映画「地獄門」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
地獄門の紹介：1953年日本映画。平治の乱の最中に、平清盛に助言を与え、内通者を殺した盛遠は清盛に認められました。そして清盛に一つ望みを叶えてやると言われた盛遠は、自分が助けた女の袈裟を嫁にしたいと言いますが、袈裟は人妻でした・・・という内容の『袈裟と盛遠の物語』を映画化した作品です。カンヌ国際映画祭で日本映画で初めて最高賞パルムドールを獲得した作品。
監督：衣笠貞之助 出演者：長谷川一夫（盛遠）、京マチ子（袈裟）、山形勲（渡辺渡）、黒川弥太郎（重盛）、坂東好太郎（六郎）、田崎潤（小源太）、千田是也（清盛）ほか
この解説記事には映画「地獄門」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
平清盛が厳島神社に行っている隙に、反乱軍達の平治の乱が起きました。平康忠は上皇と妹の上西門院を救うために、身代わりを籠にのせ、相手をくらます作戦を立てました。身代わりを募ると、袈裟と言う女性が申し出ました。やがて袈裟を積んだ籠が出発すると、敵兵が襲ってきました。この時袈裟を救ったのが盛遠という、気の荒い青年でした。盛遠は兄の家に袈裟を抱えて行き、口移しで水を飲ませ目覚めさせました。すると兄が帰って来ましたが、兄は敵軍に寝返っていました。
そのころ清盛派の権臣の首が、さらし首として地獄門に吊るされました。これを見た盛遠は厳島神社に向かい清盛に会いました。そして敵軍を攻めるなら、気負抜いている今だと助言しました。すると内通者が動き出しました。盛遠は内通者を追い切り殺しました。これがきっかけで清盛の兵たちは敵軍に勝利し、内乱が収まりました。盛遠は袈裟に再会しました。袈裟の美しさに見とれ、言葉もろくにかわせませんでした。清盛が反乱を収めるきっかけとなった盛遠に礼をしたいと呼びました。そして望みを叶えてあげようと言い、何がいいか聞くと、盛遠は袈裟と一緒になりたいと言いました。しかし袈裟には渡辺渡という夫がいることが、側近の話でわかりました。
人妻と知っても盛遠は諦めず清盛に頼み込みました。清盛も一度だけチェンスを与えようと、袈裟を呼び出し、盛遠と二人きりにさせました。一緒になってくれと言う盛遠に対し、袈裟は夫がある身だときっぱり断りました。諦めのつかないまま競べ馬の行事に参加した盛遠達の相手は渡達でした。勝負は盛遠らが勝ち、祝宴に移りました。ここで渡の仲間が、渡はわざと負けてやったのだと言った事から喧嘩になりました。喧嘩は止められ、納得のいかない盛遠が袈裟を自分のものにするため行動に出ました。まず家を訪ねました。すると使用人が叔母の家にいったと言いました。次に叔母の家に言った盛遠でしたが袈裟はいませんでした。そこで仮病を使って袈裟をここに呼ばないと切り殺すと叔母を脅し、袈裟を呼びました。
呼ばれた袈裟は盛遠の言葉に驚きました。渡を捨てて自分の所に来ないと、袈裟も叔母も殺すと言うのでした。そこで袈裟は『それなら渡を殺してく』と頼みました。盛遠はその気になり、九つの時に殺すと言って、渡を家の離れに寝かすことになりました。家に帰った袈裟は渡と酒を飲み、渡を寝かしつけた後、自分が離れで寝ました。九つの時が来て、盛遠が離れに忍び込み眠る渡に切りつけました。しかし目の前で死んでいたのは袈裟でした。一番大事な袈裟を殺してしまった盛遠は渡に、首を切ってくれと頼みました。しかし渡は、お前を殺しても袈裟は帰ってこないと言い、盛遠を許しました。盛遠は頭を丸め都を離れました。
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