそれとなく尋ねてみる事にしましたが、その面会で偶然にも自分の替え玉・中村竹子なる人物がいる事と、白州たちの企みを知ってしまいます。
穴のネタバレあらすじ:転
関係者の六井に接触しようと自宅へ行くと、六井は既に何者かに殺されていました。その現場を、タイミング悪く帰ってきた妹・ふき子に発見され、殺害の疑いをかけられてしまいます。さらには、猿丸警部が、六井殺しの犯人を長子の線で捜査し始めました。彼女は鳥飼に事件の真相を調査するよう頼みにいきます。 今度は千木の手が長子に迫ってきます。彼は長子の味方を装い、替え玉の竹子に会わせると言っておびき出そうとしますが、勘の鋭い長子は危険を察知。一足先に竹子に会うと、一悶着のすえに彼女を気絶させると、証拠になりそうな荷物を奪ってその場を立ち去ったのでした。鞄の中には1/3になった荷物の預かり証が入っていました。駅に預けてあるトランクに横領金が入っていると睨んだ彼女は、残りの欠片も見つけ出し、トランクを開けてみますが、中身は新聞紙の束でした。けれど、どの新聞も株式相場の欄だけが切り取られているのでした。長子は、この欄を切り取った手が、事件の真犯人だと確信します。
穴の結末
千木は相変わらず味方のふりをしてくるので、長子は騙されたふりのまま便乗して逆に手玉に取ってしまいます。そしてついに白州に事の真相を迫りにいきます。荷物の件を問いつめると、白州は銃まで取り出しました。が、その時、忍び寄った千木の手によって殺されてしまいます。千木は高飛びしようと北海道行きの飛行機をとりますが、長子の機転ですぐに捕まってしまいます。観念した千木は窓からとに降り自殺をしたのでした。 無事、事件は一見落着。長子と鳥飼は成功報酬を資金に東京で法律事務所を開く相談を言い合い気味にするのでした。
この映画の感想を投稿する