コンパートメントNo.6の紹介:2021年フィンランド, ロシア, エストニア, ドイツ映画。「オリ・マキの人生で最も幸せな日」で長編デビューを飾ったユホ・クオスマネン監督の長編2作目の作品。1990年代のロシアで寝台列車で偶然相部屋になった国籍の違う男女の交流を描いています。本作は第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリを受賞しました。
監督:ユホ・クオスマネン 出演:セイディ・ハーラ(ラウラ)、ディナーラ・ドルカーロワ(イリーナ)、ユーリー・ボリソフ(リョーハ)、ユリア・アウグ、ほか
映画「コンパートメントNo.6」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コンパートメントNo.6」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「コンパートメントNo.6」解説
この解説記事には映画「コンパートメントNo.6」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コンパートメントNo.6のネタバレあらすじ:起
ラウラ(セイディ・ハーラ)はロシア語を学ぶためにフィンランドからモスクワに留学してきました。教授を含んだ学生たちとのパーティを終え、ラウラはムルマンスクへの旅へと向かいます。
当初一緒に行くはずだった同性恋人のイリーナ(ディナーラ・ドルカーロワ)に急遽仕事が入り、一人旅となってしまいます。
4人部屋の同室で、ロシア人のリョーハ(ユーリー・ボリソフ)と一緒になりますが、酒を飲んでやたらと絡んでくるリョーハに、ラウラはいきなり嫌気が差してしまいます。係員に席を変えてもらうよう交渉しますが無視されてしまいました。インテリの育ちだったラウラは労働者階級であるリョーハを見下した目で見ています。
そんなラウラに構わず失礼な態度を取り続けるリョーハ、2300kmも続く工程なので2,3日かかります。席を変えられずラウラにとって地獄のような時間が続いていくかと思いましたが、サンクトペテルブルクでの停車中に出会ったリョーハの知り合いと意気投合したラウラは酔い潰れてしまい、翌朝列車に乗り遅れそうになってしまいます。
コンパートメントNo.6のネタバレあらすじ:承
実はラウラはリョーハから離れ、モスクワに戻るためにイリーナに電話をしていました。しかし、イリーナはラウラがいないことを寂しく思っておらず、他の誰かと一緒にいるようです。イリーナにもう帰るの?と聞かれたラウラは、モスクワに帰るのをやめてリョーハと合流しました。この出来事で、ラウラとリョーハの距離が少し縮まります。
フィンランド人のバックパッカーが係員と揉めています。ラウラはこのバックパッカーの男を客室に招き入れました。リョーハは少し拗ねたような態度を取りますが、3人でしばらく一緒の時間を過ごします。
バックパッカーの男は途中下車していきました。男が下車して、ラウラのビデオカメラがなくなっていることに気づきました。イリーナとの思い出がつまったビデオを盗まれてしまい、ラウラは落胆します。落ち込んだラウラを慰めようとしたのか、リョーハはラウラを食堂車に誘いました。そこで酒を飲み、楽しい時間を過ごします。
コンパートメントNo.6のネタバレあらすじ:転
その中でラウラはノートを破りリョーハの似顔絵を描き、リョーハに渡しました。さらに、ラウラはノートを渡してラウラを描くようにお願いしました。リョーハは描けないと言いながら、一生懸命ラウラを描こうとします。しかし上手く描けずにキレてしまい、描きかけのまま立ち去っていきました。
客室に戻ったラウラは、立ちすくむリョーハを愛おしそうに抱きしめ、キスをしました。何故こうなっているのか分からないリョーハはキスをやめてラウラを押しのけ、客室から出ていってしまいます。
列車は目的地のムルマンスクに着きました。結局リョーハは戻ってきません。ラウラは列車を降りてホテルに入り、ペトログリフへの行き方を尋ねますが、この季節は行けないとしか言われませんでした。
コンパートメントNo.6の結末
翌朝早く、ホテルの電話が鳴ります。客が来ているとの知らせで出てみるとリョーハでした。リョーハはペトログリフ行きの車を用意して待っています。ペトログリフに到着し、ラウラの本来の目的を達成したのでした。
ペトログリフから戻り、眠ってしまっていたラウラが目を覚ますと、そこはリョーハの働く炭鉱所でした。リョーハが何も言わず戻っていくのを見かけたラウラは、ドアを開けて追いかけようか迷っていると、運転手が車を出していいか尋ねてきました。我に返ったラウラは運転手の問いかけに頷きます。
出発した運転手は先程リョーハから預かった1枚の紙をラウラに渡します。それは食堂車で描きそびれていたラウラの似顔絵と、そこに大きな文字で「ハイスタ・ヴィットゥ」と書かれていたのです。ハイスタ・ヴィットゥとはリョーハが絡んできたときに「フィンランド語で『愛してる』は?」と聞かれた際に、ラウラが適当に答えたもので、本当はfuck youという意味だったのです。
以上、映画「コンパートメントNo.6」のあらすじと結末でした。
思いの外、見応えあり!
リョーハの演技に目が離せない。
必見です。